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エセルとアーネスト ふたりの物語

19/9/24(火)

平凡に生き、平凡に死んでゆくことはこんなにも尊いものなのか。絵本作家レイモンド・ブリッグスが自らの父母を題材にしたこの作品は、何も特別なことを描かない。ただ、ふたりの夫婦が子供を授かり、第2次大戦を挟んだ激動の時代を慎ましい家に暮らし、毎日仕事にでかけ、子供を育て、やがて年老いて死んでゆく。そんな平凡な人生にも多くの喜怒哀楽が詰まっているのだ。 平凡であることは恥ずかしいことでも、つまらないものでもない、尊く美しいものだと感じさせた映画は他にはないのではないか。絵本の絵柄がそのまま動いているかのような柔らかいタッチのアニメーションも素晴らしい。鑑賞中、溢れる涙を抑えることができなかった。

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