疎密考
21/4/24(土)~21/5/30(日)
和歌山県立近代美術館
今村源《2008-11 わたしⅢ》2008年 和歌山県立近代美術館蔵
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、全世界で人々の暮らしが一変した。感染防止のために、いたるところで「密」を避け、社会的距離を保つこと(Social Distancing)が叫ばれ、普段から私たちは他人との距離や、自らの置かれた空間を否応なしに意識させられている。
隔てなく人と触れあい、集まって活動し、どこでも自由に行き来できた日々がいまでは大きく変化し、多くの場面で制約あるいは自粛が求められるようになった。気兼ねなく「密」になれた日常は既に懐かしいものとなり、「新しい生活様式」に順応せざるを得ないいま、私たちの周りの空間ではさまざまな試行錯誤が繰り広げられている。
これまで古今東西の作家も、空間というテーマに対峙し、多様な視点からアプローチしてきた。その中でも「疎密」は重要な意味を持ち、作品の性質を決定づける要素のひとつでもあるといえるだろう。本展覧会では空間における人と人との距離を作品の中に探り、余白あるいは集積といった疎密が意識された作品も紹介するなどして、空間における人やものの関係を見つめ直す。
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