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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

フェイズ4発表でさらに加速するMCUの熱狂 杉山すぴ豊のサンディエゴ・コミコン現地レポート

リアルサウンド

19/8/3(土) 12:00

 今年もアメリカ西海岸のサンディエゴでサンディエゴ・コミコン(以下、SDCC)に行ってきました。今年最も注目を集めたのはホールHという7000人ぐらい収容できる大ホールを使ってのマーベル・スタジオのパネル(プレゼンテーション)。マーベル・スタジオによるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェイズ4の発表がある! と話題になっていました。

参考:貴重な現地写真はこちらから

 僕も30時間近く並んで(ほとんどキャンプ)、このパネルに参加してきました。フェイズ4の内容についてはすでにメディア等で報じられているので、この記事ではホールHの様子はどんな感じだったか、そしてそこから感じた僕なりのMCUのこれからについてお伝えしたいと思います。

 マーベル・スタジオのパネルは7月20日土曜日夕方17時15分に始まりました。ここであえて“マーベルの”ではなく“マーベル・スタジオの”と書いたかというと一口にマーベルと言っても、コミックについて、ゲームについて、TVアニメについて、アクション・フィギュアについて、と様々な発表があるのです。従ってこのホールHで行われたのは、マーベルの映画部門、一連のMCUを手掛けるマーベル・スタジオの発表会なのです。このパネルはマーベル・スタジオの社長にしてMCUの仕掛人ケヴィン・ファイギがメイン・プレゼンターを務め、フェイズ4を構成する作品を一つ一つ紹介していき、その作品の監督と出演者が次々に現れては交代という感じで進行しました。

 まず冒頭で『アベンジャーズ/エンドゲーム』が世界興行収入No1映画になったことをファンに告げ、大拍手! そして2008年の『アイアンマン』から2019年の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』まで(つまりフェイズ1から3まで)をトリビュートする映像が流れました。

 ここで興味深かったのは、このビデオの終わりにTHE INFINITY SAGA(インフィニティ・サーガ)と大きく文字表示されたことです。そう、マーベル・スタジオは、フェイズ1から3をさらに大きくくくって、THE INFINITY SAGAと名付けているのです。従ってこれから発表されるフェイズ4は、また新たなMCUが始まるキックオフということです。フェイズ2と3は、THE INFINITY SAGAという中での区切りですが、フェイズ3と4は全く違う次元にあるということですね。

 そして発表されたフェイズ4作品群は、

・『エターナルズ』(原題:Eternals)→マーベルの超人種族を描く。そのメンバーの一人をアンジェリーナ・ジョリーが演じる! 彼女も登壇!

・『ザ・ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(原題:The Falcon and The Winter Soldier)→『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後のあの2人を描く。ファルコン役のアンソニー・マッキーがキャプテンの盾を持って登壇(会場大拍手!)。

・『シャン・チー&ザ・リジェンド・オブ・ザ・テンリングス』(原題:Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)→MCU初のアジア系ヒーローが、『アイアンマン』『アントマン』でその存在が明らかになった、マンダリン率いる悪の秘密結社テン・リングスと戦う。トニー・レオンがマンダリンを演じることがわかり大拍手。

・『ワンダヴィジョン』(原題:WandaVision)→『キャプテン・マーベル』の、あの親友の女の子モニカ・ランボーが成長しワンダとヴィジョンの物語に参加! エリザベス・オルセンとポール・ベタニーが登場。ポール・ベタニーのヴィジョンは『アベンジャーズ/エンドゲーム』に登場しなかっただけに大歓声!

・『ロキ』(原題:Loki)→『アベンジャーズ/エンドゲーム』」で、NYからスペース・ストーンを手に入れ逃亡したロキのその後を描くことが判明。トム・ヒドルストンの登壇に大拍手。拍手の大きさでは一番人気だったと思います。

・『ドクター・ストレンジ イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)→ワンダが登場することが決定! 従ってカンバーバッチとエリザベス・オルセンが登壇。カンバーバッチの誕生日が近いということで、会場のみんなでハッピーバースデーを歌うという素敵な空間に。

・『ホワット・イフ?』(原題:What If…?)(*アニメ)→もし? の設定で、僕らの知っているMCUヒーローが、マルチバースではちがう設定で活躍している様を描く異色作。基本MCUでその役を演じた役者がこのアニメでも同じ役を演じるそうです。

・『ホークアイ』(原題:Hawkeye)→お披露目になったティザー動画では、なんと女性ホークアイの影が? 2代目ホークアイで女性のケイト・ビショップが登場!? ジェレミー・レナーが客席から登壇するというサプライズ演出で盛り上がりました。

・『ソー:ラブ&サンダー』(原題:Thor:Love and Thunder)→ヴァルキリーも再登場! そしてナタリー・ポートマンが女性のソー(フィーメル・ソー)役で登場すると、驚愕の発表。ナタリー・ポートマンがムジョルニアを持ってファンにあいさつ! 素敵! よく見るとナタリー・ポートマン、結構筋肉がついている感じで役作りを始めている?

