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ヒロインは宮沢りえ、唐十郎×金守珍「泥人魚」に磯村勇斗・愛希れいか・風間杜夫ら

ナタリー

>COCOON PRODUCTION 2021「泥人魚」ビジュアル

COCOON PRODUCTION 2021「泥人魚」が、12月6日から29日まで東京・Bunkamura シアターコクーンで上演される。

「泥人魚」は、唐十郎が2003年に唐組で初演した作品だ。唐は本作で第55回読売文学賞 戯曲・シナリオ賞、第38回紀伊國屋演劇賞、第7回鶴屋南北戯曲賞、第11回読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞。新宿梁山泊の金守珍が演出を担う今回は、ヒロイン・やすみ役に宮沢りえ、浦上蛍一役に磯村勇斗、月影小夜子役に愛希れいか、伊藤静雄役に風間杜夫がキャスティングされた。このほかの出演者には、岡田義徳、大鶴美仁音、渡会久美子、広島光、島本和人、八代定治、宮原奨伍、板倉武志、奈良原大泰、キンタカオ、趙博、石井愃一、金、六平直政が名を連ねている。

上演に向け、金は「『泥人魚』は唐組で初演されましたが、実は(宮沢)りえさんをイメージして書いたと聞いています。つまり今回、ついに唐さんのラブレターが舞台として結実するわけです。そこへ俳優としても人としても私が敬愛してやまない風間杜夫さん、フレッシュで眼光鋭い磯村勇斗君、『月の裏側を熟知している』という月影小夜子役にはミステリアスで艶やかな愛希れいかさん、そして状況劇場時代からの盟友の六平(ろっぺい)ちゃん(六平直政)――最強のキャスティングでこの作品を皆様にお届けできることは、まさに演出家冥利に尽きます!」とコメントした。チケットの一般販売は、10月17日10:00にスタート。

金の全文コメントと、宮沢、磯村、愛希、風間からのコメントは以下の通り。

金守珍コメント

2011年、唐十郎作・蜷川幸雄演出「下谷万年町物語」の稽古場からの帰り路、私が運転する車の中で唐さんは1993年に放映された宮沢りえ主演のNHKドラマ、唐十郎作・三枝健起演出「青春牡丹燈籠」について熱く語り出しました。唐さんは状況劇場時代、李礼仙(李麗仙)に当て書きしながら、数々の傑作を世に出しました。作品はいわばラブレター。ヒロインを輝かせたいという強い思いが、作品を生み出す原動力にもなっていました。その唐さんが「ぜひ当て書きしたい」と強く願い続けた女優が、宮沢りえだったのです。

「泥人魚」は唐組で初演されましたが、実はりえさんをイメージして書いたと聞いています。つまり今回、ついに唐さんのラブレターが舞台として結実するわけです。そこへ俳優としても人としても私が敬愛してやまない風間杜夫さん、フレッシュで眼光鋭い磯村勇斗君、「月の裏側を熟知している」という月影小夜子役にはミステリアスで艶やかな愛希れいかさん、そして状況劇場時代からの盟友の六平(ろっぺい)ちゃん(六平直政)――最強のキャスティングでこの作品を皆様にお届けできることは、まさに演出家冥利に尽きます!

宮沢りえコメント

唐十郎さんの世界は、私自身が一番深く呼吸できる場所。唐さんの言葉たちが自分の中を通って、口からポンと生まれる瞬間は理屈抜きの心地よさがあり、掃き溜めの中でも生き生きと生きる術を持っている唐作品のヒロインを、再び演じることが出来ることに大きな喜びを感じています。前回の「ビニールの城」は、蜷川幸雄さんを突然失った不安の中、演出の金守珍さんはじめみんなのパワーが凄かった。今回は前回とはまた違う状況なので、アクセルを一段と踏み込まないといけないと、ピリッとした感覚があります。磯村さんは何本か作品を拝見して、役に憑依する人という印象があります。唐さんの台詞を吐くというのは、頭の中のプランを壊していかなければならないので、同志として頼もしく感じる一方で、風間さんは壊すのが得意な方だと思うので安心しています。愛希さんとは初共演ですが、宝塚出身の方が入ることで、多彩な世界がより深みを増すのではと楽しみです。迷宮のような唐作品の世界を想像力を駆使して見てほしいですし、豊かな時間のためには、私たち全員がこの戯曲を心から溺愛して作り上げていくことが大事だと思っています。

