偽りの花園
「嵐が丘」「西部の男」など数多くの秀作を生んできたゴールドウィンとワイラーの名コンビが、女流劇作家ヘルマンのヒット舞台劇を映画化。ヘルマン自らが脚色にあたっている。女主人公の居間だけに舞台を限った原作を巧みに解体し、戸外へ屋内へと自在に映画的にドラマ空間をひろげた手腕はさすが。物語の舞台は20世紀はじめの南部のある町。心臓の悪い資産家の夫からなんとかして綿工場の資金を引き出そうと画策するその妻リジーナと、その二人の兄のエゴイスティックな姿が、一流の冷徹なリアリズム手法で描かれる。ラスト近く、突然心臓発作に襲われた夫を、リジーナが冷然と見殺しにするシーンはことにショッキング。このシーンをはじめ、例によって階段の劇的な使い方に、独自の演出を発揮し、出演陣もそれぞれの力量を出しきっている。
上映情報
- ジャンル
- 外国映画
- 原題
- THE LITTLE FOXES
- 制作年・国
- 1941/米
- 上映時間
- 116分
キャスト&スタッフ
- 監督
- ウィリアム・ワイラー
- 製作
- サミュエル・ゴールドウィン
- 原作
- リリアン・ヘルマン
- 脚本
- リリアン・ヘルマン
- 撮影
- グレッグ・トーランド
- 音楽
- メレディス・ウィルソン
- 出演
- ベティ・デイヴィス
- ハーバート・マーシャル
- テレサ・ライト
- リチャード・カールソン
- パトリシア・コリンジ
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