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共犯者・小林私【キキミミ #3 小林私】

ぴあ

小林私 撮影:池野詩織

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わたくし庄村聡泰(ex- [Alexandros])と写真家・池野詩織によるインタビューシリーズ『キキミミ』。唯一無二なアーティストが真に伝えたい言葉、魅せたい姿を追求する本シリーズ3回目の今回は、気鋭のシンガーソングライター、小林私が登場!

6月30日リリース『後付』の収録曲を異例にも最後の曲から順番に語っていただきまして、最終的に「小林私は課金勢で、サトヤスはエヴァのアスカにこじれた愛情を持っている」との話に着地(?)した今回。その他泣く泣く削ったサブカル話も多数。ぴあさん、完全版をいつか(笑)。

アコギとてりやきマック

小林私(撮影:池野詩織)

――早速なのですが、活動としては配信なども積極的に活用しつつ、制作過程も公開したり、他誌での公開インタビューなんかもやってらっしゃいますよね?

小林 大学4年間で現代アートをやってて、完成系だけでなく作る過程の文脈が見えている面白さというか、そんな場があっても面白いんじゃないかと思って配信はやってますね。作品に対する解説を聞いた後に見るとまた違った見え方になるし、作品と鑑賞者を繋ぐものを意識的に入れるようにしています。もともと部活のコピバンのギタリストでして、1人でやる楽しさに目覚めたのはアコギ買ってからです。バンドで音合わせる楽しさも勿論ありますが、感覚として自分には今のスタイルの方が合ってたなと。

――視聴者も巻き込んで「小林私」を作り上げる感覚ですか?それとも確固たるものがあるから、そこは必要としないのか。

小林 その時々でこうしたいああしたいはありますけど、それも時を経て変わっていくと思うし、変化に対する抵抗感もない方が良いと思ってます。今のやり方が最高だとは思わないし、考え方自体もどんどん変わっていった方が良いと思ってます。

――人によってはどんな曲が聴きたいかをTwitter上で募集するなんてやり方もありますしね。

小林 そういう書き方が出来る人は限られると思います。僕は出来ないと思うから。それを言ってなおかつ聴かれる曲を書けるのは凄いと思うし、人が求めるものと人が求めるものに擦り寄って作られたものってまた全然違いますしね。

――小林さんの独特の節回しは自己流なんですか?

小林 何かに影響されたっていうより、ボカロを聴いてる中で1個の曲を色んな歌い手さんやボカロPが自由に解釈する様を見ているので、どういう歌い方でも良いんだって感覚が養われたんだと思います。

――新作『後付』では、後半の弾き語り3曲のアコギとの一体感に驚きました。

小林 やっぱりそのスタイルが好きっていうのと、アコースティックギター1本と声1本で完成させる、って意識はありますね。

――アコースティックの曲は一発録り?

小林 いや、分けて録ってます。

――別録りであのシンクロ率?

小林 エンジニアが優秀だからです(笑)。

――ボカロ世代の方々って曲どころか自分の声すら自分でいじるのが当たり前でもあって、その中でここまで生で、裸で、アコギめちゃくちゃ愛してる人ってとっても稀有だよなと…。

小林 いや、普通ですよ(笑)。アコギとてりやきマックならてりやきマックの方が好きですもん(笑)。

――(笑)。側にはいつもこいつがいたみたいな愛機は?

小林 ギター始めて8年、アコギ買ってから7年で、ずっと4万円のヤツを使い続けてますが、良い加減ちゃんとしたの買わないとなって(笑)。

――相棒じゃないですか。

小林 でももっと良いヤツくれるなら全然それ使いますよ(笑)。

――じゃあ、アコギとパソコンだとどっちが好き?

