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生田斗真の圭佑をまだ観ていたい 『書けないッ!?』最終回が示した“僕は僕だ”のメッセージ

リアルサウンド

21/3/14(日) 12:30

 生田斗真が主演を務めるドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(テレビ朝日系)が、3月13日に最終回を迎えた。

 1時間スペシャルとなった最終回で主軸となったのは、圭佑(生田斗真)が脚本家として『富豪教師Q』を書き上げられるかどうか。スケジュールの都合上、第9話はベテラン脚本家の原口正宗(坂田聡)が執筆したが、八神隼人(岡田将生)からの説得もあり、圭佑がプロデューサーの東海林(北村有起哉)に全話の脚本を書かせてほしいと直訴。圭佑は見事、第9話と最終回を4日で脱稿することに成功し、どちらも初稿で決定稿に持っていく。

 わざわざ吉丸家に思いを伝えに来た八神が脚本から感じた圭佑の作品への愛、本音を言わない東海林が圭佑と心中すると告げた覚悟、最終回の結末に悩む圭佑に奈美(吉瀬美智子)が言った作品の世界観はちゃんとあなたの中にあるという言葉。それぞれが支えとなって『富豪教師Q』を最終回まで導いたのは事実だが、オリジナリティーを持ってラストを書き上げたのは紛れもなく圭佑である。

 圭佑は『富豪教師Q』の神宮寺尊に何かを託そうとしていた。神宮寺は自分の存在する意味をずっと探し続けてる男。それは追い詰められた時に現れる圭佑の分身・スキンヘッドの男(浜野謙太)の存在とも重なっていた。今までは頭ごなしにツルツルを否定していた圭佑が辿り着いた答えは、「君は僕だ」と自分自身を認めること。ツルツルに手を差し伸べる圭佑の顔はいつになく晴れやかだ。

「僕は僕だ。他人と比べても仕方がない」

 脚本家の仕事のあり方を見出した圭佑のこの言葉が、ドラマの本当のメッセージのように思える。圭佑の才能に劣等感を抱き始めた奈美の自己嫌悪や本当の父親であるDJ YOO(やついいちろう)に会わずに今の家族、今の自分に向き合った絵里花(山田杏奈)と、全ては「僕は僕だ」という答えに繋がっていく。

 脇を固めたフツーじゃない登場人物たちにも触れたい。最終回は一緒に観たいと突如、吉丸家に押しかけてきた八神。膝にちょこんと座る空(潤浩)を見るに一見打ち解けたのかとも思えるが、最終回オンエア中にも喋りまくる八神は、空、仙川(菊池風磨)から厳しい注意を受ける。最後までわがままスターっぷりは健在であった。

 第7話で名探偵となって家族の問題を調査した空は、最終回でも引き続き探偵に徹する。そして、今週も登場するのが空のアドバイザーである、クラスメイトの牧村千春(粟野咲莉)。先週は“組織運営の鉄則”を連呼していたが、今週も空からの報告に「腐った組織じゃなかったのね!」と歓喜し、「空くん好き!」とまさかの愛の告白。最後まで存在感を放っていた。

 圭佑と桜子(土村芳)の浮気(?)がいつの間にかうやむやになっていたのは少々気になるが、桜子が脚本家としてデビューし、監督の角(小池徹平)を手のひらで転がしているところを見ると、根っからのあざとさでどんどん仕事を取りにいく未来が見える。そして、自分の人生を見つめ直すことになる仙川の将来と絵里花との恋愛模様はTELASAで一挙配信される『書けないッ!? スピンオフドラマ~大学生 仙川俊也の筋書きのない人生~』で。

 結局、圭佑は才能のある脚本家だったのだろうか。その答えは東海林の言う通り、10年後も仕事を続けていれば才能のある脚本家だったということになるだろう。圭佑が『富豪教師Q』の最終回を観て感じた「これで終わってしまうことが寂しかった」というセリフは、視聴者がこの『書けないッ!?』の最終回に抱いた思いを代弁しているように思えた。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■作品情報
『書けないッ!? ~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』
出演:生田斗真、吉瀬美智子、菊池風磨(Sexy Zone)、小野武彦、梅沢昌代、山田杏奈、潤浩(ユンホ)、北村有起哉、小池徹平、長井短、浜野謙太、岡田将生
脚本:福田靖
演出:豊島圭介、YUKISAITO
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
チーフプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、宮内貴子(角川大映スタジオ)
制作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
制作協力:角川大映スタジオ
(c)テレビ朝日

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