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『美食探偵』小池栄子の妖艶な演技が話題に 久しぶりの悪女役でさらなる狂気を発揮!?

リアルサウンド

20/4/19(日) 10:00

 バラエティタレント、そして今では演技派女優として悪女からコメディまで、数々のドラマや舞台、映画などで大活躍をしている小池栄子。現在放送中の日本テレビ系新日曜ドラマ『美食探偵 明智五郎』で、地味な主婦から殺人鬼へと変貌したマクダラのマリア役を演じ、第1話終了後にTwitterのトレンド入りをするなど、その妖艶な演技が大反響を呼んでいる。久しぶりの悪女役を思う存分に発揮している小池が今後どうなっていくのか。

参考:ほか場面写真はこちらから

 『海月姫』『東京タラレバ娘』などの東村アキコ初のサスペンス漫画を原作にした『美食探偵 明智五郎』は、超美食家で変わり者の探偵・明智五郎(中村倫也)が、グルメの知識を使って殺人事件を解決していく物語をベースに、殺人鬼と変貌する主婦と対決する模様を描く。

 第1話では、地味で平凡な主婦がいかにして殺人に魅了される「マグダラのマリア」になったのかが描かれた。自宅キッチンに飾られていたモナ・リザのような妖艶な姿に変貌して、明智の前に現れた主婦は、明智と最後の晩餐で犯行に及んだ真相を語り、「あなたが私を解き放ってくれた。ありがとう私の中の謎を解いてくれて」と、記憶が薄れていく明智にキスをし、逃亡。明智たちが説得するも崖から身を投げ、死んだかと思われたが、その後、明智が関わる殺人事件に裏で協力していたのが「マグダラのマリア」と名を変えたその主婦。殺人犯たちに無償で協力する理由を「あの人にもう一度会いたいの」とだけ語るのだった。

 刺激のなかった主婦が一生懸命になれるものが見つかったときの輝く姿、その覚醒したギャップ、中村倫也との張り詰めた緊張感を見て思い出すのが、小池が女優として世間に衝撃を与えた、2008年の映画『接吻』だ。『接吻』では殺人犯に恋する独身OL役で、社会に適合できない地味だったOLが、共感を覚えた殺人犯の虜になっていき、最後は狂気の化身と化す。注目すべきは、殺人犯にのめり込み、段々と悪魔の表情になっていく過程だ。地味だったOLが活き活きとしていき、美しくなっていくのである。元々“こちら側”の人間だったOLが、境界線を超え、殺人を犯す気持ちを理解したときに、マスコミに向けた小池の笑みが本当に狂気に満ちているのである。女性の心理や閉ざした心の変化を演じるのが上手い役者だと思わせた。

 一方、『リーガルハイ』(フジテレビ系)での肉食系のセクシーな秘書といった、存在感だけで説得力があるキャラであったり、映画『八日目の蝉』の男性にコンプレックスを持つ気弱で繊細なライターのように、心を閉ざした心理描写、そして『俺の話は長い』(日本テレビ系)での等身大の役柄も演じることも巧みで、作品に応じて演技を使い分けられる懐の深さがある。また、バラエティで見せる気風の良さ、グラビアで見せていたセクシーさとクールな部分など、色んな顔を持っているのも彼女の強み。『美食探偵』にはその全てが詰まっているように思う。

 なぜ、明智に会いたいがためだけに殺人に加担するのか。マグダラのマリアという存在は、イエスによって多くの罪を許される「罪の女」であり、また、更生した娼婦の守護聖人としても知られる。つまり、男によって傷ついた女性たちの復讐を加担するメタファーとしての存在。これからいかに中村倫也の演技を引き出し、『接吻』で見せたあの狂気を本作で発揮するのか、小池のさらなる妖艶な演技に期待したい。 (文=本 手)

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