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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

櫃田 伸也 NOBUYA HITSUDA 箱舟 2003-2019, oil, masking tape on canvas, 116.5 x 116.5 cm

櫃田 伸也 罪なき理性 -blame not on reasons

19/3/8(金)~19/3/31(日)

KAYOKOYUKI

櫃田伸也(ひつだ・のぶや)は1941年東京都大田区生まれ。東京藝術大学大学院を修了後、NHK美術部勤務を経て、愛知県立芸術大学および東京藝術大学で教鞭を取得。これまで安井賞(1985)、損保ジャパン東郷青児美術館記念大賞(2011)など数多くの賞を受賞し、作品は東京国立近代美術館、東京都現代美術館などに収蔵されている。
櫃田は、安保闘争の真っただ中に東京藝術大学で学生生活を過ごした。首席で卒業を果たした櫃田だったが、突然その筆を置き、テレビ局の制作現場に身を置く。そして72年ころから再び作品の発表をはじめ、「何より私の目や身体から出発する」絵画を目指すべく、次第に独自の道を切り拓いていく。
制作の出発点とするのは、空き地、水路、フェンス、コンクリートの壁、植物など、ごくありふれた身の周りの風景て。とくに櫃田にとって、幼少期を過ごした多摩川土手の斜面や広場は、いまだに重要な風景のひとつだという。まだ東京に地面の土が露出していた時期から、道がコンクリートで覆われその上にビルが建ち並ぶまで、とにかく街を歩き回って「見ること」を積み重ねた経験は、櫃田の絵画の原点と言えるだろう。
画面のなかに消失点を定めず、視線を分割する斜線のあいだを風が吹き抜けるような絵画。櫃田は、風景を計測可能で自明なモチーフとして扱うのではなく、断片的に知覚され「通り過ぎる」あるいは「通り過ぎた」ものとして、様々な場所や時間のブリコラージュによって描こうとしている。対象を見ている時間だけでなく、まさに櫃田自身の経験や生活を通して遠近法は組みかえられ、空間の質自体が変容したひとつの画面が立ちあがるのである。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00~19:0(日曜は17:00まで)、月曜・火曜・祝祭日休廊

料金

無料

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