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蘇る神代辰巳

19/10/17(木)

『櫛の火』10/19〜25(21除く) シネマヴェーラ渋谷 特集「蘇る神代辰巳」(10/12〜11/1)で上映。 1975年の東宝文芸路線のなかにまぎれこんだ、とびきりの異色作。当時、萩原健一主演の『雨のアムステルダム』と二本立てで公開されたが、実態は人気の草刈正雄とショーケンの二本立てとそわそわ観に行ったお客を茫然とさせたに違いない奇篇コンボであった。しかし、『青春の蹉跌』の好評に乗じて本作と『アフリカの光』を一挙に放った神代辰巳は、さらに年末ホームの日活ロマンポルノで『濡れた欲情 ひらけ!チューリップ』という大痛快作を放つ。まさに脂ののった年だったわけだが、そもそも古井由吉を神代で映画化しようという製作者の志もあっぱれ。和風『ラストタンゴ・イン・パリ』のごとき妖しき夕陽のなかで、草刈の奇異なる音声とジャネット八田の量感ある肢体が澱のような記憶として残る。

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