小林 (即答で)パソコンですね(笑)。ネット大好きなんで。

――こんな質問したのも、小林さんの歌とアコギとのグルーヴ感がどこから来るのか知りたくて、でして…。

小林 アコギで作り始めてアコギで完成させるのが僕の一つの着地点で、否定の気持ちは全くないけどバンドの人がアコースティックライブやると平坦に聴こえちゃう部分があるというか。そうならないようにアコギの抑揚の付け方は意識してますね。メロディや歌詞も。そうやっていく事で簡単に消費されない強い作品が出来るんじゃないかという感覚があります。そうじゃないと自分が歌ってて飽きちゃう。

音楽制作よりも良い暮らし

――弾き語りってある意味最後の砦だと思うんです。曲がある程度売れて聴かれまくって数年経って、そろそろ弾き語りツアーやってみる?みたいな。で、ライブ観てどうだった?となるとう〜ん…みたいな(笑)。

小林 以前観に行った遠藤理子さんのライブがバンド→弾き語り→バンドみたいな出順だったんですけど、MCで“弾き語りがバンドのお下がりになってるみたい”とか“音楽で大事なのはオケだけじゃないんだぞ!”みたいな事話してて、カッコいい!と思ったんです。遠藤さん、Cody Lee(李)の尾崎リノさんと2人で世田谷倶楽部ってユニットやってたりもしててクソ尖った方です(笑)。

――なるほど、そんな小林さんもはみ出し方が半端ないし、尖ってる印象もあって。このインタビューの後に“あいつ(サトヤス)マジでクソだったな”とか言ってそうだなと…。

小林 いやいや言わないっすよ(笑)!こう見えてめちゃくちゃ真面目なんですよ!小中高大優等生で、講義も前の方でカリカリカリカリ…でしたもん(笑)。大学4年間で必要な単位も最初の2年で取りましたし、初めてバイトしたパチスロ屋の社員さんに“小林君は本当に真面目だった!どこ行っても、大丈夫!”て太鼓判押されましたから(笑)。はみ出すんならやる事やってからはみ出そうというか、良い音楽は良い暮らしから生まれると思ってて。人が作る物である以上、暮らしがちゃんとしてないと届けられても嬉しくないなという思いがあって。僕は良い作品を作る為に生きてるんじゃなくて、最終的に幸せだなって思って暮らす為の一つの要素として作品づくりを楽しんでいるので、まずはちゃんと暮らしたいなって。

――自分の音楽で暮らしたい?

小林 別に音楽じゃなくてもいいんですよね。プロを目指してた訳でもなければ絵画で食って行きたい訳でもなくて。音楽も絵も関係ない就職をしてそこで得た物がその後の生活に活きれば、それから新しく興味持ったものに活かせれば良い。何にせよちゃんと生きて行く事が大前提ですね。

――『後付』では個人的に「共犯」が一番刺さりました。歌い尻から1分5秒間ギターのストロークだけなのにめちゃくちゃ楽しく聴けたんですよ。これは凄いなと思って。

小林 あそこカッコいいっすよね。長尺のギターだけの場面作ったのには理由があって。“目の前の箴を疑え”って歌詞で終わるんですけど、映画のエンドロールに近い物を提示したくて。エンドロールって映画に対して自分を落ち着ける為の時間だったりするじゃないですか。その感覚なんですよね。スパッと終わる曲も多いけどこれはそうじゃないなと思って、あの形にしました。

――自分の曲をカバーして欲しいなって思ったりします?

小林 めっちゃして欲しいです。ぐっちゃぐちゃにして欲しい(笑)。自分の歌い方に癖があるのでそれっぽくカバーしてくれる方が多くて、その人の声的に向いてないのに無理にがなってくれてたりしてて。嬉しいんですけどその人の感じで聴きたい。僕が人の曲勝手にカバーしてる時点でとやかく言う筋合いないけど(笑)。中にはこんなストロークで弾いた事ないな、これパクろう!みたいな時もありますね(笑)。独学だし手癖で弾いてるから絶対このフレーズで、っていうのがないんですよ。コードの押さえ方にしても手の大きさによって出来る出来ないがあるから人の手に渡る事で自分の作品がより変わった形で見えたら嬉しいなって思いますね。

