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『未満警察』中島健人×平野紫耀のアクションが炸裂! 見えてきたバディとしての結束力

リアルサウンド

20/7/12(日) 13:45

 警察学校で習いたての知識を駆使し、誘拐された少女・亜未(上白石萌音)の行方を追っていた快(中島健人)と次郎(平野紫耀)は、何人もの少女たちが監禁されている廃ビルへとたどり着く。しかしそこで犯人グループのボス・柴本(加藤雅也)に阻まれ、格闘の末に拘束されてしまう。7月11日に放送された日本テレビ系列土曜ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』第3話は、先週の第2話に引き続いて原作の韓国映画『ミッドナイト・ランナー』のメインプロットをほぼそのままなぞりながら、少女誘拐事件の顛末が描き出された。

参考:ほか場面写真多数

 犯人グループに追いかけられて交番に逃げ込んだ快と次郎は、迎えにきた教官の片野坂(伊勢谷友介)と及川(吉瀬美智子)、そして刑事の柳田(原田泰造)とともに廃ビルに向かうのだが、すでに犯人グループは少女たちを連れてどこかへ行ってしまっており、もぬけの殻。本庁に協力を要請してもすぐには捜査されないと言う柳田に対し、快と次郎は自分たちで捜査することを宣言するが一蹴され、あえなく警察学校に連れ戻されてしまう。しかし2人は来る闘いに備えてトレーニングに励み、柳田の計らいで稲西(中村ゆり)の協力を得て、犯人グループの足取りを特定するのだ。

 その直球すぎる脚色、ないしはローカライズを先週の記事では“挑戦”と形容したが(参照:『未満警察』オリジナルへのリスペクト満載 中島健人×平野紫耀以外の登場人物の過去も明らかに)、物語を2週に分けたことで生じた余裕たっぷりの放送時間(原作映画が108分に対し、本ドラマでは45分×2。しかも映画の前半16分がすでにドラマ第1話で描かれている)が功奏し、原作にも匹敵するアクションシーンが生まれた以上、この挑戦は成功であったといえよう。中島と平野、ジャニーズ俳優ならではの俊敏な身体能力がフルに活かされたクライマックスのアクションシーンはなかなかの見応えであり、2人で一緒になって強敵を倒すというバディアクションの典型が、水しぶきによってダイナミックに盛り立てられていたのも面白い。

 正義感で突き動かされる主人公たちの姿と、警察官としてでなくとも誰かを守るために強くなろうとする姿は、原作映画からしっかりと引き継がれたエッセンスである。なかでもコンテナで眠った少女たちを見つけた快と次郎が、自分たちが退学になる可能性があるとわかっていながら迷わず教官に連絡することを決めるシーンはまさにそれで、彼らの人間性を表す重要なシーンがそのまま汲み取られているのも2週に分けて展開したことの成果であろう。いずれにしてもこれまでの3エピソードで原作映画のプロットをすべて使い果たしているので、次週以降は日本版のオリジナルとして展開することになる。このドラマの真価が問われるのはそこからだろう。

 ところでクライマックスで倉庫会社に乗り込んでいくシーンあたりから、画面中に何とも言えない不思議な空気が立ち込めてくる。少女たちをコンテナへと連れていく犯人グループも少女たちも、皆が一様にマスクを付けているではないか。さらに快と次郎も警察学校で借りた装備が自然とフェイスシールドの役割を果たしており、これはもしや新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で中断していた撮影が明けた直後に撮られたものと判断できる。シーンのつながり以前にドラマや映画で演者がマスクを付けるというシチュエーション自体が、従来の感覚であれば極めて特殊なものであったから不自然に感じるのだろう。今後はこういったシーンもノーマルなものに思えてくるのだろうか。 (文=久保田和馬)

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