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赫い髪の女

にっかつロマンポルノが生んだ名作中の名作であり神代辰巳の最高傑作の一つ。雨の中、ダンプカーの運転手光造は自動販売機のカップめんをすすっている女を拾う。いたずらをするつもりの光造だったが、その日から女は彼のアパートに住みついてしまう。女は自分のことは何も言わないし、光造もあえて聞いたりはしない。ただ来る日も来る日もセックスを繰り返すだけ。彼女は突然何かにおびえたりするが、過去を持ち込むのはセックスの体位くらいで、光造と一緒にいることをただ喜んでいる。もう若くもない男と女の交接の日々を描きながら、その頽廃感から発せられるのは粉飾ぬきの性愛の姿だ。神代は例によって長回しを多用し、役者の息づかいまでも映し出している。また頻出する雨のシーンに象徴される湿度の高い映像空間を作りあげ、日本の映画が持つ独自の色彩と質感をフィルムに定着させている。その全編からエロスが匂い立つ。性愛の化身ともいうべき女を演じきる宮下順子が素晴らしい。

上映情報

ジャンル
日本映画
制作年・国
1979/日本
上映時間
73分
レイティング
R18+

キャスト&スタッフ

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