――“ラム肉”って歌詞も珍しい使い方ですよね。

小林 あそこちょっとダサくて良いですよね(笑)「共犯」自体、映画のクサイ台詞回しが頭にあったんだなって聴き返すと思います。ちょっと体感的に英語を翻訳した日本語特有のちょっとクサイ台詞回しみたいな。“オイオイ、なぁ〜にやってんだよ!”みたいな(笑)。『ミラクル・ワールドブッシュマン』(「共犯」の歌詞に出てくる映画)は文明的に発達してない村にある日コカ・コーラの瓶が落ちてて…って話なんですけど。この曲自体色んなベクトルがあって、自分があんま好ましく思わない人達へ向ける所から始まり、それを言ってる自分に向けつつ、逆張り感でそんな俺に対してカッコいいじゃんみたいに思ってるヤツ等にも向けてて味方ゼロみたいな内容で、その関係性を敢えて“共犯”という言い回しで表現してます。“足るを知る者は富む”って言葉がありますが、足るを知らない状態に対する僻みみたいなのが一要素としてあって、映画と共鳴する部分が…昔過ぎて内容あんま覚えてないんすけど(笑)。

――味方ゼロとはいえ君を共犯にしてしまう事への寂しさ、後ろめたさも感じているような印象も受けましたが。

小林 負い目みたいなものですね。何かを批判するなら自己批判も含まれないとダメだと僕は思っているので。自己批判と自己への擁護に対する批判もちゃんと拾いつつ出来たかなと思ってます。

――とにかくリリース済の原曲より弾き語りの方が刺さったってのは近年稀に見る経験でした。

小林 めっちゃ好きじゃないですか(笑)。

曲作りは同人の世界に近い

――続いて「花も咲かない束の間に」。これは小林さんの中では変化球?

小林 めちゃくちゃ変化球ですね。アコギだけどアコギっぽくないというか、のっぺりしないようにフレージングも意識して、アコギと声の美味しい所をちゃんと残したいなという意識が薄っすらあった時期に書いた曲です。

――歌詞はしっかり背景が浮かぶ、丁寧な書き方だなと。

小林 そうですね。凄く丁寧な歌詞だと思います。

――男女の視点が行き交ったりもしますよね。

小林 性別は特に設定してなくて、全部自分視点なので。

――“無理言って会おうかしら”とかは?

小林 ここも女だって意識はあんまりないですね。“かしら”って男も使ったりしますし。

――自分がまさにそれ使います(笑)。5分12秒って昨今の音楽としては割と長めの曲なのですが、歌詞の流れが気持ち良いですよね。

小林 メロディも綺麗な感じをポンポン出せましたね。自分で好きなのはCメロの“ちょっとのことで崩れてしまう”の辺りとかかな。あとはこの時期特に短歌や詩集を読んでて、その節回しが多いのかなと、百人一首からの引用で“唐紅に水くくらない”とか入れたりして。

――四字熟語なんかも使われますよね。

小林 「風邪」では都々逸の一節を持ち込んだりしました。面影ラッキーホールってバンドが好きで、「おんなの線路標」って曲で都々逸を引用してるんですけど、“都々逸を引用?カッコいい!”と。物語系の歌詞の頂点だと思ってて。あとはネタい手系のアルティメット・ハイって人も好きで。替え歌なんかで元の曲と全然関係ないお話をそのまま歌詞に詰め込んで、それでいて整合性も取れてて。その辺からの影響はめちゃくちゃありますね。

