ちょうちん
ロールスロイスを乗り回し、3人の若衆を率いてはいるものの、組の幹部たちからは小突かれ、町ではカツアゲなどチンケなことをやっている“中堅ヤクザ“村田千秋。彼が、クラブのホステス・新子と恋に落ち、彼女の連れ子のために足を洗おうと努力していた矢先に、ガンに倒れて無念の死を遂げるまでを描いた異色のヤクザ映画である。やはりガンに倒れた金子正次の原作を忠実に映画化、病と闘いながらも図太く生きる千秋役を、陣内孝則が好演している。妹の誕生日に大きなバースデー・ケーキを買って帰ったり、連れ子の父親参観日に顔を出したりと、家庭的なパパの日常を映し出す演出が、ヤクザ映画だけにかえって印象的。
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