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初来日のグラミー受賞R&Bシンガー、エラ・メイについて知っておきたい5つのこと

リアルサウンド

19/10/31(木) 13:00

 エラ・メイ(Ella Mai)がいよいよ日本にやってくる。昨年、アルバム『Ella Mai』でメジャーデビューを果たしたそのロンドン出身のシンガーソングライターは、10月31日になんばHatchで、11月1日に東京国際フォーラムで、それぞれ公演を行う。

 代表曲「Boo’d Up」が2019年2月に発表された『第61回グラミー賞』で「最優秀R&Bソング賞」を受賞し勢いに乗る彼女の初来日単独公演は、ファンならずとも見逃せない。本稿では、そんなエラ・メイについて、来日を機に今だからこそ知っておきたい5つのことを紹介する。

1. 始まりは15秒のIG動画

 12歳から17歳までニューヨークの音楽学校に通っていたエラ・メイだが、地元ロンドンに戻ると小売店で働きながら学校に通い、寝室で歌った15秒の動画をInstagramに投稿する日々を送っていた。そのうち、2パック(2Pac)の代表曲の一つである「Keep Ya Head Up」をカバーした動画がDJマスタード(Mustard)の目に止まり、やがて彼のレーベル<10 Summer Records>との契約に至ったという。

 多くのプロデューサーから連絡を受けるなかでマスタードと契約した理由は「彼が粘り強く連絡してくれた唯一の人だったから」なのだとか。「メンターであり兄のような存在」だというマスタードについて、彼女は次のように語る。「私が疑問に思ったことがあると、彼はいつも答えを知ってる。仕事に関係ないことでも、何か困ったことがあるときは、彼に電話すればいつも味方になってくれる」

2. お母さんは最大の理解者

 上述のとおりLAに渡り音楽の道を志すこととなったエラ・メイだが、才能に恵まれているとはいえ、まだ若い娘が海外で夢を追うと聞いて、心配しない親は少ないだろう。しかし、そんな彼女の可能性を誰よりも信じてくれたのが、ロンドンで教師をしている母親だったのだとか。(Big BoyによるYouTubeプログラム”Big Boy TV”より

「21歳の娘が地球の反対側のLAまで行くなんて、多くの人は許さないでしょ? でもうちのお母さんはいつも私の夢に協力的だった。私がステージから見てる景色を見せたくて、ステージに上げて、彼女が一番好きな”Easy”をパフォームしたら泣いちゃって、私ももらい泣きしちゃった(笑)」

 母親以外には5歳上の兄も彼女をサポートしてくれる一人で、何かあると母親よりも先に兄に電話するのだそう。デビューアルバム『Ella Mai』のスキットは彼が書いたものだという逸話もある。

3. その実力は大御所からもお墨付き

 2017年にケラーニ(Kehlani)のツアーに帯同し、翌2018年にはなんとブルーノ・マーズ(Bruno Mars)のサポートアクトに大抜擢されたエラ・メイ。『Ella Mai』にもクリス・ブラウン(Chris Brown)、ジョン・レジェンド(John Legend)、H.E.R.といった豪華アーティストが参加している。これは、彼女の実力がそれだけ多くのアーティストに認知されていることの証左といえるだろう。

 直接一緒に仕事をしたことのないアーティストから嬉しい言葉を受けることもあるという。メアリー・J・ブライジ(Mary J. Blige)もその1人だ。彼女からメッセージを貰った日のことを、エラは次のように回想する

 「私やH.E.R.がよく一緒に仕事する作曲家がいるんだけど、彼が『どこに居る? ちょっとFaceTimeできない?』ってメッセージを送ってきたんだ。私はドレイク(Drake)のコンサートを観ようとしてたから、ちょうどThe Forumに入るところだったんだけど、彼が『メアリーが話したいって』って言うから、『もちろん! 早く電話して』って言ったの(笑)。彼女は私が今お気に入りのアーティストだって言ってくれた。ヤバかった、彼女は(自分にとって)大きなインスピレーションだから。お母さんもメアリー・J・ブライジが大好きだから、私が電話してると知ったら嫉妬すると思うって伝えた」

4. グラミー賞ノミネート時のエピソード

 先述のとおり、エラ・メイの代表曲「Boo’d Up」は『第61回グラミー賞』で年間最優秀ソング賞(Song Of The Year)を含む計2部門にノミネート、最優秀R&Bソング賞(Best R&B Song)を受賞した。その際のことを、彼女は以下のように振り返っている

 「(ノミネーションが発表された時)私は『Good Morning America』でパフォームするところだったの。発表されたのが8:30くらいだったでしょ? 私のパフォーマンスは8:35からだった。だから、8:30にはもうステージに立ってて、ノミネーションの発表があることなんて完全に忘れてたの。(司会者の)マイケル・ストレイハンが私のことを『彼女は今年大ブレイクして、これからもっとビッグになる。グラミー1部門だけじゃなくて、2部門にノミネートされたからね!』なんて紹介するから、すごく興奮しちゃった。バンドのほうを振り向くとみんな拍手してるし。『オーマイゴッド!』って感じだった。(番組では)『Trip』が始まったんだけど、全然集中できてなかったから、ひどかったと思う(笑)」

5. 「Boo’d Up」はYGも踊る名曲

 そのグラミーにノミネートされる前の2018年6月、エラ・メイは『BET Awards』に出席。彼女が同アワードで「Boo’d Up」を披露した時のことを、REAL 92.3のラジオ・パーソナリティー=ビッグ・ボーイ(Big Boy)はこう語る。

ビッグ・ボーイ「観客はみんな立ち上がっていて、俺はブラザーのマウスと一緒に居たんだ。YGは俺の前の列で、左側に居た。曲が素晴らしかったのはもちろんだけど……コーラスをちょっと歌ってみてくれる? 俺がYGやるから」

EM〈Biddy-da-dum, boo’d up/Hear my heart go ba-dum, boo’d up…〉

ビッグ・ボーイ「(両手でハンドサインを作りながら踊る)」

EM「(笑)」

ビッグ・ボーイ「おぉ、YG!」って感じだったよ。俺はエラ・メイを観ればいいのか、YGを観ればいいのかって(笑)。あいつはそれ(=「Boo’d Up」)をブラッズのアンセムにしやがったんだ」

 ゴリゴリのギャングスタラッパーであるYGが「Boo’d Up」の甘美なメロディに酔いしれているのを想像すると、たしかになんだか笑えてくる。ただ、それだけ同曲が性別など関係なく多くの人の心に響くものであることの、何よりの証ともいえるだろう。

 YouTubeの音源をバックに歌う動画をInstagramにアップしていたかつての少女は、今やメアリー・J・ブライジからブルーノ・マーズ、そしてYGまでもが認めるトップクラスのアーティストへと成長した。そんなエラ・メイの来日公演は、彼女の歌声を生で存分に味わえるまたとない機会だ。

■奧田 翔
1989年3月2日生まれ、宮城県仙台市出身。会社員、ライター。11月1日のエラ・メイ東京公演、行きます!
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