「風邪」Music VIdeo

――いやはや、思った以上のごった煮フォークなんですね。

小林 めちゃくちゃごった煮ですね。本も漫画もアニメも、何でも好きだし。

――それを弾き語りというミニマルに落とし込めるのが凄いですよね。

小林 そこは得意だと思ってます。“落とし込めてるぜ!”“さて君達はどこまで気付けるのかな?”って(笑)。YouTubeだけで出してる「日暮れは窓辺に」と「朝は暗くて透明」は『アイドルマスターシャイニーカラーズ』ってソシャゲの樋口円香と浅倉透ってキャラに対する楽曲で。ゲーム知らないと一切伝わらないけど知ってると“これストーリー上の台詞や!”って。オタクが喜ぶヤツです(笑)。何で曲作るかっていうと、それはやっぱり自分が聴きたいからで。"誰も描いてくれないマイナーカプがイチャついてるのが見たい。となると、自分で描くしかない!"みたいな同人の世界が一番近いかもしれないですね。

――余談ですがエヴァは基本アスカが幸せにならないので、アスカ推しとしては中々複雑なんですよ。

小林 (笑)。だからアスカに幸せになって欲しい作家さんが有志でそんな世界を描くんですよね。

――アスカのイチャラブ、読んでたなあ…。

現場一同 (爆笑)。

――すっかり綾波じゃ反応しない身体に…ってスミマセンこんな話で(笑)。

小林 今回はアスカが好き過ぎるインタビュアーさんなんですね。前回は逢坂大河(『とらドラ!』のヒロイン)になりたいってインタビュアーさんでしたよ(笑)。

曲名のからくり

――逸れましたので戻しますね。先程読み方を伺った「飛日(読み:ひび)」。この題名は?

小林 “〜日”と付ける曲が多いです。僕はサビの歌詞もめちゃくちゃ変えるんですけど、何故かというと曲を聴いてる何分かでも時間は経過していて、音楽は時間経過の作品だと思ってるから曲の最初と最後の経過でちょっと変わってくる感覚も残したいんですよ。昨日、今日で考えてた事が変わる事ってざらにあるし、“〜日”って曲名は、その日考えてた事であって明日もそうである確証はどこにもない、でも明日もそうなのかもねみたいな感じで付けることが多いです。ちなみに「車の曲書いて」って言われて2時間で出来た曲です。

――最初、うがった見方でこれ“ヒヒ”ってタイトルでどこかにサルの引用があるのではなかろうかと思いました。

小林 (爆笑)。「香日」って曲は“口実”と掛けてたりもするので、それはそれで全然ありですね。「飛日」ではしてないですけど。

――曲中の何かがサルのようだ的な皮肉が込められていて、それでタイトルが"ヒヒ"なんじゃないか?小林私ならやりかねんぞと思って…(笑)。

小林 逆に言えばどんな解釈のしようもあるのに一切サルに行き着かなかったのも凄いかも知れないですね(笑)。

――答え合わせが出来て嬉しいです(笑)。1サビ2サビの時間経過があるからリフレインを使わないというのも聞くと納得ですね。

小林 意図的に使う事もありますけどね。「スープが冷めても」では一回冷めた情熱を温め直したいって欲求の側面を歌ったんですが、敢えて同じ歌詞をリフレインさせてみたりだとか。「飛日」もドライブしてて景色が変わったり変わらなかったりをリフレインさせたくてサビの歌詞はあんまり変えなかったり。逆に「共犯」は1番2番でサビのメロから変わりますし、エンジニアは苦労してますけどね。コピペ出来ないから(笑)。

スープが冷めても / 小林私

――次にBPMをグッと上げた「サラダとタコメーター」。これはこのフレーズが1サビに出て来ないという(笑)。

小林 それ僕超好きなんですよ。“気持ちイイー!!”みたいな(笑)1サビで出すのも勿論良いんですが、まだ出ないまだ出ない…で“2サビかい!”みたいな。この曲は日本語で遊びまくったんです。Cメロの“惹句に忠実(まめ)を”の部分は所謂キャッチコピーみたいな意味の“惹句(じゃっく)”に忠実に惹かれてしまう感じで忠実を“まめ”と読ませてジャックと豆の木に掛けるみたいなとか、端から解説してくと終わらないくらい色んな事してます。

