
川上澄生と旅に出よう! ~とちぎの木版画をたどる~ +新収蔵作品展
18/4/1(日)~18/7/1(日)
鹿沼市立川上澄生美術館
人生は「旅」に例えられる。なぜなら、私たちは一生涯において、様々な人と出会い、方々の土地を渡り歩き、かえがたい経験を積むためである。川上澄生の77年の生涯を振り返るとき、その大半は栃木県の宇都宮で費やされた。水面に一滴の水が落ちると波紋が起こるように、その創作活動は宇都宮を中心とした地域に版画の波を起こし、様々な方向へ波及していった。日本創作版画協会(のちの日本版画協会)や国際創作協会(国画会)に所属する澄生の存在は、大都市・東京と地方・宇都宮との版画におけるパイプの役割を果たしている。教員を務めた澄生の元には、版画愛好の生徒や先生が集まり、版画誌『刀』や『鈍刀』などの創刊につながったほか、かつて商業美術家を夢見た、そのデザイン性は宇都宮の店舗の看板や包装紙、ブックカバーなどに用いられ、今なお私たちの生活に彩りを与え続けている。
この展覧会は、「とちぎ」をキーワードとして、本県において澄生の創作活動がもたらした恵みを振り返るものである。また、同時開催として、近年における鹿沼市立川上澄生美術館の収集活動によって新たに収蔵された作品・資料を紹介する。