企画展「喜多村進と徳川頼貞 ―南葵音楽文庫をめぐるひとびと―」
20/8/29(土)~20/10/4(日)
和歌山県立博物館
和歌山市出身の作家・俳人の喜多村進(きたむらすすむ)(1888~1958)は、職業として図書館司書を選び、大正時代から戦後にかけて、東京と和歌山で活躍した人物。喜多村は、大正3年(1914)から同13年にかけて紀伊徳川家の私設図書館である南葵文庫(なんきぶんこ)、そして昭和3年(1928)から同7年にかけては南葵音楽図書館に勤務した。とくに、南葵音楽図書館の司書であった時代には、当主・徳川頼貞(とくがわよりさだ)(1892~1954)の厚い信頼を得、昭和8年(1933)に和歌山県立図書館の司書に転職したのちも、親しく交流が続けられた。
同館では、平成17年(2005)に喜多村進のご子息・浩氏から喜多村の手許にあった大量の資料のご寄贈を受け、整理・研究作業を行ってきた。その結果、この資料群には戦前〜戦後にかけて精力的に活動した喜多村の姿と、数多くの人びととの交流がうかがわれる資料が数多く含まれていることが判明した。
このたびの企画展では、こうした調査研究の成果をふまえ、初公開の頼貞からの書簡・絵葉書のほか、南癸文庫・南葵音楽図書館に関する資料をはじめ、喜多村が生涯にわたって残した多様な文芸作品などを紹介し、その足跡をたどる。