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佐藤健「るろ剣」への使命感語る「やらないわけにはいかない」、大友啓史と対談

ナタリー

20/12/20(日) 11:30

佐藤健

「るろうに剣心 最終章」の主演・佐藤健と監督・大友啓史による対談が本日12月20日、オンライン開催中の「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」で配信された。

佐藤演じる緋村剣心と中国大陸の裏社会を牛耳る武器商人・縁(えにし)の戦いを描く「The Final」、剣心の十字傷の謎に迫る「The Beginning」の2作で構成される「るろうに剣心 最終章」。第1作「るろうに剣心」への出演を打診された際、原作マンガとアニメに触れていた佐藤は「本当にできるのか?」と疑っていたという。「オファーをいただいたタイミングで初めて皆様とお会いしたときに、『るろうに剣心』映画版のアクションはこういう感じでやりたいんだ、というイメージムービーを作ってきてくれたんです。その映像を観たときに、これならあとは自分が努力すれば、自分ががんばれば実写化が可能なのかもしれないと思えたんです。そのイメージムービーを観た瞬間にスイッチが入って、やろうと思えた覚えがあります」と回想した。

大友も当時を振り返り、「やっぱりマンガの実写化のハードルの高さというのは、映像を作っている人間としてわかりますし、しかも『るろうに剣心』ですからね。ただ、アクションについては、僕らのイメージムービーを観て彼の目の色が変わって、『アクションかっこよくなかったら役者辞めます』とまで言うぐらいに覚悟を決めてくれました」と語る。「あとはどうやって国民的な人気原作を、地に足の付けた映画として純粋に魅力のある作品にするかということをいろいろな視点から考え始めました。プレッシャーを感じる暇もなかったという感じでしたね」と話した。

「『京都大火編』『伝説の最期編』に踏み込んだときから、剣心の過去のエピソードをやらないわけにはいかないんだろうなという思いがありました」と回想した佐藤。「だから、撮り切るまでは死ねないじゃないですけど、使命感としてありました」と熱い思いを述べた。そして、完成した「るろうに剣心 最終章」について佐藤は「当然たくさんの方に観ていただきたいし、この映画をヒットさせねばならぬという使命感も当然ありますが、正直それがなかったとしても、やっぱりこのクオリティで、第1作のときからほとんど同じスタッフとチームでこの映画を完成させられたので、僕は満足しています」と伝える。

本作の特色となっているアクションシーンについて大友は「谷垣健治さんがウズウズしていましたね(笑)。第1作から谷垣さんと一緒にやりましょうと連れてきているから、あの人たちをどう暴れさせるかなんですよ、『るろうに剣心』のアクションは。あのチームにふさわしい土俵をどう与えるかということをがんばらなくてはいけない」とコメント。また「今回は新田真剣佑という肉体的センスのある人に剣心が横綱相撲でぶつかっていく構造の中で、2人の感情のモーションとエモーションが最大限に合致した戦いが最後にある」と言い、「志々雄真実との戦いは時代を背負った戦いだったけど、今回は2人のプライベートな感情のぶつかり合いをアクションにどう反映させることができるか。あとは彼らが考えてくれたものを信じて、現場もそれを支えるように突き進んでいくだけです」と熱弁する。佐藤は「物理的に足が上がらなくなるんですよ。特に1対多数のシーンですね。新田真剣佑との一騎打ちも大変でしたけど、僕の場合はそこにたどり着くまでに300人くらい相手にしないといけないので(笑)。なかなかない経験をさせていただき、大変光栄でございました」と笑いながら語った。

番組では、佐藤が原作者・和月伸宏からの手紙を読み上げる場面も。和月のコメント全文は下記に掲載している。佐藤は「『The Final』は原作と違う、オリジナルストーリーになっているんですよ。そういう意味で、原作者の和月先生の感想というのはけっこう気にしていて心配でしたが、映画を観て喜んでくださったのなら、すごくうれしいし報われた気持ちになります。作品に入るときもそうでしたが、入る前の準備から時間をかけて監督とやり取りさせていただいたので、その時間がやっと報われたというか、あそこで粘ってよかったなという気持ちですね」と喜ぶ。大友も「うれしいですね。全体の世界観含めて、オリジンを作ってくれた方からこう言ってもらえて。僕は和月先生と一緒に作品を観て、そのあと実際に会話させていただきましたが、本当にうれしそうでした」と語った。

