12月某日。1日に映画を3本。神保町シアター、成瀬巳喜男の特集上映で大好きな『噂の娘』を観る。じぶんにとって、この映画の魅力は御橋公と汐見洋という二人の熟年の俳優に尽きる。三島雅夫が演じる床屋の主人、酒屋の奉公人の大村千吉、床屋の客の滝沢修など、その後の日本映画で活躍する俳優たちが、オープニングの配役クレジットに名前も出ていない、というのも面白い。成瀬巳喜男の映画というのは、どれを観ても観終わった後、深くため息をつきながら、じぶんにとってのベストワンはこれではないか、と考えてしまうところが面白い。成瀬巳喜男で好きな映画ベスト18、いまのところ、の。
『噂の娘』
『ひき逃げ』
『まごころ』
『乱れ雲』
『秋立ちぬ』
『妻の心』
『女が階段を上る時』
『杏っ子』
『晩菊』
『あらくれ』
『サーカス五人組』
『コタンの口笛』
『乱れる』
『鶴八鶴次郎』
『女の中にいる他人』
『芝居道』
『夜の流れ』
『放浪記』

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