アニマル・グラフィティ 河嶋淳司展
19/12/18(水)~19/12/30(月)
松坂屋名古屋店 美術画廊
家族象
鮮烈に眼に飛び込んでくる青や赤や緑。実際の個体が身にまとっている色彩とはかなりかけ離れていながら、象は象であり、馬は馬であり、猿は猿として画面の中で確固たる存在感を示す。それはなぜなのか、と考えたとき、徐々に気づかされるのが、描く対象について綿密に重ねられたであろう取材と描写力、そして単なる色彩の競演に留まることなく、素材としての岩絵具の特徴を知り尽くし、色調にもたらされている繊細な変化だろう。
大胆な構図と装飾性は琳派の表現を髣髴とさせ、削ぎ落とされた明快さを持つ背景は、いわゆる日本的な余白の美に通ずるものがある。伝統を踏まえながら、自らでなくてはなしえない美の世界を切り拓き続ける河嶋氏の世界を楽しんでほしい。
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