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「山〈モンテ〉」アミール・ナデリが黒沢清とトーク、日本を舞台にした続編を希望

ナタリー

19/2/10(日) 15:06

「山〈モンテ〉」トークイベントの様子。左から黒沢清、アミール・ナデリ。

「山〈モンテ〉」の監督を務めたアミール・ナデリが来日。本日2月10日に東京・UPLINK吉祥寺にて行われたトークイベントに出席した。

本作の舞台は、中世後期のイタリア・南アルプス。壁のようにそびえる岩山に光を遮られた不毛の地に住む男・アゴスティーノが、その地を追われ家族と離ればなれになりながらも、たった1人で山と対峙していく。

イベントでは、黒沢清が聞き手を担当。ナデリは本作について、当初は日本を舞台に西島秀俊主演で製作する予定だったことを明かす。そして「しかし、日本にはふさわしい山がないことと、撮影にあたってさまざまな規制があることがネックでした。この映画は本来、黒澤明監督へのオマージュとして20年間構想していたものなので、日本で作れないことはとても悲しかったのですが、イタリアで作ることにしました」と語った。

ミケランジェロ・ブオナローティの作品を取り込むアイデアを得てイメージに沿うロケーションを探した結果、アルプスのとある山にたどり着いたナデリ。「そこを管理していた方は映画の構想を理解してくれましたが、私は山を壊すということを話しませんでした。2カ月ほどかけて親交を深めながら、彼のいないときに山を爆破することにしたんです(笑)」と明かすと観客から笑い声が上がる。続けてナデリは「結果として、本作はイタリアで成功しました。所有者の方と一緒に、山を壊す前と壊したあとの写真を見比べたりしました」と述べた。

黒澤はナデリの過去作がニューヨークや東京など都市を舞台にしたものが多かったことに触れながら「今回、中世の山を舞台にした理由はなんだったんでしょうか」と問いかける。ナデリは「イランで最後に作った映画『水、風、砂』をもう一度作りたいと思っていたんです。環境を変え、主人公にとってより困難な環境を作るために、日本もしくはイタリアの山で撮ろうとしたんです」と回答。「撮影開始から3日間はとても大変でした。私の指示する声が山のこだまに書き消えてしまって、白いスカーフや赤いカードを掲げたりしながら意思疎通を試みていたんです」と笑いながら語った。

本作を「CUT」の続編と語るナデリ。続く3作目も日本を舞台にした作品で、徳島の祖谷地方での撮影を希望していると語る。黒沢が「今度も破壊する映画ですか?」と冗談めかして聞くと、ナデリは「オーマイガー!」と天を仰ぎ「今度は作る映画です。私は人間的に成長しましたからね」と述べた。

「山〈モンテ〉」は全国にて順次公開。

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