――そもそも曲名が発明だと思いました。

小林 めっちゃカッコいいですよね。ここでのサラダは野菜じゃなくてワードサラダ的なイメージです。2サビでサラダ=無秩序、タコメーター=針で示す、みたいに一個の答えを示してはいます。でもこれは伝わんないだろうなと思ったんで話しておきます。

――この曲に関しては字面追ってるのも楽しいし謎掛け謎解きの要素も凄いあるから、味わい深いですね。

小林 本当の事言うと全部説明して良いんだったらしたいですけどね。“ここはこういう意味で実はこことも掛かってて、凄くない!?”みたいな(笑)。言いたさはありますが言っちゃうとダサいから。

――全部種明かしして良い曲もあるかもしれないと思いますけどね。

小林 「スープが冷めても」がラブソングって解釈された時はそうなんだ?と思いましたね。そのつもりじゃなかったのに。

――シンガーソングライター=ラブソングみたいなイメージも未だ根深いですもんね。

小林 絶対歌いたくない(笑)。いやそんな事ないんですけど、あんま書きたくない。でも意図的に避けないとそうなってしまいがちなジャンルでもあるんですよね。意識はしないとなって思ってます。

――ラブソングを恋愛以外に過大解釈していっても“君と僕の世界”って制限にぶち当たりがちですしね。

小林 「日暮れは窓辺に」は胸張ってラブソングと言えます。ゲームのキャラクターに向けた。ほかのインタビューでも言ったんですけど当事者に伝えないといけない事、例えば"好きだよ"、"ありがとう"、“ごめんなさい”なんかは本人に直接伝えれば良いので曲にする事ではないと僕は思うんです。だから本人に言う事じゃない事を曲にするんですけど、ラブソング書きたくないのは"それは当人に言えばいい"と思うからで。

――(頷く)。

小林 「日暮れは窓辺に」も「朝は暗くて透明」も同じ図式なのですが、樋口円香や浅倉透と同じ世界にいる自分じゃなくて、あくまでゲームのプレイヤーとしての目線はスタンスとして崩さないようにしてます。そうする事で絶対に思いが届かない視点からの曲になるので、自分の中でラブソングとして成立するんですよ。

お辞儀はプラス5秒

――最後は表題曲である「後付」。こちらは映画の主題歌との事なのですが、観てから書き下ろしを?

小林 そうですね。

「後付」Music Video

――多種多様なEPでもあり、後半のアコースティック3曲に食らわされた身としてはリピートして聴くと逆に一番シンプルに聴こえるのが印象的でした。言葉も少なめで。

小林 太宰治の『グッドバイ』が下敷きにある映画でもあるので、別れについての自分の解釈を曲中で広げていきました。言葉少なめになったのはやっぱり、お別れだからじゃないすかね。

――去り際にぐちぐち言うもんでもないしな…。

小林 この曲はぐちぐち言ってるんですけどね(笑)。言いたい気持ちと言いたくない気持ちの丁度良い混ざり具合がこの文字数なのかなって今思いました。あ、だから"後付"なのか。タイトル付けた時の事忘れちゃうんですよ。

――自分の事インタビュアーって名乗って良いか分かりませんが、こちら側の矜持としても出来る限り直球では聞きたくないんですよね。聞かれたい事と聞かれたくない事ってあります?

小林 「遊歩する男」(『包装』に収録)って曲は小林泰三(コバヤシヤスミ)の短編である『酔歩する男』の引用なので直球で聞かれた方が答えやすかったりもするし、逆に明確な対象がある曲にフォーカスされた時は言いたくないですけどね。実はシャニマスのキャラで…みたいな(笑)。

――制作側は嬉しいと思いますけどね。叶わぬ思いだと分かった上で心血を注いだ結果じゃないですか、それが音楽として生まれ変わるだなんて…。

小林 バカ気持ち悪いですよね(笑)。

――そうですかねえ?

