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第2回:衝撃! サプライズ! そして感動……なぜ『ワンダヴィジョン』はファン絶賛の名作になったのか?

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『アベンジャーズ』シリーズや『アイアンマン』『スパイダーマン』など数々の大ヒット作を手がけてきたマーベル・スタジオが先ごろから映画だけでなく、配信のオリジナルドラマにも進出! 記念すべき第一弾『ワンダヴィジョン』が全話配信されている。

映画館の巨大スクリーンで様々なアクションを描いてきたマーベルが配信ドラマで一体、何を描くのか? 不安を抱いていたファンもいたかもしれない。しかし、配信がスタートすると、新しいエピソードが解禁になるたびに全世界でファンが熱狂。ネットには感想と興奮の声があふれ、最新エピソードが配信になる週末には多くの観客がその動向を見守った。

『ワンダヴィジョン』をすでに鑑賞した人は誰もがこう思ったはずだ。「これまでとは違うマーベルの新章がついにはじまった」と。

全世界で話題沸騰! 『ワンダヴィジョン』は“これからのマーベル”を語る上で欠かせないシリーズに!

マーベル・スタジオの歴史は“新しいアイデア”が積み重なることで出来上がっている。

アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー……それぞれのキャラクターの単独主演作があり、やがて彼らが最強チーム“アベンジャーズ”を結成する。地球だけでなく宇宙を舞台にした作品が登場する。時間や空間を自在に操ることができる新キャラクターが出現する。人気キャラクターの半分が一瞬にして消え去ってしまう……観客は新作が公開されるたびに予想外の展開に衝撃を受け、次作で何が起こるのか予想もつかない状態になった。

観客を飽きさせない、観客をいつもワクワクさせたい。その想いはドラマ『ワンダヴィジョン』でも貫かれた。シリーズの冒頭から、アメリカの郊外を舞台にした穏やかなホームコメディ“シットコム”の形式で始まり、マーベル・スタジオとコメディの組み合わせに驚いていると、物語の随所に不思議な展開が織り込まれ、その謎はエピソードを重ねるごとに拡大していく。

「制作の初期の頃に、どうしてシットコムは人気があるのかということを話し合ったの」と脚本を手がけたジャック・シェイファーは振り返る。「そこで出た答えは、“何が起こるかわかっている”から。シットコムにはサプライズがない。安心がある。どんな問題が起きても、30分の間にそれは解決する」。確かに彼女の言う通りだ。ところがシェイファーはこう続ける。

「だから、それを壊してみるのはすごく面白いのではないかと思ったの」

そこで制作チームは『アベンジャーズ/エンドゲーム』の3週間後のアメリカの郊外の街“ウエストビュー”を新作の舞台に据えた。

“スカーレットウィッチ”ことワンダと、人造人間のヴィジョンはこの街で幸福な新婚生活をおくっているが、周囲では失踪事件が多発。捜査に乗り出したFBIは、この街に“想像を絶する秘密”が隠されていることを突き止める。ハッピーで、トラブルは起こるけれど必ず解決し、サプライズはない街に亀裂が入る時、それまで観客が観ていた世界は予想もしない状況になり、キャラクターたちの驚くべき一面が明らかになっていく。

『ワンダヴィジョン』は、観客を楽しませようと全アイデアを最新作に投入し続けてきたマーベル・スタジオの信念と、視聴者が次のエピソードが待ちきれなくなる連続シリーズの醍醐味が見事に融合した作品になった。

「マーベルには最高のファンがついている。マーベルは、ファンと作り手の間に境がないから成功したのだと思う。僕らはみんなファンなんだ」とヴィジョンを演じたポール・ベタニーは力説する。「マーベルの映画はファンによってファンのために作られている。『ファンってどういうのを欲しているのかな?』なんて会話はない。ファンが作っているんだからね」

誰よりもマーベル作品を愛する彼らが、新しいアイデアを投じ、次のエピソードを観たくなることだけを考えて生み出した『ワンダヴィジョン』は、マーベル・スタジオの新しい扉を開けた。これからは映画館に行くだけでなく、モニターの前で毎週新しいエピソードが登場するのを待つ楽しみ、ひとりのキャラクターの内面をじっくりと知ることができる喜びが加わったのだ。マーベル・スタジオの“これから”を語る上で『ワンダヴィジョン』は欠かすことができない作品と言えるだろう。

まだ間に合う! 『ワンダヴィジョン』イッキ見のススメ

これから『ワンダヴィジョン』を観る人にはいくつか注目してもらいたいポイントがある。

ひとつめは"巧妙に張り巡らされた伏線”だ。本作は9つのエピソードで構成されているが、それぞれのエピソードで描かれる年代や、映像のタッチ、ストーリーが進むスピードは大きく異なる。エピソードの冒頭から「これは本当に前話の続きの話なの?」と動揺することもあるかもしれない。

しかし、物語の伏線や展開、キャラクターの心情の変化が巧みにコントロールされており、観客は事前に予備知識がなくても1話ずつ順番に観ていくだけで、キャラクターに愛着を抱き、謎は深まっていき、そこに新たな謎が加わり驚くことになる。

「変化にはすべて意味があります。それが最初から決めていたルールです」と脚本家のジャック・シェイファーは言う。「すべてのことに意味があるのよ。(劇中に登場する)コマーシャルにどんな意味があるのかについての理由はここで言えないけれども、出てくるものは全部、深く考え尽くされていて、テーマ、キャラクター、ストーリーにつながっているの」

