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甘い生活

最初、フェリーニが考えていたタイトルは「紀元2000年のバビロン」。20世紀のバビロンさながらのローマの退廃ぶりを余すところなく描いた大作だ。フェリーニ作品としては、後年の「サテリコン」や「カサノバ」の原型ともいえる画期的作品である。スターの顔ぶれの豪華さも特筆に値する。現代のローマ、作家を夢見て地方から出て来たマルチェロは、今ではゴシップ記者。ある夜、大富豪の娘と一夜をともにして帰宅すると、同棲中のエンマが自殺を図っていた。エンマを病院に入れたマルチェロは、空港にハリウッドのグラマー・スター、シルヴィアの取材に行く。天衣無縫なシルヴィアにマルチェロはさんざん引きずり回される。そんな彼の心のよりどころは、友人のスタイナー一家。スタイナーの知的で平和な生活は、マルチェロに作家への志を思い出させるが、スタイナーは子供と一緒に自殺をしてしまう。ショックを受けた彼は、乱痴気パーティーをして夜を明かした後、海岸で怪魚の死骸を見つけるのだった。

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