話しているのは誰? 現代美術に潜む文学
19/8/28(水)~19/11/11(月)
国立新美術館
国内外で活躍する日本の現代美術家6名によるグループ展を開催。本展に参加する6名の作家は1950年代から1980年代生まれまでと幅広く、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたる。これら作家に共通するのは、作品のうちに文学の要素が色濃く反映されていること。
古代ローマの詩人ホラティウスが『詩論』で記した「詩は絵のごとく」という一節は、詩と絵画という芸術ジャンルに密接な関係を認める拠り所として頻繁に援用されてきた。以来、詩や文学のような言語芸術と、絵画や彫刻のような視覚芸術との類縁関係を巡る議論は、さまざまな時代と場所で繰り広げられてきた。
展覧会タイトルが示唆するように、本展では文学をテーマに掲げている。だが、ここでの文学は、一般に芸術ジャンル上で分類される文学、つまり書物の形態をとる文学作品だけを示すわけではない。現代美術において、文学はこうした芸術ジャンルに基づく区別とは違ったかたちで表れているように思われる。日本の現代美術における文学のさまざまな表れ方を経験していただければ幸いである。