シリーズの最初の方で“笑える話”として描かれていた内容が、後半になると実は“非常にシリアスな内容への伏線”だったことがわかるかもしれない。ちょっとした仕草が実は謎を解くヒントになるかもしれない。9つのエピソードをイッキに続けて観ることで、制作陣が細部にまで仕掛けた伏線や、緩急のある構成がすんなり伝わるはずだ。

さらに本シリーズでは『ワンダヴィジョン』にとどまらず、マーベル映画の歴史に残る大転換が起こる。それは“マルチバース”の本格的な導入だ。

これは"複数=マルチ”の“宇宙=ユニバース”を同時に扱う設定のことで、ある主人公の物語を描きながら、“それとは別の次元”の存在が可能になる。主人公はある決断をしてヒーローになった。しかし、あの時の別の決断をしていたら? その時、次元は分かれ、主人公がヒーローになった世界と、別の人間がヒーローになった世界が平行して存在する。そしてある日、そのふたつの世界が何らかの方法で行き来できるようになったら……

この考えはコミックや小説ではおなじみで、オスカーに輝いたアニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』では様々な次元のスパイダーマンが集結している。マーベル作品は、過去にマーベル・スタジオ以外の会社によって実写化されており、それらも考えようによっては“異なるユニバース”と言えるだろう。もし、それらの次元が何らかの方法で交差することがあったら?

『ワンダヴィジョン』ではその“もし”がある場面でついに実現する! このシーンが配信された直後、ネット上は騒然となった。これまでもマルチバースを導入するための準備は着々と進められていたが、ついにマーベル・スタジオは“新しい扉”を完全に開いたのだ。

とは言え、そんな複雑な設定だとついていけなくなるのでは? という心配は無用だ。マーベル・スタジオを率いるケヴィン・ファイギはこのアイディアを少しずつ、観客が理解し、慣れるスピードで導入していくという。

「インフィニティ・ストーンは、ストーリーの中で徐々に意味をなしていったよね? 僕らはマルチバースを気に入っている。コミックはそれですばらしいことをやった。僕らも最初の『ドクター・ストレンジ』でこれについてちょっと語っている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも語った。これから公開の作品のいくつかでも触れる。これはコミックからの新たな要素で、ストーリーを語る上での要素のひとつとなる。僕らはこの要素に魅了されていて、興奮しているんだ」

新しいルールはまさにいま“導入段階”にある。新たに飛び込むなら『ワンダヴィジョン』をイッキ見できる今がチャンスだ。

新章にも貫かれる“選択と代償”の物語。リピート見することでわかる本作のメッセージ

一方、すでに『ワンダヴィジョン』の全エピソードを視聴してしまったファンは、定額制で同じタイトルを好きなだけ繰り返し楽しめるディズニープラスの利点をいかして、冒頭から“リピート見”することをオススメしたい。

というのも、本作は初見でも迷子にならないように巧みに物語が語られる一方で、細部までこだわったデザインや展開が描かれており、物語をすべて知った上で観ても発見が多いからだ。

シリーズの前半は1エピソードごとに舞台になる年代が10年刻みで変化していき、映像スタイルや衣装、家具、小道具のデザインがめまぐるしく変化していく。さらにオープニングタイトルも舞台になった時代の典型的なドラマのタイトル映像を模した内容になっていて、繰り返し観ることで制作陣が本当に細かい部分までこわだり抜いて撮影にあたったことがよくわかるはずだ。

そしてシリーズをじっくりと観ることで改めて浮かび上がってくるのは、本作が描く人間ドラマの素晴らしさだ。これまでもマーベル映画は、主人公がヒーローになることを選択することで、なんらかの代償を支払う展開が描かれてきた。何かを得る時、私たちは何かを失う。それでも私たちは選択するのか? さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、あえて時間を行き来できる設定を盛り込むことで、“それでも時間の流れは変えることはできない。選択は一度きり”であることが強調された。

『ワンダヴィジョン』でワンダがした選択は、これまで描いてきたドラマの“その先”を見せてくれる。

彼女の選択によって、シットコムの幸福な世界でヴィジョンは生き返る。しかし、現実的にはヴィジョンの運命は変わることはない。さらにワンダは甘く幸せな生活を得て、ヴィジョンだけでなく、愛する子供たちまで授かる。このことは彼女が選択の結果として受けることになる“代償”として物語の後半にしっかり描かれる。

「本作には、喪失、その悲しみというテーマがあると思う」とモニカを演じたテヨナ・パリスは分析する。「とても暗い状態にある中で、どうやって正気を保てるのか、あるいは、保てないのか。エリザベス・オルセンの演技は本当にすばらしいわ。喪失、悲しみは、このシリーズが語ることだと思う」

何かを得た結果、何かを失う。現実以上の幸福を得たワンダは、結果として現実よりも多くの別れを経験する。このドラマティックな展開がリピート見することで、より深く観客の心に響くだろう。そして、その結末は、単に失うだけではない、失ってもなお残る感情、消えることのない愛情についても描かれる。最終エピソードはアクション満載だが、マーベル屈指の人間ドラマが描かれたことにも注目してほしい。

ちなみに、本シリーズには劇中に様々な“イースターエッグ(隠しメッセージ)”が潜んでいる。たとえば第7話のオープニングタイトルには、マーベルの伝説的な作家スタン・リーの誕生日“122822”が登場している。登場するのはほんの一瞬。しかし、ディズニープラスなら気になった箇所を少し戻ったり、一時停止することも可能だ。

二度観ることで新しい発見、さらに深い感動が待っているはずだ。

『ワンダヴィジョン』
ディズニープラスで独占配信中

(C)2021 Marvel.

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