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SWANKY DANK、4人体制ラストライブレポ SHUNと歩んだ6年間の軌跡

リアルサウンド

18/8/21(火) 18:00

 始まりの終わり。終わりの始まり。その両極端な感情が入り交じったライブは、どうしてもエモーショナルにならざるを得なかった。この日KOJI(Vo/Ba)は「SHUN」という名前を何度口にしたことだろう。何度も口にしなければ、到底振り切ることができない感情があったに違いない。

 『アサヌマファイナル〜紅に染まれ〜』と題された今回のSWANKY DANKのワンマンライブ。この日を最後にSHUN(Dr)は脱退することになり、4人体制におけるラストライブとなった。新宿LOFTに大勢の観客が詰めかける中、KOJI、YUICHI(Gt/Vo)、KO-TA(Gt)、SHUNのメンバー4人が揃うと、「Sink Like a Stone」で幕を開けた。「SHUNちゃんに届かせろ!」とKOJIは声を荒げ、フロアのテンションを上げていく。それからヘビーなリフで攻める「WIMP」、SHUNが立ち上がってドラムを叩く場面もあった「Remenber me」と怒濤の攻勢で畳み掛けてくる。

 

 BLINK-182を彷彿させる明快なリフで始まる「number」で拳を振り上げて声を出す観客も増え始め、次の「One Sided」でその熱はさらに高まっていった。KOJI&YUICHI兄弟の掛け合いボーカルで聴かせる「Colors」に入ると、〈君の流した涙は無駄じゃないから〉の日本語詞がいつも以上に胸に突き刺さった。

 「SHUNちゃんとは6年間、SWANKY DANKをやってきた。1曲1曲に魂を込めるから、アンコールはやらない」とKOJIは前半戦で宣言。後悔なく、この一瞬一瞬を心に刻んでくれ、と言外に匂わせる。その後は懐かしいナンバー「CHANGING」などを挟み、「SHUNちゃんがサポート時代に(新宿LOFTで)よくやった。何回でもやり直すことができるって曲」と前置きすると、「START AGAIN」に突入。外に開けたポジティブなエネルギーを解き放ち、フロアを明るく照らし付けるメンバー4人の姿は実に眩しかった。

 「家族みたいなSHUNちゃんを誇りに思っている。泣くな、笑え!」とYUICHIは観客を鼓舞する一方で、自分自身にも言い聞かせていたのではないか。根底に悲しみを抱えたまま、キリッ! と上を向くメンバーの表情に感情移入せずにはいられない。油断すると、エモくなりすぎてしまう場の空気を変えたのはSHUNの陽性キャラだった。「大勢の人に囲まれて、超嬉しいー!」と言ってのけ、会場を一瞬で笑いに包む。SWANKY DANKの屋台骨を6年支え続けただけではなく、こうしたムードメーカー的側面も彼の大きな功績であった。

 ショーも後半戦を迎えると、「最近SHUNと作った曲」と説明した後に 「infinity」(『ガンダムビルドダイバーズ第2クールオープニング曲』)を披露。骨太のリフ、キャッチーなメロディ、手数の多いドラミングと聴き所たっぷりの良質曲だった。「最高の6年をありがとう! 俺がバンドを辞めたいと言ってくれたときも(SHUNが)支えてくれた」とKOJIが告白すると、「MADE A MESS」、「misery」、「Listen To The Radio」、「Amazing Dreams」と一気に駆け抜けていく。SHUNが選曲した全22曲をやり終えた後、「紅だー!」と絶叫し、最後の最後まで陽性キャラ全開で場を盛り上げてくれた。「寂しいよ」と女性客がふと漏らす声が耳に入ってきたけれど、SWANKY DANK並びにSHUNの今後の活躍を温かく見守っていきたい。

(文=荒金良介)

■ライブ情報
『SWANKY PLAYGROUND 2018』
9月14日(金)SHIBUYA eggman
ACT:FABLED NUMBER、THE CHERRY COKE$

SWANKY DANKオフィシャルサイト

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