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長塚圭史が“冒”険心持って立ち上げる「近松心中物語」松田龍平が受けたダメ出しとは

ナタリー

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」製作発表会見の様子。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」の製作発表会見が、本日7月20日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで行われた。

「近松心中物語」は、秋元松代が近松門左衛門の「冥土の飛脚」をベースに書いた戯曲。1979年、蜷川幸雄の演出により東京・帝国劇場で初演された。今回はKAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督・長塚圭史が演出を担い、“冒”をテーマに掲げた同劇場の2021年メインシーズンの開幕作品として上演される。劇中では元禄時代の大阪・新町を舞台に、飛脚屋亀屋の養子・忠兵衛と新町の遊女・梅川、忠兵衛の幼なじみで古道具商傘屋の婿養子・与兵衛と、その女房・お亀の男女2組の物語が展開する。

本日の会見には長塚をはじめ、忠兵衛役の田中哲司、梅川役の笹本玲奈、そして与兵衛役の松田龍平、お亀役の石橋静河が登壇した。長塚は本作の魅力について「身分制が厳しく、金がものを言う時代に、どうしようもなくなった若者が死を選ぶ様が描かれており、現代の格差社会にも通ずるものがある」「非常に肉体的な戯曲。電気が走るように惹かれ合う一目惚れというのは、大変なことです。僕はここに色気を感じますし、刹那が一生になるような若者たちの姿に惹かれました」と語る。

本作の音楽を手がけるのは、ラップグループ・スチャダラパー。長塚は「戯曲を読んでいると、現代に通じる“トンネル”がグッと開くのを感じる。今回はそのトンネルをどうつなごうかと考えたとき、スチャダラさんが浮かんだ」と人選の理由を明かす。上演に向けては「登場人物たちは元禄の人々ですが、身近に感じてもらえるやり方を探りたい」「蜷川さんはこの作品を80人ほどで上演しましたが、今回舞台に立つのは19人。冒険心を持って挑みます」と思いを口にした。

田中は「忠兵衛は僕にとってハードルが高い役。真面目なサラリーマンのようなイメージで、今のところ自分との共通点は見つからない。圭史くん(長塚)によると忠兵衛は二十代だそうですが僕は55歳なので、『ジジ臭かったら注意して』とお願いしました(笑)」と話し、「良い舞台を作り上げて、圭史くんの芸術監督就任を祝えたら」と抱負を述べた。

松田は自身の演じる与兵衛を「与兵衛は自分がどう生きたいのかよくわかっていないけれど、周囲に対してすごく筋を通す印象。心中についても『自分は死にたくないけど、あなたが言うなら仕方ない』という与兵衛なりのスタンスを感じます」と分析し、「稽古しながら彼の人柄をかみ締めていきたい」と意欲をのぞかせた。

「試練になると思う」と話すのは笹本。笹本は「セリフには、梅川の愛する人を気遣う優しさや可愛らしさが表れています。私は1人で生きていけちゃうタイプなので、忠兵衛から見ると“笹本玲奈”は可愛げがないかもしれない(笑)。彼女のはかなさや健気さをどう表現するかが課題」と言葉に力を込めた。また本作の内容にちなんで“一目惚れ”に関するエピソードを求められた笹本は、250ccの中型バイクに一目惚れして購入したことを明かす。「アメリカンな見た目と、音が良くて」と楽しそうに語り、記者たちを和ませた。

石橋は台本を読んだ感想を「ボリュームがあるのに、『なんてはかないんだ』という気持ちが残った」と述べる。石橋の演じるお亀は夫・与兵衛と幼なじみという設定。石橋はこれに触れて「私は松田さんを子供の頃から知っているので、そこは共通点です」と笑い、「お亀は可愛らしさと同時に、心中に憧れる危うさも持っている。余計なことを考えず、まっすぐに演じられたら」と意気込んだ。

会見では、長塚作品に初出演する笹本と石橋に向けて、参加経験がある田中と松田が助言する場面も。田中が「(長塚は)とにかく優しい。何でも聞き入れてくれるし、きっとやりやすいと思う」と言う一方で、松田は「めちゃめちゃ厳しいです」とコメント。続けて松田が「(長塚に)『声が小さい』とよく言われます(笑)。でもいつもピリッとした気持ちにさせてくださるので、感謝しています」と謝辞を述べると、長塚は「龍平くんはすごく良い声だから、もっと聞きたいんです!」とリアクションして笑いを誘った。

公演は9月4日から20日までKAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。その後10月まで福岡、愛知、兵庫、大阪、長野を巡演する。神奈川公演分のチケット一般販売は、7月24日にスタート。このほかの公演については公式サイトを確認しよう。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」

2021年9月4日(土)~20日(月・祝)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール

2021年9月25日(土)・26日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場

2021年10月1日(金)~3日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

2021年10月8日(金)~10日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2021年10月13日(水)
大阪府 枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール

2021年10月16日(土)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

作:秋元松代
演出:長塚圭史
音楽:スチャダラパー
出演:田中哲司 / 松田龍平、笹本玲奈 / 石橋静河 / 綾田俊樹、石橋亜希子、山口雅義、清水葉月、章平、青山美郷 / 辻本耕志、益山寛司、延増静美、松田洋治、蔵下穂波 / 藤戸野絵、福長里恩、藤野蒼生 / 朝海ひかる、石倉三郎

※福長里恩と藤野蒼生はWキャスト。

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