最後に大友は「コロナ禍で当初の公開予定日から変わってしまって、作業も苦戦の連続だったんですが、より作品をレベルアップさせるべく、その3、4カ月で仕上げに取り組んできましたし、手応えとしても当初より映像面や音楽面、いろいろな部分でかなりレベルが上がったと思っています」と完成度に自信を見せる。佐藤は「こんなにも、時間と製作費をかけて1つの役に集中させていただける、本気でぶつからせてもらえる機会を与えてくださったことを非常にありがたく思っています。監督をはじめ、多くのスタッフやチームの皆様にも感謝していますし、そのメンバーと第1作から最後まで走り抜けたことを誇りに思います。こんなに長い期間、映画を制作できたのは応援してくださる皆様の支えがあったからだと思います。ぜひ劇場で楽しんでいただけたら幸いです」とファンにメッセージを送った。

「るろうに剣心 最終章 The Final」は4月23日、「るろうに剣心 最終章 The Beginning」は6月4日より全国ロードショー。なお、佐藤と大友のスペシャル対談完全版が、12月29日22時よりワーナー・ブラザース映画公式YouTubeチャンネルで配信予定だ。

和月伸宏 コメント

大友啓史監督、佐藤健さま、そして視聴者の皆様、こんにちは。漫画家の和月です。つい先日スケジュールの都合で延び延びになっていた映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」の試写をやっと観ることができました。二作連続の強行軍、しかもどちらもハイカロリーな作品なのでがっつり疲れるかと思いきや、あっという間の四時間半。映画の世界にどっぷり心地よく浸ることが出来ました。「The Final」は「これぞ活劇」といった1、2、3をさらに押し進めた仕上がりで、そのさまはもはや〈観るアトラクション〉。見どころは原作の漫画的な表現や作風をギリギリまで活かしつつ、時代劇映画に昇華させる大友監督の辣腕ぶり。少年漫画の実写映画化を成功の道へと導いた第一人者の映像美学を存分に楽しめます。対して「The Beginning」は「The Final」と打って変わって静寂。佐藤健さんの「この人、超能力使って本当に飛んでいるんじゃないの?」と疑いたくなるような超絶アクションもしっかりあるのですが、なぜか全体の印象は白くて静か。4作品にわたって剣心を演じてくれた佐藤健さんがついに演じる緋村抜刀斎と有村架純さんが演じる雪代巴の始まりと終わりをぜひ堪能して欲しく思います。他にも制作陣の気合いの入った美術や音楽、レギュラー陣の熱演とハマりっぷり。雪代縁演じる新田真剣佑の縁っぷり等、見どころ満載です。十年前、映画第1作の制作が決まった時、正直言うと「十年以上前に終わった作品なのにありがたいなぁ。でもこれはあくまでもおまけのようなモノであまり期待し過ぎたらダメだよなぁ」と少しのん気に構えていました。それがあれよあれよと原作のラストまで映像化のまさかの全5作。おまけどころか本当に漫画家冥利に尽きます。時代劇且つ少年漫画という面倒な原作を見事映画化して下さった大友監督と制作陣の皆様、各々の役に真剣に取り組んで演じてくれた役者陣の皆様、そして実写映像化において後にも先にもこれ以上の“剣心”はいない剣心を演じてくださった佐藤健さま。ついでに集英社、何より映画「るろうに剣心」を応援し楽しんでくださる視聴者の皆様に心の底より感謝します。コロナ禍で大変ですが健康に十分気をつけて、みんな元気で来春の映画公開を迎えましょう。

(c)和月伸宏/集英社 (c)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

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