小林 シャニマスはもう…神様(制作側)は"はいはい、やってなさい"と(笑)。

――課金するとプロデュース対象が増えるんでしたっけ?

小林 いや全員出来ますよ。僕は課金してますけど課金した方が有利というかよりストーリーは見やすくなります。でも結局ガチャ当たるか当たらんかって話なので、僕は当たらないから課金してます(笑)。

――弾き語りが本分の方にお話聞く機会が中々ないので知りたいんですけど、1人の時のライブの締め方ってどれが気持ち良いですか?ジャカジャカ弾いて拍手くれー!みたいなパターンが一般的かなとは思うのですが。

小林 それは僕もやりますけど、強いて言うならお辞儀ですかね。自分で思うプラス5秒、長めにお辞儀します。今日一日であった事を許して欲しいから(笑)。逆に配信ではちゃんと挨拶して切るよりはぶつ切りで、コメント欄がえ?終わり?みたいな感じが面白かったりするんで(笑)。曲の締めは楽曲が導いてくれる…って言ったらキモイな。その時の気分だったり、楽曲の気持ち良い所だったり、あんま意識的にはやってないのかも知れないですね。

――曲が導いてくれるって表現、キモイと仰られましたが凄く納得です。伺えば伺う程に「共犯」のラストが何故あんなに響くのかっていう答えに繋がります!

小林 本当に「共犯」好きですね(笑)。

オフショット
今回はこの企画初の庄村によるスタイリングにて撮影。
「デカめイカつめ開襟シャツ×ボロデニムのハマりがやたら良かったのですが、柄シャツは普段からよく着られるそうで、上手くいったかなと!」(庄村聡泰)

<作品情報>
小林私 New EP『後付』

2021年6月30日リリース

『後付』ジャケット

【収録曲】
1. 後付
2. サラダとタコメーター
3. 飛日(Acoustic)
4. 花も咲かない束の間に(Acoustic)
5. 共犯(Acoustic)

配信リンク:
https://nex-tone.link/A00088393

<ライブ情報>
小林私ワンマンライブ『一つの例を挙げるなら の剥き の展示かな』

【東京公演】 
日時:2021年8月18日(水) 開場17:00 / 開演18:00
会場:LIQUIDROOM
チケット料金:前売3,500円(※別途入場時ドリンク代 600円)
配信視聴:2,200円
購入URL:https://eplus.jp/watashikobayashi/
主催:easyrevengerecords

【大阪公演】
日時:2021年9月12日(日)  開場16:00 / 開演17:00
会場:梅田クラブクアトロ   
チケット料金:前売3,500円 全席指定(※別途入場時ドリンク代 600円)
購入URL:https://eplus.jp/watashikobayashi/
主催:キョードーグループ

関連リンク

小林私 YouTube:
https://www.youtube.com/channel/UCFDWRdFhAFyFOlmWMWYy2qQ

小林私 Twitter:
https://twitter.com/koba_watashi?lang=ja

小林私 Instagram
https://www.instagram.com/iambeautifulface/?hl=ja

インタビュー・文:庄村聡泰

ロックバンド[Alexandros]のドラマーとして2010年より活動するも局所性ジストニア罹患を理由として2021年3月に勇退。
バンド勇退の翌日より歌劇な過激団"不楽、足る。"(読み:フラクタル)の始動並びにライフスタイル提案型ファッションブランド"SNACK NGL"への合流を発表。
上記二足の草鞋を軸に、その他スタイリングや執筆など、多岐に渡る活動を予定している。
https://www.instagram.com/shomurasatoyasu

写真:池野詩織

1991年生まれ。2012年より写真家として活動開始。NY Art Book Fair 2018にてcommune Pressより写真集『オーヴ』をリリース。
ファッション、音楽、アート、コマーシャルなどあらゆるジャンルを縦横無尽に駆け回り、自由奔放な個性に起因した熱のある作品を生み出している。
https://www.instagram.com/ikenoshiori

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