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EGO-WRAPPIN'年末恒例「Midnight Dejavu」で中納良恵が復活宣言

ナタリー

18/12/29(土) 22:00

EGO-WRAPPIN'(撮影:仁礼博)

EGO-WRAPPIN'が主催する年末恒例のライブシリーズ「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」が12月21、22、24日に東京・東京キネマ倶楽部にて、28、29日に大阪・ユニバースにて行われた。今年で18回目を迎え、エゴファンの間で年末の恒例行事としてすっかり定着した感のある「Midnight Dejavu」。この記事では東阪5公演の中から、24日に行われた東京・東京キネマ倶楽部公演の模様をレポートする。

この日のDJを務めた社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS)がソウルフルな選曲でフロアをひとしきり盛り上げたのち、定刻から少し遅れて、森雅樹(G)、末房央(Dr)、真船勝博(B)、ハタヤテツヤ(P, Org)、武嶋聡(T.Sax, S.Sax, Flute)、川崎太一朗(Trumpet)、滝本尚史(Trombone)、後関好宏(A.Sax, B.Sax)がステージに現れる。「今年最後。見納めです。行きましょう、EGO-WRAPPIN'ショータイム!」という森の言葉を合図に、バンドはジャズスタンダード「Sophisticated Lady」を演奏。年末の華やいだムードを演出するような瀟洒でムーディなサウンドが鳴り響く中バルコニーから中納良恵(Vo)が登場し、この日のライブは幕を開けた。

続けて風雲急を告げるような物々しいイントロから「カサヴェテス」がスタートすると、先ほどまでのラグジュアリーなムードは一変。エゴは続けざまに「PARANOIA」を届け、緊張感あふれるスリリングなサウンドと中納のパワフルなボーカルで、場内のテンションを一気に高めていく。歌唱後に中納は「アミーゴ! セニョール、セニョリータ!」と挨拶。喉の不調でライブ活動を一時休止していたことを観客に詫びつつ、「声、全然出てる!」と満面の笑顔を浮かべた。

「最高のクリスマスにしていきます!」という中納の言葉から届けられたのは新曲「Arab no Yuki」。森が奏でるリズミカルなギターリフが印象的なエキゾ風味のアップチューンだ。「Room #1102」に続けて演奏されたのは、アメリカの男女バンドThe J's With Jamieが1960年代に発表した楽曲「Yoshiko」のカバー。謎のカタコト日本語詞が強力なインパクトを残すモンドでキッチュなガレージロックにフロアは大きな盛り上がりを見せた。

「Neon Sign Stomp」「あしながのサルヴァドール」「老いぼれ犬のセレナーデ」といったブルージーかつアンニュイなナンバーを歌唱したのち中納が一旦ステージをはけると、森いわく「恒例の趣味のコーナー」がスタート。バンドはオーセンティックなスカチューン「Skalifornia」、ゆったりとしたテンポのロックステディ「Dreamland」を演奏する。中納が合流してから披露された「love scene」、スカアレンジが施されたメキシカンクラシック「Besame Mucho」の日本語カバーなど、このブロックではエゴサウンドの重要な要素であるジャマイカンミュージックを基調としたナンバーが届けられた。

おなじみの盛大なハンドクラップがフロアから発生した「かつて...」の演奏が終わると、メンバー紹介を挟み、ライブは後半戦に。「Four Beats To Casbah」では異国情緒漂う怪しげなインストサウンドに乗せて中納が手持ちの銅鑼を打ち鳴らしながらフロアを煽り、「雨のdubism」ではバンドが巧みな技術に裏打ちされた演奏でドラマティックな楽曲の世界に観客を引き込んでいく。エゴは1月にスタートするテレビ東京系ドラマ「フルーツ宅配便」のオープニングテーマに決定した新曲「裸足の果実」を披露して観客を喜ばせると、畳みかけるようにキラーチューン「くちばしにチェリー」をプレイ。曲中のブレイクで中納が「解き放てー!」とシャウトすると、それに応えて観客が一斉に快哉を叫ぶなど、ステージとフロアが混然一体となって爆発的な盛り上がりをみせたこの曲でエネルギッシュに本編の幕を閉じた。

アンコールに応えて中納と森、4人の管楽器隊がバルコニーに登場。「EGO」というロゴが大胆にあしらわれた中納の衣装にフロアのあちこちから「かわいい!」と歓声が飛ぶ。和やかなムードの中、バンドは森のアコースティックギターと4管の編成で「Crying in The Chapel」をカバー。エラ・フィッツジェラルドやエルヴィス・プレスリーの名唱で知られるゴスペルソングでクリスマスムードを盛り上げる。「サニーサイドメロディー」では管楽器隊がコーラスを担当するなどユニークな演出でも観客を楽しませた。

ステージに戻ると中納は、「ここ最近、1本1本のライブを神に祈る気持ちでやってて。バンドをやり始めた頃を思い出したりもしました」と喉の不調を経た現在の心境を改めて語る。続けて彼女が「でも、もう大丈夫なんで!」と力強く宣言し、メンバーとスタッフ、ファンに向けて感謝の気持ちを述べると場内から温かな拍手が送られた。またこの日の公演では、ニューアルバムを4月のリリースに向けて準備していることも中納の口から発表された。

ライブは「A Little Dance SKA」で再開。タイトル通りの軽快なスカのリズムに乗せて、中納は衣装の裾をはためかせながら快活な歌声を届ける。エゴがこの日のラストソングとしてセレクトしたのは「a love song」。羽のような雪が降り注ぐ中、心地よいサウンドとスウィートな歌声が場内をゆっくりと満たしていき、ライブはロマンチックな雰囲気でフィナーレを迎えた。

EGO-WRAPPIN'「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」
2018年12月24日 東京キネマ倶楽部 セットリスト

01. Sophisticated Lady
02. カサヴェテス
03. PARANOIA
04. Arab no Yuki
05. Room #1102
06. Yoshiko
07. Neon Sign Stomp
08. あしながのサルヴァドール
09. 老いぼれ犬のセレナーデ
10. Skalifornia
11. Dreamland
12. love scene
13. Besame Mucho
14. かつて...
15. Four Beats To Casbah
16. 雨のdubism
17. 裸足の果実
18. くちばしにチェリー
<アンコール>
19. Crying in The Chapel
20. サニーサイドメロディー
21. A Little Dance SKA
22. a love song

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