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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

偽りの花園

「嵐が丘」「西部の男」など数多くの秀作を生んできたゴールドウィンとワイラーの名コンビが、女流劇作家ヘルマンのヒット舞台劇を映画化。ヘルマン自らが脚色にあたっている。女主人公の居間だけに舞台を限った原作を巧みに解体し、戸外へ屋内へと自在に映画的にドラマ空間をひろげた手腕はさすが。物語の舞台は20世紀はじめの南部のある町。心臓の悪い資産家の夫からなんとかして綿工場の資金を引き出そうと画策するその妻リジーナと、その二人の兄のエゴイスティックな姿が、一流の冷徹なリアリズム手法で描かれる。ラスト近く、突然心臓発作に襲われた夫を、リジーナが冷然と見殺しにするシーンはことにショッキング。このシーンをはじめ、例によって階段の劇的な使い方に、独自の演出を発揮し、出演陣もそれぞれの力量を出しきっている。

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