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小林耕平 個展 「ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン」

19/10/19(土)~19/11/9(土)

ANOMALY

『ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン』は、2013年にグループ展『ユーモアと飛躍―そこにふれる―』(岡崎市美術博物館、愛知)、また翌年『1974 第一部 1974年に生まれて』(群馬県立近代美術館、群馬)で発表された小林耕平のヴィデオ・インスタレーションで、本展では同作品を再構成し、東京では初出になる。
小林は、伊藤亜紗(*1)提供による奇妙な思考の道筋や論理の絡繰でできたテキストを下敷きに、小林独自の解釈で日用品を組み合わせた奇妙なオブジェクトと、そのオブジェクトを説明する映像を制作し、複雑なインスタレーションを形成する。そのオブジェクトは、我々の認識からすると一見、モノとしての機能を失ったオブジェクトとして提示されている(例えば、長いスパイラル状の針金に刺さった2つのテニスボール、など)。
しかしそのオブジェクトは、小林による新たな「使用方法」を解説する映像(デモンストレーション)によって、そのモノ本来の役割を軽やかに取り払ったのちに、代わりに別の可能性や意味を添えて、新しい装置に「見立て」られ、奇妙な機能を持ったオブジェクトとして「再生」されていく。その映像は、小林の解説の受け手であるcore
of bellsの山形育弘(*2)を相手に、しかしその解説すらも徐々に破綻していく様を提示し、鑑賞者にまなざしや思考の転換を喚起する。
たとえば、本展『ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン』では、「町をゾンビタウンにする」ために書かれた伊藤氏のテキストをもとに、小林が考案した「タオルにヤクルトの空ケースを取り付けたオブジェクト」が登場するが、ヤクルトを「水分」として摂取する様をもって、身体を「再生機」というオブジェクトに「見立て」る。インスタレーションを構成する映像の中で、「水分」が体内を移動する様はその移動の履歴と記録(レコード)である、と提案し、その奇妙な「再生機としての身体」をデモンストレーションするが、そこでは常に「解釈のズレ」が生じる。小林は山形を相手に映像の中で問答を繰り広げながら、このように様々なオブジェクトの使用方法を説明するが、二人のやりとりはその問答を繰り返すことで奇妙さと解釈の多様性を呈し、鑑賞者をより高度で未知な思考に導く。小林によれば「齟齬とはこの場にはない空間を指し示すこと」であり、ひいては我々の世界の捉え方に、不思議な変化をもたらす。
*1)山形育弘:小林耕平の映像作品でおなじみのハードコアバンドcore of
bellsのボーカルで、小林とデモンストレーションを繰り広げる。
*2)東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授、MIT客員研究員。近著に『記憶する体』(春秋社)、『どもる体』(医学書院)など。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00(金曜は20:00まで)、日曜・月曜・祝祭日休廊

料金

無料

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