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【閉幕】鈴木親「東京の日常の断片」

20/3/7(土)~20/4/11(土)

KOSAKU KANECHIKA

Nakano, Tokyo 2015 C-print, 100.0 x 126.0 cm ©︎ Chikashi Suzuki

KOSAKU KANECHIKAでは、2020年3月7日(土)より、鈴木親展「東京の日常の断片」を開催する。
90年代より、エディトリアルやファッション・フォトの最前線で活躍し続ける鈴木親。フランスでキャリアをスタートさせた彼の活動は幅広く、ファッション、アートの境界を超えながら常に時代を代表する写真家のひとりとして注目を集めてきた。
そのキャリアにしては、展覧会や写真集での発表が少なかった鈴木だが、KOSAKU KANECHIKAでは2018年に「晴れた日、東京」、2019年に「わたしの、東京」と2回の展覧会を開催してきた。長年撮り続けてきた彼の重要な被写体である東京の再解釈を軸に、写真というメディアについての再考、また写真史へのレファレンスなど、重層的なコンテクストをもつ展示を行った。
この期間は、鈴木が自身の膨大な作品群を振り返る機会だったのかもしれない。続く今回の個展では、綿密なセッティングをして撮影したものではなく、どちらかというと私的、プライベートなスナップを中心に展覧会を構成する。それらの多くは撮影されてから、発表されないまま長い時間を過ごしてきた写真である。
人間が見る風景や事物、日常の変化を写真に撮り始め、現実を複製することに憑かれてから久しいが、デジタルが登場してからは、写真はかなりのスピードで消費されるようになり、そのイメージは作られては過ぎ去っていくものとなった。それとは対照的に、鈴木が今回展示する、フィルムで撮影された写真は、ほとんど人の目につくことなく時間が経過したことで、新鮮な存在感をまとって私たちの前に現れる。パブリックな存在の人物、パブリックな存在になる前の人物、東京の街、風景や花などが、等しく鈴木の日常の断片として切り取られている。そこには真実が写っており、また鑑賞者が受け取り、無数に紡ぐことができる新たなストーリーの余地がある。
「写真はすべて死を連想させるものである」。スーザン・ソンタグが「写真論」でそう述べているように、写真を撮るということはその人物や事物の運命、はかなさや無常に立ち入ることでもある。だからこそ、そこに生まれる哀感や、郷愁にも近い感覚は美しく、また予兆も孕んだ時間の経過という要素は鑑賞者を魅了し、想像力に働きかける。
鈴木は被写体の曖昧な瞬間や、無意識な部分を意識的に撮っていると言う。彼の被写体が魅力的なのは、作家性を抑えるほど、被写体の強さと輝きが際立ってくるからだと言える。その時にその場所で、その写真家にしか撮れなかったものが、普遍的な存在感を得ていく。それが写真の写真らしさでもあり、優れた写真家の力量によって可能になるものである。
本展は、意味や作為性が生じることを避け、これまで展覧会や写真集の発表が少なかった鈴木が自身でセレクトした写真、約40点で構成される。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00(金曜は20:00まで)、日曜・月曜・祝日休廊

料金

無料

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