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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

RAMPO 奥山バージョン

完成した作品に不満を持ったプロデューサーが、自らメガホンを取って全体の70%を撮り直し、再編集を施した改訂版。場面は多少前後するものの、基本的な構造は変わらないので、物語はオリジナルの“黛バージョン“を参照のこと。主な変更点は(1)冒頭に米映画「マイ・ライフ」などのブルース・J・ルービン監督による英語ナレーション追加 (2)「お勢登場」のアニメ化(監督は名倉靖博)(3)著名人を多数集めたパーティーとそれに続くホテルでの場面を追加 (4)サブリミナル効果に訴えるコマ単位の編集 (5)「1/fゆらぎ」を導入した美術セット (6)伯爵邸での映画的趣向の強化 (7)主題歌にジャズの名曲「オール・オブ・ミー」を使用 (8)上映館にフェロモン入り香水をまいて観客の嗅覚を刺激する、など。改訂は主に“見せ物的な視点の導入“を意図しており、観客は随所ではぐらかされて困惑するほかない。映画というよりイベント性にこそ眼目があり、ある意味では一連の騒動そのものが、そのまま「RAMPO」だともいえる怪作。乱歩生誕、映画誕生、松竹創立100年をそれぞれ記念している。

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