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スレブレニツァ虐殺追悼の日、「アイダよ、何処へ?」監督が苦痛に満ちた出来事語る

ナタリー

「アイダよ、何処へ?」新場面写真

「アイダよ、何処へ?」の新たな場面写真11点が公開された。

国連保護軍で通訳として働く女性アイダの目を通して、第2次世界大戦後のヨーロッパで最悪の悲劇と言われる“スレブレニツァの虐殺”の真実をつづる本作。「鉄道運転士の花束」のヤスナ・ジュリチッチがアイダを演じた。

1995年7月、ボスニア東部の町スレブレニツァがセルビア人勢力の侵攻によって陥落し、数日間のうちに約8000人ものボシュニャク人が殺害された。犠牲者慰霊の施設と墓地が設けられている同地では、毎年7月11日に大規模な追悼式典が行われ、1年間で身元が判明した犠牲者を埋葬している。追悼の日に合わせ公開された場面写真には、2万人以上の避難民が保護を求め国連施設に押し寄せる様子や、2021年6月に終身刑が確定したセルビア人勢力の元司令官ラトコ・ムラディッチ将軍の姿が収められた。

「サラエボの花」「サラエボ、希望の街角」で知られ、一貫して故郷の悲劇であるボスニア紛争の傷跡を描き続けている監督のヤスミラ・ジュバニッチ。彼女は「5年の歳月を掛け、多くの障害を乗り越えて、ようやく映画を完成させることができました。スレブレニツァ事件はボスニア人にとってつらい記憶です。25年を経た今でも遺体の捜索は続いているし、虐殺を逃れた人たちの多くはまだ生きている」と述べ、「殺害された遺体が新たに発見されたら誰かが刑に処されることになる。だからセルビアでは事件自体を否定する声もあるし、さまざまな感情が渦巻く政治的にも難しい問題なのです。そこに踏み込むのは私には無理だとずっと思ってきました」と述懐する。

続けて「ですが5作品を手がけ、ようやく私にも撮れると感じたんです。大勢に話を聞くところから始めましたが、想像以上の大仕事でした。生き延びた人たちは今も生きているし、実際に起こったことをその目で見ている大きな責任もある。だから、私たちボスニア人にとって苦痛に満ちたこの出来事を、できるだけ正確に世界に伝えたかったのです」と思いを伝えた。

「アイダよ、何処へ?」は、9月17日より東京のBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。

(c)2020 Deblokada / coop99 filmproduktion / Digital Cube / N279 / Razor Film / Extreme Emotions / IndieProd / Tordenfilm / TRT / ZDFarte

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