・『ブラック・ウィドウ』(原題:Black Widow)→特別映像がお披露目! 今までホークアイ等との会話の中で言及されてきた、ブタペストの事件が映像化されるみたい。すごくすごくアクションがかっこいい! ヒーロー物というより『アトミック・ブロンド』とかハードな女性アクション映画テイスト。そして敵は、マーベル・ファンの間では人気のタスクマスターであることが確認されました!! もちろんスカーレット・ヨハンセンらが登壇。ちなみに、この後客席全員に『ブラック・ウィドウ』のロゴ入りキャップが配られました!(太っ腹すぎるぜ! マーベル!!!)

 さらに、ケヴィン・ファイギがただいま企画中の作品としてタイトルをあげたのが『ブラックパンサー2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』『キャプテン・マーベル2』『ファンタスティック・フォー』(20世紀フォックス買収でついにあの4人がMCUに!)でした。

 そして! そして! スーパー・サプライズでケヴィン・ファイギがマハーシャラ・アリを壇上に呼びました! なんと彼はあのウェズリー・スナイプスが演じた吸血鬼ハンター、ブレイドを演じるのです!! 今回一番のスーパーサプライズ発表だったのではないでしょうか?

 最後は、一度ひっこんだキャストらを呼んで、会場(ファン)をバックに記念撮影。アンジー、スカジョ、ナタポが一緒にいるゴージャスなステージとなりました。僕はロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロらの登壇も期待しましたが、それはありませんでした。思うに今度のステージは、過去のふりかえりではなくMCUの未来を伝えるステージ。従ってこれからのMCUの顔をまず紹介したかったのでしょう!

 さて今回の発表で、僕が興味深かったのは、

●『エターナルズ』『シャン・チー』『ドクター・ストレンジ』『ソー:ラブ&サンダー』『ブラック・ウィドウ』だけが劇場公開で、それ以外はディズニーが立ち上げる配信サービス・Disney+でのドラマ・シリーズなのです。今までマーベル・スタジオは映画とTVドラマ・シリーズ『エージェント・オブ・シールド』やNetflixの『デアデビル』などを一緒の場でプレゼンしたことはありません。実はこれらの作品はマーベル・スタジオではなくマーベルのTV部門が主体となって製作されているのです。しかしDisney+のドラマ群はマーベル・スタジオの製作であり、完全にMCU映画と連動した作品になるということでしょう。例えば『ドクター・ストレンジ』の映画にワンダが出るということは、ドラマ『ワンダヴィジ
ョン』と本作はリンクするのではないでしょうか。

●ダイバーシティや女性を意識した作品が増えそうです。例えば『エターナルズ』にはサルマ・ハエックがエターナルズのリーダー、アジャックスを演じると発表されましたが、コミックではこのキャラは本来、男性です。さらに『ブラックパンサー』で黒人層をとりこむことに成功したので、今度は『シャン・チー』でアジア系アメリカ人をターゲットにしています。実際本作には『クレイジー・リッチ!』のオークワフィナも出演します。

●サプライズ中のサプライズだったのはマハーシャラ・アリの『ブレイド』です。この作品はフェイズ5(2022年以降)の作品と言われていますが、本作の製作が発表されたことには(恐らく)2つの意味があって、

1.『ブレイド』はもともとR指定の内容なので、ついにMCUもR指定映画に解禁? そうなるとMCU版『デッドプール』の可能性もあり?

2.マハーシャラ・アリはNetflixの『ルーク・ケイジ』に別の役で出演している。一つの世界観で、同じ役者が違う役を演じることは考えづらいので、改めてフェイズ4はNetflixのマーベル物とは一線を引いたものになる、ということかもしれません。

●ケヴィン・ファイギが『ブラックパンサー2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』らの作品の名前をあげる際、「今日はミュータントについて語る時間がなくて」と言ったのです。あえてX-MENという言葉を使わなかったのです。そうなるといきなりMCUにX-MENが登場するというより、まずミュータントという存在をMCUにちりばめる戦略なのかもしれません(フェイズ3までのMCUにはミュータントという概念自体がないので)。

 というわけでフェイズ4の全貌が見えてきたところで、逆にどうなるんだろう? と謎と期待がふくらみました。

 しかし『アベンジャーズ/エンドゲーム』でMCUロスとなっていましたが、この発表でまた元気になりました。MCUはこれからもますます、僕らを楽しみませてくれそうです! (文=杉山すぴ豊)

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