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フォーリミが地元・愛知で“フライト”、エモ散らかしっぱなしの9カ月ぶり有観客ライブ

ナタリー

20/11/30(月) 1:00

04 Limited Sazabys(撮影:ヤオタケシ)

04 Limited Sazabysが11月28、29日に愛知・Aichi Sky Expoで、ワンマンライブ「YON EXPO'20」を開催した。

「YON EXPO」は2019年9月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで第1回が行われたワンマンライブシリーズ。2回目となる今回は“空港”というコンセプトのもと、フォーリミの地元・愛知にある空港直結の会場を舞台に、新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに従った形で通常よりキャパシティを減らして実施された。なお本公演はバンドにとって約9カ月ぶりの有観客ライブ。4人は2日間、空港を模したさまざまな演出と異なるセットリストを用意して観客を楽しませた。音楽ナタリーでは29日公演の模様をレポートする。

開場後の場内には飛行機の搭乗アナウンスや機内アナウンスが流れ、フロアは空港のような世界観に。観客は座席に置かれた架空の航空会社・YON AIR LINESの機内誌「Higher days」を読みながら“フライト”までのひとときを過ごしていた。開演時刻を迎えると、ステージを覆う紗幕とステージサイドのスクリーンに、機内安全ビデオをオマージュしたライブの注意事項を伝える映像が上映される。画面が切り替わると滑走路に立つ4人の姿が映し出され、紗幕が落ちてライブは「Feel」でスタート。彼らは生き生きとした表情でメロディを奏でて“離陸”を成功させた。さらにGEN(B, Vo)による「一緒にいいフライトしましょう」という呼びかけから、バンドは「Warp」「climb」と疾走感のある楽曲を勢いよく演奏して、序盤から場内に熱気を充満させた。

GENは「『YON EXPO'20』 へようこそ。そしてYON AIR LINESにご搭乗いただきありがとうございます」とオーディエンスを歓迎。1stフルアルバム「CAVU」のタイトルが、航空用語で「視界良好」を意味することを説明し、このアルバムの収録曲「days」の演奏へとつなげる。ライブで披露されるのはひさしぶりとなる「medley」では、GENが伸びやかな歌声を響かせ、「midnight cruising」では歌詞の世界観を表わすように、流星群のようなライティングが場内を彩った。MCではGENが「生でライブ、最高じゃない? 1回だけ配信ライブをやったけど、みんなにちゃんと届いているのかわからなくて。やっぱりみんなの前で歌えるだけで、音を鳴らしているだけで幸せだしエモい。昨日から何気ない光景を見ているだけでエモ散らかしっぱなしで」と思いの丈を語った。

ライブ中盤にはアコースティックコーナーが用意され、彼らはGENがハンドマイク、RYU-TAがベース、HIROKAZがアコースティックギター、KOUHEIがカホンやツリーチャイムという編成で「Horizon」と「soup」を優しく演奏。観客は着席して、4人による柔らかな音色をじっくりと堪能した。場内に和やかな雰囲気が満ちたところで、バンドは一旦ステージをあとに。ここでスクリーンに機内を舞台にした、ドラマ仕立ての映像が上映された。映像ではGENがパイロット、RYU-TAがパイロットと女性客、KOUHEIがキャビンアテンダント、HIROKAZが愛犬を連れた男性客に扮して、コミカルなやりとりが描かれた。

映像の上映後、ステージには航空整備士ふうの衣装に着替えた4人が再登場。GENによる「夜間飛行に入りますけど、シートベルトは付けてますか? ここから少し揺れますけど大丈夫ですか?」という呼びかけに、観客は拍手で応える。そして激しい爆発音が響き渡り、「Night on」の演奏へ。メンバーはそれぞれソロパートでスキルフルなプレイを披露して観客を魅了した。この曲をきっかけに、バンドはKOUHEIのブラストビートが炸裂する「monolith」、HIROKAZとRYU-TAによる硬質なギターリフが印象的な「Alien」、歪んだサウンドが轟く「Utopia」とフォーリミの楽曲の中でも重厚感のある楽曲を連投。その後アグレッシブなナンバーとは一転して、温かみのある歌詞やサウンドの楽曲群を並べる。「Letter」ではGENが客席へ向かって思いを訴えかけるように歌い上げると、オーディエンスからは歓声の代わりに拍手が送られた。

この日のハイライトとなったのは、ライブ終盤のMCとそこからつながる「Squall」の演奏。GENは「活休明けだけど、なんか歌うまくなってない? 自分の可能性をまだまだ感じております。そしてこうやってみんなの前に立てて、みんなに必要とされていることがすごく幸せです。僕らは幸せ者です。今年はバンドで飯が食えていたりとか、憧れていた人と仕事ができていたりとか、そういったことに対しての幸せの感覚がわからなくなって、まるで自分が不幸みたいな気分になって塞ぎ込んでいた時期がありました」と打ち明ける。そして「うちのスタッフたちは本当に優秀で、フェスの転換とかもどこよりも早いし」とスタッフの話におよんだところで「ヤバい。なんかちょっと泣きそう」と感極まった様子でタオルで目元を拭う。続けて「俺が泣くとみんな泣きそうになるからヤなんだよね」とつぶやくも、客席にはGENと同じくタオルで涙を拭く観客の姿も。さらに彼は時折声を震わせながら「関わってくれる人がいっぱいいてうれしいです。本当に恵まれているってことを忘れてました。これからも俺たちは俺たちのペースで、やりたい仲間とやりたいことをやっていきたいなと思います。付いてきてください。よろしくお願いします」と語った。そして4人はじっと前を見据えて、晴れ晴れとした表情で「Squall」を届けた。最後に彼らは、28日公演ではオープニングナンバーとして披露された「Terminal」を堂々と届けて本編の幕を下ろした。

アンコールでは、GENの「みんなの未来に光がさしますように」という前置きから跳ねるようなリズムの「swim」、映像演出を交えて「Give me」、アンコールで定番のショートチューン「Remember」の3曲を奏でて、4人は笑顔でライブを締めくくり無事に「YON EXPO'20」を“着陸“させた。

04 Limited Sazabys「YON EXPO'20」2020年11月29日 Aichi Sky Expo セットリスト

01. Feel
02. Warp
03. climb
04. days
05. nem...
06. medley
07. midnight cruising
08. Jumper
09. fiction
10. Milestone
11. mahoroba
12. Horizon
13. soup
14. Night on
15. monolith
16. Alien
17. Utopia
18. Letter
19. Shine
20. hello
21. Squall
22. Terminal
<アンコール>
23. swim
24. Give me
25.Remember

記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正します。

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