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20/8/20(木)

『糸』 (C)2020映画『糸』製作委員会

映画を観た後は感動を共有したくて誰かと話したくなる。しかし、この作品を観て自分自身と対話したくなった。自分にとっての「糸」を確認したくなった。 平成元年、北海道で生まれた少年と少女が出会い、約30年半にわたった平成の時代を、それぞれの意志で歩んでいく。漣(菅田将暉)と葵(小松菜奈)は13歳で初めての恋をする。しかし、養父に虐待される複雑な家庭で育った葵は漣のもとから去ってしまう。再会したのは8年後の東京だった。 舞台は北海道、東京、そしてシンガポールへ。これだけ濃密な時間と人間模様を、2時間10分で描き切った瀬々敬久監督の演出に注視してほしい。手や視線を意識したカメラワーク。特に函館空港での別れのシーンが印象的だ。乗客と見送りの人がガラス越しに受話器で話せるコーナーで、搭乗口に向かう葵に、漣が会話を促す。昔から優れた恋愛映画には、恋人同士の距離を確かめるような電話のシーンがあった。ヴィム・ヴェンダース監督の傑作『パリ、テキサス』を想起させるような切ない感情がこみ上げてくる。 中島みゆきの名曲『糸』に着想を得た物語。糸を人の絆に見立てた曲の世界観が見事に映像化されている。人は必ず誰かに出会う。

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