磯村勇斗コメント

出演が決まった時にはすごいところに足を踏み入れるなと思いました。唐十郎さんの作品で、演出は唐さんを知り尽くしている金守珍さん。この未知の世界に飛び込むのは嬉しさと同時に怖さもありますが、今の自分の力をどこまで出しきれるのか、俳優としてステップアップをするためにも挑まなければならない大事な作品だと思っています。物語は難解ですが、唐さん独特の世界観はすごく感覚的なもの。その中に諫早湾のギロチン堤防が織り込まれており、それら社会的問題をストレートに伝えるのではなく、唐さんのユーモアと比喩表現で裏側の背景もしっかりと描かれておられるので、その意図を汲み取りながら演じなければ、「泥人魚」の世界を生きられないと感じています。宮沢りえさん、愛希れいかさん、風間杜夫さんとがっつり舞台で共演するのは初めてなのでとても楽しみです。先輩方の背中を見ながらいろいろと吸収して、作品と向き合っていきたいと思います。

愛希れいかコメント

ストレートプレイには以前からとても興味がありました。唐十郎さんの「唐版 風の又三郎」を拝見した時には、理解しきれないけれど、興味深くて、この世界観を体験したいと思いました。今回、不安と緊張が大きいですが、とにかく学びたい知りたいという気持ちが強くあります。唐さんの戯曲は、複雑な思いが盛り込まれていて全てが未知のもの。金守珍さんの演出も初めてなので全てを委ねて、新しい自分に出会いたいです。そして、宮沢りえさん、磯村勇斗さん、風間杜夫さんなど共演者の皆さんは素晴らしい役者さんばかりなので、とにかく学ばせていただこうと思っています。この1年半、舞台は生でお客様が入って下さってこそ完成すると実感させられました。生で観る舞台にエネルギーをもらえると思っていただけるように、精一杯努めて参ります。

風間杜夫コメント

「唐版 風の又三郎」で唐さんの世界を体現して面白さを知り、金守珍さんの圧倒的な演出力に魅入られて、志願して新宿梁山泊のテント芝居「ベンガルの虎」に出演しました。なので、また金さんの演出で唐作品に出られることは率直に嬉しいですね。今回は詩人の伊東静雄の詩がモチーフで、諫早の干拓問題などを含んでいますが、唐作品は理論じゃなくて詩ですから。金さんが入れ込んでいて、「ベンガルの虎」の稽古中に、オープニングのプランを実演してくれました。アイデアをたくさん持っている人なので、今度も期待しています。(宮沢)りえちゃんと久しぶりの共演だし、「唐版 風の又三郎」で一緒だった六平直政さんや石井愃一さんたちも出るので心強く、一緒にテントに出た人たちもいて、楽しみが多い舞台です。面白くなること、必須ですから。コロナ禍で大変な年の締めくくりとして、これを見て希望をもってもらえたらと思います。

COCOON PRODUCTION 2021「泥人魚」

2021年12月6日(月)~29日(水)
東京都 Bunkamura シアターコクーン

作:唐十郎
演出:金守珍
出演:宮沢りえ、磯村勇斗、愛希れいか、岡田義徳 / 大鶴美仁音、渡会久美子、広島光、島本和人、八代定治 / 宮原奨伍、板倉武志、奈良原大泰、キンタカオ、趙博 / 石井愃一、金守珍、六平直政、風間杜夫

※初出時よりコメントの一部を修正しました。

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