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玉森裕太「俺のこと、好き?」炸裂! 『ボス恋』恋と仕事の2大ピンチが教えてくれたこと

リアルサウンド

21/1/20(水) 6:00

 『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系、以後『ボス恋』)第2話で主人公の鈴木奈未(上白石萌音)を待ち受けていたのは、恋と仕事双方の2大ピンチだった。

 カメラマンの潤之介(玉森裕太)に“彼女の振りをしてほしい”と頼まれ紹介された姉が、なんと職場の鬼上司・編集長の宝来麗子(菜々緒)だったのだ。まさかの展開に、事前に打ち合わせていた2人のなれそめなどの設定は全くの無意味なものになり、慌てた奈未が咄嗟に口を滑らせ苦し紛れに付いた嘘ーー自分は「けん玉チャンピオン」ーーによって、次なる試練を呼び寄せてしまう。

 ファッション雑誌『MIYAVI』創刊号の企画として、売れっ子漫画家・荒染右京(花江夏樹)とのコラボ企画が浮上し、荒染先生がけん玉好きであることから奈未も交渉の場に同席することになる。

 編集長から課されたのは「この交渉が成立すれば、弟との交際を親に推薦してあげても良い。失敗すれば雑用係も辞めてもらう」というあまりにハイリスクハイリターンな究極の二択だった。

 ただ、あれだけ用意周到、先の先まで読み切っている編集長が、奈未のあんなに陳腐な嘘を見抜けないわけがないだろう。それもわかった上で、奈未のお手並み拝見、彼女の「人並みの根気」に懸けてみようと思ったのだろうか。しかし、たまたま付いた嘘が口説き落としたい仕事相手のかなりニッチな趣味と一致しているあたりは、引き続き奈未の変な引きの強さは健在のようだ。

 しかし、もちろん荒染先生の前でだけけん玉が成功するわけもなく、その場しのぎの嘘は一瞬で見破られる。

 失敗した奈未が口にするのは他責の言葉の数々だ。編集者でもない、交渉経験もない自分に任せた時点で結果は見えている。潤之介さんと付き合っていることへの嫌がらせで、こんな大きな仕事を任せた編集長の任命責任だと言い訳を並べ立てる。

 もちろん第1話で言い放たれた「何の信念もない、衝動もない。人並みの根気すらないのね」同様に、編集長には「あなたは人並みで良いと言って努力することから逃げてるだけ。まずは人並みの責任を取ったら?」と一蹴される。

 ただ、そこで逃げ出さずに懸命にけん玉を練習した奈未は、今回ばかりは自分が後先を考えずについてしまった嘘についてケジメをつけたい、そして少し“踏み止まろう”という気持ちだったのかもしれない。荒染先生の前でも「今回がちゃんとした仕事を任されるのが初めてで。こんなに何かを頑張ったのも初めて」と吐露していた。けん玉の特訓をしながら荒染先生の作品に触れた奈未だからこそ感情移入した感想を伝えられていたように、やはり本気でやった先には結果がどうあれ「違った景色」が待ち受けており、少なくとも自身の中に“変化”は起こっているのだ。今回はこの奈未の“変化”が伝播し彼女にとって初めて「人の心を動かした仕事」になったのだ。

 ここからの学びは、潤之介に“付き合っている振り”はやめましょうと切り出す際に伝えた奈未の言葉にも反映されている。「嘘は本当にはならない。逃げているだけで事態は変わらない」、これは潤之介にとっても耳が痛い言葉だったに違いない。

 “付き合っている振り”をしながら“あわよくば”という気持ちが見え隠れしていた少し前の奈未からの変化感、自立っぷりが凄まじい。とりあえず側には置いてもらえる生温い半殺しのような関係こそなかなか終止符を打てないものなのに、奈未はきちんと“自分の意志”で生きようとし始めている。

 これには潤之介からの奈未への気持ちにも変化を与えたのかもしれない。またラストに思わせぶりな悩ましい台詞を投げかけてくるわけだが……。

 「人並みになるまで逃げませんから」と編集長に宣言した奈未が次週どんな奮闘を見せてくれるのか、またある意味タイミング良く現れた潤之介と奈未の関係に変化は見られるのか。このスピード感についていきながら楽しみたい。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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