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亜細亜の骨「食用人間」開幕、林孟寰「この時代の記録を刻み込んだ」

ナタリー

20/7/29(水) 18:28

亜細亜の骨「超空想科学奇譚『食用人間~トリコジカケの中華料理~』」より。(撮影:横田敦史)

亜細亜の骨「超空想科学奇譚『食用人間~トリコジカケの中華料理~』」が、7月27日に東京・ウエストエンドスタジオで開幕した。

これは、台湾の作家・林孟寰によるSF演劇を、香港・台湾のクリエイターと共に日本で上演するもの。演出を亜細亜の骨主宰のE-RUNが手がけ、美術・衣装を香港のバッカス・リー、作曲を台湾のレイ・ションが担当し、キャストには井上裕朗、スタジオライフの奥田努、柿喰う客の深谷由梨香、松田将希、台湾の周浚鵬が名を連ねた。物語の舞台は、人類の文明が崩壊した未来。劇中では巨大な監獄シティーアイランドに暮らす一家の姿が描かれる。

林孟寰は初日を終え、「このハチャメチャなコロナが、こんなに面白い作品を僕たちに作らせてくれたともいえる。台湾のキャストを映し出すためだけに映像をインサートしたのではなく、アメリカ、日本、台湾、香港そしてマレーシアのクリエーターによる、2020年、この時代の記録を刻み込んだのだ」と思いを述べ、「この作品が台湾で上演できればと心から願った」とコメントした。

なお8月1日19:00開演回を除くすべての公演で、Vimeoでの有料ライブ配信が実施される。視聴方法の詳細は亜細亜の骨の公式サイトで確認を。

林孟寰コメント(翻訳:山崎理恵子)

日本式ハイスピードでトントンすすむ85分の公演は一気に終わった。台湾映像チームの二人が所狭しと動き回る。私はカーテンの後ろからその現場を覗き見る。スマホで日本の劇場での台湾のライブ映像を見る。そして台湾で日本の劇場で行われている映像を見て、自分の中でこの作品の全貌を完成させる。

突然、泣きたくなった。

どんなに日本の劇場でこの瞬間を一緒に過ごしたかったか!

劇場でみんなの呼吸を、みんなのリアクションを、そしてみんながこの芝居を気に入ってくれたか、僕が作った世界に踏み込んでくれた人がいるのかを感じたかった。

しかしながら、このハチャメチャなコロナが、こんなに面白い作品を僕たちに作らせてくれたともいえる。台湾のキャストを映し出すためだけに映像をインサートしたのではなく、アメリカ、日本、台湾、香港そしてマレーシアのクリエーターによる、2020年、この時代の記録を刻み込んだのだ。

世界に終末が訪れる時、そこに生きている人達は自分たちが終末に向かっていることを知っているだろうか?それともまるで「ぬるま湯でカエルを煮る」ように、じっくりと私たちはそれに耐えながら破滅していくしかないのだろうか?

この作品が台湾で上演できればと心から願った。

亜細亜の骨「超空想科学奇譚『食用人間~トリコジカケの中華料理~』」

2020年7月27日(月)~8月2日(日)
東京都 ウエストエンドスタジオ

作:林孟寰
翻訳:山崎理恵子
演出:E-RUN
出演:井上裕朗、奥田努、深谷由梨香、松田将希、周浚鵬

※山崎理恵子の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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