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ギンザ・グラフィック・ギャラリー第384回企画展 葛西薫展 NOSTALGIA

21/9/8(水)~21/10/23(土)

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)

この度、ギンザ・グラフィック・ギャラリーでは、およそ30年ぶりの葛西薫さんの個展を開催することになった。前回は1992年、まだバブル経済の余韻が残る頃、葛西さんは「空気」という意味の「AERO」をテーマにした大作(3×2m)を、ギャラリースペースの天地いっぱいに、NECOというインクジェット印刷で、漉いた和紙上に表現していただいた。その浮遊感と昂揚感溢れるプロペラの設計図のような作品群は、それまでのグラフィックデザイン、グラフィックアートの概念を変えてしまうほどの衝撃を見る者に与えた。
その後葛西さんは、「サントリーウーロン茶」や「ユナイテッドアローズ」等の広告のみならず、パッケージ、CI、サイン計画ほか、小説や詩集の装幀や映画、演劇関連のグラフィック、動画制作など、多方面でめざましい活躍をしてきた。
今回の展覧会では、葛西さんがその語感が大好きと決めた「NOSTALGIA」(ノスタルジア)をテーマに、新作の数々を発表する。「ノスタルジア」と言えば、「郷愁」、「望郷」などの意味やタルコフスキーの映画にも同タイトルがあるが、葛西さんはそれを、「意味のないもの、分からないものへの興味。その深層にあるもの」と語ってくれた。そして、それは手作業から生まれるそうだ。定規を使うこと、墨を磨ること、絵具を絞り出すこと、鉛筆を削ることなど、そこに生ずる懐かしい匂いや音の輻輳・・・。それは、葛西さんの身体に宿る太古の原始的な感覚を呼び起こす。葛西さんにとっては、自分の手(宇宙)を通して湧き出てくる、「創作の断片を編集する喜び」が「ノスタルジア」なのだ。
地階会場では、新作のほか、ブックデザインを中心に、プロダクト、オブジェなど、多面的な創作活動をご紹介する。また、2階のライブラリでは、ポスターの代表作や葛西さんが演出を手がけたCM作品の一部を編集した映像をご覧いただける。
葛西さんの作品には、現在のコロナ禍やギスギスしたデジタル時代を乗り越えるヒントがたくさん込められている。現代社会が喪失しつつある「ユーモア」と「ペーソス」、「知性」と「無邪気」等々。この秋、葛西さんの想い描く「ノスタルジアの世界」をぜひ体感しに来ていただきたい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~19:00、日曜・祝日休館

料金

無料

出品作家

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