荻須高徳展 ‒カタログレゾネ発刊記念‒

1901年現在の愛知県稲沢市に生まれ、1927年に渡仏、60年の画業の大半をパリに捧げ天命を全うした荻須高徳。絵を描くことに専心した86年にわたる生涯で、多くの作品が制作された。 パリに生きパリに没した日本人画家として、OGUISSの名は日本画壇のみならず、フランス、スイス、イタリアなどへのグローバル化を果たした。
かねてから準備が進められてきたカタログレゾネ制作が、このたび発刊を迎え、荻須の偉業を集大成する第一歩が踏み出されることとなった。
描かれた作品群がその溢れる魅力の証左として、数々の愛好家及び美術館等に所蔵され、近現代の美術史に光を放ち続ける現在、生誕から120年というこの節目の年に、カタログレゾネの第1巻が刊行されることは、必ずや荻須の画業の深奥を後世に伝えていく大きな礎となるだろう。
同展では、戦前戦後を通じて荻須の手になる油彩作品のほか、水彩画を併せた30点余の作品をご高覧いただきたい。