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スカパラ横浜ワンマンでムロツヨシ地元凱旋!熱狂の2曲に「役者なのにライブにハマりそう」

ナタリー

東京スカパラダイスオーケストラとムロツヨシ。(撮影:勝永裕介)

9月18日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで行われた東京スカパラダイスオーケストラの全国ツアー「TOKYO SKA Treasure Hunt」神奈川公演に、ムロツヨシがゲスト出演した。

9月7日にスタートした「TOKYO SKA Treasure Hunt」は、全国の10会場で2DAYS公演が行われるツアー。各会場ではスカパラのワンマン公演とゲストアーティストを招いたジャムセッション形式の公演が展開されている。KT Zepp Yokohamaでは前日の17日にクリープハイプを招いたツーマンライブが行われ、ムロはスカパラのワンマンライブのスペシャルゲストという形でツアーに参加した。

ライブ終盤、谷中敦(Baritone Sax)による呼び込みでファンの前に姿を見せたムロは、スカパラメンバーのスーツと同じ白と黒の生地で仕立てた燕尾服姿。客席の熱狂に大きな身振りで応えると、壇上の10人は5月に配信リリースされたコラボ曲「めでたしソング feat.ムロツヨシ」の演奏をスタートさせた。

ムロの舞台「muro式.がくげいかい」のためにスカパラが書き下ろした「めでたしソング」。弾けるリズムとにぎやかで楽しいサウンドに乗って、ムロはパワフルにステージを駆け巡り、客席の1人ひとりに訴えかけるように歌声を響かせる。「むかしむかしあるところに」から始まる語りパートでは「横浜にある男が生まれました」と歌詞を言い換え、物語仕立てでスカパラとのコラボが実現した経緯を表現しながら「今年夢がかなったんです。ありがとうありがとう、すげえカッコいいよ、東京スカパラダイスオーケストラ!」と喜びを叫ぶアドリブも。フロアにはハンドウェーブが巻き起こり、会場が大きな一体感に包まれる中、ムロの「皆さん必ずめでたしめでたし!」という言葉で楽曲は締めくくられた。曲が終わるなり、ムロは「横浜は菊名記念病院で生まれたムロツヨシです!」と自己紹介し「この歌を地元で歌えるなんて思ってもみませんでした。貴重な経験をありがとうございます!」と笑顔を見せて舞台袖へと姿を消した。

しかし、この日の2組のコラボは1曲に留まらず、ムロはアンコールのステージにも登場。スカパラのMCで茂木欣一(Dr)や大森はじめ(Per)、北原雅彦(Tb)が青春時代の横浜での甘酸っぱい思い出を次々に懐古し盛り上がっていたこともあり、ムロも「おすすめのデートスポットは地元民が『流行るだろう』と思っていたけど流行らなかった臨港パークです。『キスしたいな』ってときはここがおすすめ。かなりのディスタンスが取れますから!(笑)」と切り出して会場の笑いを誘う。また、ムロは「観てましたよ、閉会式! ビックリしたー。どうした?(自分は)呼ばれてない!と思って(笑)。でもうれしかった!」とスカパラの「東京2020オリンピック閉会式」への出演を喜び「整ってきたなと思って。うたコン出て、ミュージックステーション出て、オリンピック……“今年の締め”には『めでたしめでたし』しないといけないでしょう! 大みそかに絶対言いたいセリフですよ! NHKの関係者の方いないかな? ホントはいるでしょ! 盛り上げますよ!」と、「NHK紅白歌合戦」を見据えた発言で会場を大いに盛り上げた。

笑いの絶えないやりとりののち、2組が披露したのは「銀河と迷路」。茂木の「今日だけのスペシャル。今夜最高のトレジャー!」という曲振りの言葉通り、ムロと茂木がボーカルを担うこの日ならではの形で楽曲が届けられた。豊かな歌声で聴衆を魅了したムロは「仲間に入れてくれてありがとうございました。ホントにすごい思い出です!」と感謝を伝え、笑顔で手を振りながらステージをあとにした。

終演後には、谷中とムロが音楽ナタリーの取材に応じてくれた。「とにかく光栄でした」とスカパラとの共演の感想を語ったムロは、地元のライブハウスで歌声を披露したことについて「地元の友人も招待していて照れ臭さも少しあったんですけど、それより何より、兄さんたちが頼もしすぎて。『この場所に立っていい』と言ってくれる喜びとやりがいが何よりも大きかったです。『銀河と迷路』は本当に緊張しましたけどね」とコメント。「『もう1曲歌ってみない?』なんて(『銀河と迷路』を)送ってきて、絶対この人たちおかしい! こんな代表曲歌えるわけない!って(笑)」と振り返るムロに、谷中は「歌える曲が増えたら楽しいじゃないですか。お客さんに楽しんでもらえる時間が増えるから、もっと増やしたいくらい」と応じる。するとムロは「『悪気なく繰り返していた 負けのない賭けを 綺麗に並べて』って、なんて歌詞ですか。すごい素敵だなと思って。歌ってみて初めてわかる意味、深く知る意味もあるんですよ。そんなことを役者ながらに思いましたね」と実感を込めて谷中に伝えていた。

一方の谷中は「あまりにも『めでたしソング』がよくて、自分たち的にも手応えを感じているから」と、ムロとの共演を振り返った。谷中が作詞をする際にムロから受け取ったメッセージの中にあった「めでたしめでたし」という言葉を「絶対に使いたい」と思ったといい「人類は、大変なことを何度も乗り越えて、何度も“めでたしめでたし”にしてきたと思うから」と、今この言葉を歌う意味について語る。そして「ムロさんがずっと『大みそか、(予定を)空けてます』とおっしゃってるけど、自分たちも本気でそう思えるハッピー具合」と手応えを明かした。

この言葉には、ムロも「歌っていると『2021年の今、この歌を届けたい』と……この歌を届けることを“やるべきこと”にしてもいいんじゃないかなと思い始めてるんです」と反応。「ハッタリだし、ヘラヘラしながら言ってるけど、内心では確信を持ちながら言ってます」と“大みそか”への思いを明かす。谷中が「音楽って、直接メッセージを届けられるからいいですよね。しかもその場でお客さんが反応してくださるっていうのはすごく面白いことなんで、それを体験してもらえているのがうれしい」と言うと、ムロは「すごい体験をしています、本当に。役者なのに音楽ライブにハマりそう(笑)。演劇は“渡すもの”で、自分たちがメッセージを届けてそれを持ち帰ってもらうんですが、(音楽ライブは)お客さんからもらえるんですよね」と笑顔で語っていた。

なお、この公演ではスカパラが11月10日にミニアルバム「S.O.S. [Share One Sorrow]」をリリースすることが発表された。今作にはゲストボーカルとしてMAN WITH A MISSIONのTokyo Tanaka(Vo)とJean-Ken Johnny(G, Vo, Raps)を迎えたタイトルトラックのほか「めでたしソング feat. ムロツヨシ」も収録される。また、ムロが初主演を務める映画「マイ・ダディ」が明日9月23日に全国の劇場で公開に。この映画について、ムロは「初主演で、コメディではなく親子劇でございます。この時代だからこそ大事なものとは、絆とは、仲間とは、人と人との関係とは。何かを探しに……見つけにきてもらえたらと思います」と語った。

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