Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?

クリエーターとして、視聴者として、“配信”に思うこと

月2回連載

第3回

19/6/4(火)

Q.
Netflixの『ROMA/ローマ』がアカデミー賞を賑わせたりして、何かと配信が注目されています。押井さんは作り手として、あるいは視聴者として配信についてはどう考えていらっしゃいますか。

─── 今回の質問は配信についてです。今年のアカデミー賞でも『ROMA/ローマ』が注目されましたが、その後、スティーヴン・スピルバーグがNetflixをアカデミー協会から締め出そうとして、再び注目を浴びました。

押井 クリエーターからすると配信はちょっとビミョーなんだよね。なぜなら、観客の声が届いてこないから。リアクションが聞こえてこない。他の国の事情は知らないけれど、日本ではそう感じているクリエーターが僕を含めてたくさんいる。

─── それはちょっと意外です。配信は普通ネットだから、すぐにSNSとかで噂になると思ってました。

押井 映画の場合、公開したらすぐに数字が出るじゃない? 初日で何人動員していくらの数字をあげたかが分かる。配信はそれがないから、当たっているのかコケたのか、よく分からない。僕はスクリーンに郷愁がある人間じゃないけれど、それでもやはり観客の声は聞こえてきてほしい。たとえボロクソであっても、聞こえてこないよりは全然マシ。

─── 配信会社は製作のパートナーとしてはどうなんですか?

押井 その多くはアメリカの会社なので、脚本のチェック等はとても細かいし、そもそもすべてを英訳して提出しなきゃいけない。口パクにしても契約でかなり厳密な規定が設けられている。彼らは脚本に、自分たちサイドの人間を使いたがる傾向があると思うよ。

実際、僕もポン・ジュノからのオファーで、彼の『オクジャ/okja』(17)のアニメバージョンをNetflixで作りかけた。非常に興味深い企画だったから僕もかなり前向きだったんだけど、諸般の理由で頓挫してしまった。実現するまでが、かなり大変なんだよ。

アプリで読む