死刑台のエレベーター〈1957年〉
99/9/11(土)
巨匠の処女作にして傑作
Ｎ・カレフの推理小説を、当時25歳のマル監督が演出した処女作で、罪を犯す現代人の空虚な心理を斬新な演出で鋭くえぐった傑作。都会を映すノワールなモノクロ映像と即興演奏によるジャズ音楽が、情事に溺れた行き場のない男女の姿を見事に浮き彫りにする。ヌーヴェル・ヴァーグの存在を世界に知らしめた記念すべき作品。現在、ニュープリント版が公開中だ。
あらすじ
土地開発会社の青年医師ジュリアンは、社長夫人と密通を重ね、ついに邪魔者の社長を殺す完全犯罪を企てる。だが犯行直後、帰り際に乗ったエレベーターが電源解除のため、停止してしまった。ジュリアンのアリバイは壊れたかに見えたが……。
