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柳楽優弥、書家・紫舟の圧巻のライブパフォーマンスに興奮!

ぴあ

21/5/13(木) 15:30

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浮世絵師・葛飾北斎の人生を描く映画『HOKUSAI』の公開を控え5月13日、北斎の生誕の地でもある東京・墨田区にある江戸東京博物館にてトークイベントが開催され、劇中で青年期、老年期の北斎をそれぞれ演じた柳楽優弥と田中泯が登壇。さらに書家の紫舟もゲストで登場し、本作をテーマにしたライブパフォーマンスを披露した。

柳楽は北斎について「90歳まで生きて、絵を描くことに人生を集中して、満足しないで絵と向き合い続けた、その姿がかっこいい」と語る。さらに柳楽は舞踊家として76歳のいまも踊り続ける田中に対しても「泯さんは、10代の頃からずっと踊り続けていて、そうやってひとつのことに向き合い続けている大先輩の姿に勇気をもらっています」と尊敬の眼差しを向ける。

そんな柳楽の言葉に田中は「(北斎とは)比較にならないんですが…(苦笑)」と照れつつ、北斎の晩年までの創作意欲について「驚異的ですね。あと5年あったら、もっといい絵が描ける――きっと95歳になっても同じことを言ってたんじゃないでしょうか? 果てしないものに立ち向かっていて、想像を絶します」と感嘆する。

書家の紫舟は、本作を見てすぐに創作意欲がわき上がってきたそうで「一気に70枚くらいの書を書き上げました。生きる力をたくさんもらえた映画でした」と語る。特に柳楽、田中がそれぞれ体現した北斎を絶賛! 青年期の“柳楽北斎”については「最も難しい筆の所作が美しい! プロになると呼吸と筆が合ってくるんですが、柳楽さんの筆は呼吸をしているようで、美しい所作に見とれてしまいました」と絵師としての姿にお墨付きを与える。

一方、晩年の“田中北斎”については「映画の中で、北斎が目に見えないもの――風を捉える瞬間があるんですが、狂気に満ちた笑顔で、さすが熟練された表情でした。北斎の中で表現したいもの、目に見えないものがしっかりとつながって、あの狂気の笑顔になったんじゃないかと思います」とこちらも絶賛していた。

この日、紫舟は黒、赤、青、黄、緑のインクを使って、北斎の“大波”をイメージした絵をライブパフォーマンスで完成させた。「生き抜け」と力強く書かれたこの絵について、紫舟は「私たちはいま、困難な中にいますが、この映画を見て生きる力――『もう1回立ち上がってみよう、踏ん張ってみよう』という思いを感じました。大きなうねりや波、太陽の赤や降り注ぐ光の黄色を使い、多くの人に届くように『生き抜け』というメッセージを書きました」と説明。

柳楽は「圧倒されました。『生き抜け』という言葉も時代に響くと思います。北斎を通じて、生命力を感じています」と興奮した表情を見せ「改めて、『生きる』ということを考えさせられるこういう状況でも、強く生きていきたいと思います」と自らを奮い立たせるように語っていた。

取材・文・写真=黒豆直樹

『HOKUSAI』
5月28日(金)公開

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