オフィシャル・シークレット
20/8/27(木)
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政治そのものを描く映画だが、まったく退屈しない。
情報を外部に流すまで、それが発覚して警察に追われるところ、そして法廷での大どんでん返しと、サスペンス映画顔負けの先が読めない展開。
イギリスの政府通信本部(GCHQ)という、国内外の情報収集・暗号解読業務をしている組織で、中国語の翻訳を担当している女性が主人公だ。
モデルとなった女性はイギリス生まれで台湾で育ち、日本へも留学し、広島で英語を教えていたときに原爆の恐ろしさを知ったという。映画ではこうした過去というか背景は描かれていないが、広島の経験があって戦争を憎むようになり、戦争を止めるために国家機密の漏洩に踏み切ったのだと思う。
日本でも外務省の職員が毎日新聞の記者にリークした「西山事件」があったが、それとはまったく異なる展開をしていく。時代が異なるが、それ以上に日本とイギリスとの違いだろうか。
同じ単語でも、イギリスとアメリカではスペルが異なるものがる。この事件でも英米のスペルの違いが思わぬ事態を招く。校正者、編集者はひやりとするだろう。
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