香華 前後篇
「永遠の人」以降「今年の恋」という喜劇を除けば、以前のように優れた作品を続々と発表することもなく、どちらかといえば低迷した状態にあった木下惠介が久々に手掛けた力作。原作は、舞台化され評判にもなった有吉佐和子の同名ベストセラー。60年以上にも及ぶ母娘二代の波乱に富んだ人生を描く超大作である。20歳で後家になった郁代は娘・朋子を連れて再婚したが、夫の親との折り合いが悪く子供を連れて家出。貧乏生活の果てに朋子は半玉として売られる。朋子13歳の時、母・郁代が花魁(おいらん)となって現れ、17歳の時、伯爵に水揚げされる。やがて、芸者置屋を始めたり旅館を開業したり、淫蕩で虚栄心の強い母に痛めつけられながらも、黙々と生きていく女性像が、あざやかに浮かび上がっていく。木下流女性映画の真骨頂。
上映情報
- ジャンル
- 日本映画
- 制作年・国
- 1964/日本
- 配給
- 松竹大船
キャスト&スタッフ
- 監督
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木下惠介
- 製作
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白井昌夫
- 原作
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有吉佐和子
- 撮影
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楠田浩之
- 美術
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伊藤熹朔
- 音楽
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木下忠司
- 出演
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岡田茉莉子
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乙羽信子
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田中絹代
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杉村春子
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加藤剛
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北村和夫
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岡田英次
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