ミテ・ハナソウ展2019「もうひとつの夏休み ― 不思議の世界で、ミテ・ハナソウ!」
19/8/3(土)~19/9/16(月)
佐倉市立美術館
本展は、夏休みに家族や子どもたちが何度も美術館を訪れ、現代美術作品を味わい、楽しんでいただくための展覧会。その仕掛けとして、カーペットを展示室全面に敷きつめ、ゆっくりと作品に向き合う空間をデザインした。展示室のカーペットには、切り抜かれた通路が、小川や小道にもみえるように流れている。森の奥深くにまぎれこんだような空問や、ヴンターカンマー(驚異の部屋)のようなアトリエ、絵画ように見えてゆっくりと動いている映像が浮かび上がる部屋、アートについて考える研究室など、不思議な空間を行ったり来たりしながら、作品世界を楽しむことができる。
夏休み期問中は、鑑賞コミュニケーターの「ミテ*ハナさん」が研究室で迎える。子どもも大人も靴を脱いで、寝転んだり、腰掛けたりしながら、作品についてミテ*ハナさんと語りあうことで、芸術作品が身近に感じられアートを楽しむことができるようになれば、という試みだ。もちろん、一人で静かに展示を楽しんでいただくこともできる。
展示コンセプトは、3人の現代美術家による「もうひとつの夏休み」。懐かしい感覚や、どこかで見たことがあるようなモノが潜んでいて、アレっと気を取られ、空間に身を置いているうちに、いつのまにか、日常の裏側にあるもうーつのフシギな世界へといざなわれる。飛行機にのって、遠くに飛んでいかなくても、想像カを使って、フシギの世界を旅する力が、美術にはある。なんでもないと思っていた普段の生活が揺らぐような感覚、この世界はなんなのか、私たちはいったい何者か、という解けることのない問いを楽しんでいただければ幸いである。