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林遣都が『教場』『スカーレット』で放った魅力 『世界は3で出来ている』1人3役への期待

リアルサウンド

20/6/11(木) 14:00

 林遣都が主演を務めるドラマ『世界は3で出来ている』が、フジテレビ系で6月11日23時より放送される。

参考:『スカーレット』は“手を繋ぐ”物語だった 何度でも思い出したい喜美子の「大事なもんは大事に」

 本作は、緊急事態宣言が解除されても、しばらく続くコロナ禍の日々の中で、出来ない(できない)ことを面白がり、限られた制約をあえて楽しもうと生まれた企画。リモートによる打合せと、密を避けての安心安全な撮影を徹底した、いわばソーシャルディスタンスドラマだ。林遣都が一卵性の三つ子を演じ、1人3役に挑戦する。

 本作で初の1人3役を演じる林遣都について、ライターの西森路代氏は以下のように語る。

「一般的には、『HiGH&LOW』(日本テレビ系)や『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)といったキャラクターの立っている作品で高い評価を得ているように思います。実際、こうした作品では、『HiGH&LOW』の日向紀久を演じる上でも、顔の筋肉を使って表情を作り込んだりと、俳優としての経験を元に、キャラクターをどのようにデフォルメして作品世界に着地させるかに丁寧に向き合っています。しかし一方で、リアリティを追求する演技をすることも多く、作品によって実直に表現の仕方をコントロールすることのできる非常に魅力的な役者さんだと思います。例えば1月の新春ドラマとして放送された『教場』(フジテレビ系)だと、林さんが演じた平田和道は、警察官の父親からのプレッシャーを受ける中で様々な劣等感を持っており、しまいには仲間にその怒りを向けてしまうという、倫理観だけでは語りきれない役柄でした。短い出演時間ながら、その人がどんな風に生きてきたのだろうと、こちらに想像させるようなリアリティを持ったお芝居をされていました」

 1月に放送された木村拓哉主演ドラマ『教場』は、警察学校を舞台に繰り広げられる様々な人間模様を描いた作品。林はインタビューで「どれだけの苦悩を経て生きてきたのかという部分に重きを置いて演じました」(引用:林遣都『教場』の撮影に「あそこまでワクワク、ゾクゾクしたのは久しぶり」|フジテレビュー!!)と語るように、まさに人間の複雑な内面を表した演技で異彩を放っていた。2夜連続放送のうちの1夜目にして、警察学校を去るという役柄だったが、視聴者に強烈なインパクトを与えた。

 また、林遣都といえば、3月まで放送されていたNHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』に出演していたことも記憶に新しい。林が演じた信作は、戸田恵梨香演じる喜美子の幼なじみで、物語の序盤から終盤まで、自身の創作熱に浮かされたようにのめり込んでいく喜美子を横で支えていた。『スカーレット』で林が演じた信作という役柄について、西森氏は続ける。

「『スカーレット』はドラマの中に現代のジェンダー観について気づかせる要素も取り入れられていて、喜美子は絵付師としても陶芸家としても『女性だから』と色眼鏡で見られることも多々ありました。そういうときに信作は、男女関係なく、人間として見るということにブレがなくて、喜美子に何かあっても、同じ立場から物事をみて一緒に怒れるキャラクターだったように思います。だからこそ、喜美子とも友情がずっと続いていたのでしょう。表面的には、ぶっきらぼうだったりと、ある意味“男くさい”キャラクターにも見えますが、その倫理観を信頼できるキャラクターに仕上がっていましたね。劇中では八郎と喜美子の甘い胸キュンシーンも話題になっていましたが、信作と百合子のシーンもそれに引けを取らないくらい素敵に描かれていて話題をさらっていました」

 放送される『世界は3で出来ている』は、『教場』で監督を務めた中江功と、『スカーレット』脚本家の水橋文美江がタッグを組むという、2020年の林遣都のこれまでの活躍が凝縮されたような座組だ。林は、「このお二人との出会いは自分の中での大きな出来事でした」と語っており、1人3役に挑む林遣都に期待が高まる。最後に西森氏は締めくくる。

「リモートドラマは、制限がある中で、スピード感と今までにないことをやっているという新鮮さで注目されてきましたが、そろそろその制限の中でも、元々のドラマが持っている魅力が100%発揮された作品を楽しみにしてくる時期だと思います。『スカーレット』と『教場』と、どちらも評価された作品の作り手と林さんがタッグを組むのも、林さんが1人3役に取り組むことも期待ですが、それが話題性というだけに終わらないと思えるドラマになっていると期待しています」

(文=安田周平)

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