Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

BOYSぴあ FUTURE 第2回 東啓介

東啓介「『ウチカレ』を経て、もっと飛躍したいと思った」

全1回

第1回

21/3/23(火)

続きを読む

この冬、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』のイケメン整体師役で注目を集めた俳優の東啓介さん。“とんちゃん”の愛称で親しまれる彼の本領を示す場が、ミュージカルです。

ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』でミュージカルの聖地・帝国劇場の板の上に立ち、その後もミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』や『ジャージー・ボーイズ イン コンサート』など話題の作品に次々と抜擢。

190cm の舞台映えする長身と美麗なハイトーンは、ミュージカル界の新世代スターとして高い評価を集めています。

3月27日から、ブロードウェイミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』が開幕。きっとその歌声でまた多くの人が“とんちゃん”に魅了されるはず!

初回のあとにエゴサしたら、「この人誰?」って言われてました(笑)

── 『ウチカレ』でGP帯の連続ドラマに初出演。振り返ってみて、どんなところに俳優としての成長を感じましたか。

『ウチカレ』に出るまでは、映像でも舞台っぽい芝居の癖が抜けないのが課題だったんですね。それで、自分でレッスンに行ったり、映画やドラマをよく観て勉強していたんですけど。おかげで今回はナチュラルに話すことが今までよりもずっと自然にできたと思うので。そこは練習の成果を少しは出せたのかなと。

── では逆に難しいと感じたのはどんなところでしたか。

僕の演じた渉先生がわりと立ち位置が複雑というか。結構ソロプレイヤーだったので、そこでどうまわしていくか、引っ張っていくかっていうのは難しかったですね。

── キャラクター的にも見せ方の難しい役だなとは思いました。

そうなんですよね。鈍感であり、でもまっすぐであり。ちょっと独特な雰囲気もあり、一言では言い表せない役どころでした。

── 鼻毛のシーンはどうでしたか。

斬新でしたね(笑)。嫌われるためだったら、デートに行かないとか、連絡しないとか、他に方法はいろいろあるのに、鼻毛をつけて嫌われようとする感覚は不思議でした。でもそこが渉先生のズレているところなんだろうなって。

── しかも空(浜辺美波)をめぐって光(岡田健史)とはライバル関係でもありました。

プレッシャーがすごかったですね。岡田健史くんと俺?みたいな(笑)。でもすごい楽しかったです。このメンバーで、その位置でやれていることがうれしくて。もっともっと自分もいろんな作品をやりたいと思いましたし、いい経験になりました。

── 連ドラ期間中にエゴサはしましたか。

初回のオンエアのあとにしたら、「この人、誰?」って言われてました(笑)。あとは「いや、あの整体師より光に行くだろ」とか(笑)。

── えー。そういうのを見て傷つきませんでしたか。

いや、むしろそらそうだろうなという感じでした(笑)。だってみんな僕のことは知らないわけですし。それよりも楽しんで観てもらえていることの方がうれしかったです。

── 舞台と連ドラの違いのひとつに、観ている人の母数があります。反響の大きさを実感したことはありますか。

身近なところで言うと、全然連絡をとってなかった高校の友達だったり親戚の人からも「ドラマ観たよ」って連絡が来たりして。あと、僕を全然知らなかった方がドラマを観てインスタライブに遊びに来てくれたり。そういうのはうれしかったですし、ドラマってすごいなと思いました。

── 一方で、長く応援しているファンのみなさんの支えを改めて感じることもあったんじゃないでしょうか。

「舞台でも観たい」という声もありましたけど、いろんな方が「これを機にもっと有名になってほしい」とか、「もっと売れてほしい」とコメントをくれて。すごく心強かったですし、僕はみなさんに支えられているんだっていうことは、今回に限らず常に感じていますね。

── 東さん自身の気持ちの面で何か変化はありましたか。

もっともっとチャレンジしたいし、もっともっと飛躍したいという意識がより芽生えましたね。今後も舞台に限らず、いろんなところから求められる存在になりたいですし、そうやってより多くの人に知ってもらうことで、何か観ている人たちに元気を与えられる人になっていきたいです。

初めてカラオケで歌ったのは、RADWIMPSさんの『いいんですか?』でした

── 東さんといえば、ミュージカル界の次代を担う存在。個人的には、映像で東さんのことを知った人に、ぜひ東さんの歌声を聴いてほしいと思っています。歌うことは昔から好きだったんですか。

実はもともとは好きじゃなくて。小学2年生ぐらいから母親からピアノを習ったり、姉もピアノをやっていたので、音楽というのはわりと親しみはあったんですけど。ひそかにピアニストになりたいなという夢はありつつ、兄の影響で大きくなるにつれてスポーツの方が好きになって、気づいたら音楽とは疎遠になっていたんですね。

中学になると友達とカラオケに行くようになるじゃないですか。そのときも当時の僕は恥ずかしがり屋だったんで、あえて「興味ないし」って感じの態度で、なかなか行くこともなくて。それが中3のときに初めてカラオケに行ったら、みんなが「うまいじゃん!」って言ってくれて。そのとき初めて「え? 俺、うまいのかな」って(笑)。ちょっとうれしくなったのが、歌うことに興味を持ちはじめたきっかけですね。

── そうだったんですね。ちなみにそのときは何を歌ったか覚えていますか。

たぶんRADWIMPSさんの『いいんですか?』だった気がします。当時からRADWIMPSさん、ELLEGARDENさん、BUMP OF CHICKENさんのような、メジャーだけどテレビには出ないというスタイルのバンドが好きで、よく聴いていましたし、今も聴いています。僕の音楽の趣味は中学のときで止まっています(笑)。

── ミュージカルに興味を持ったのは、高校の芸術鑑賞で観た『レ・ミゼラブル』がきっかけだったと聞いています。何にそんなに心を掴まれたんでしょうか。

最初は帝国劇場がすごいものだということもまったく知らず、午後の授業がなくなってよっしゃ! みたいな感じで行ったんですよ。で、幕が上がって、一声目の声の圧に圧倒されました。

簡単に言うと、すごいな! の一言なんですけど。「これ、カラオケじゃないの? うますぎだろ、やばい。全部録音されているのかな?」ってとにかく衝撃で。どんどん前のめりになって、最後まで夢中でした。『レ・ミゼラブル』ってわりと長いお話なんですけど、あっという間という感じでしたね。

ボイトレの先生と出会って、もっと歌を頑張ろうと思った

── そんな折、ずっとやっていたテニスを怪我で引退することになり、新しい目標として俳優の世界へ。ミュージカル『テニスの王子様』で本格デビューを果たし、以降、さまざまな作品に出演されています。その中でもやっぱり注目は歌。年々、歌唱力に磨きがかかっていますが、あの歌声を掴むまでの道を聞きたいです。

好きこそ物の上手なれというやつで、好きだからこそ努力できるというのがいちばん大きいかもしれないです。常に頭の中は探求したいことでいっぱいで。次はもっと高い声を出せるようにとか、もっと複雑な音を外さないで歌えるようにとか、どんどん新しい課題ができて。そういう探求心があるから、おっしゃっていただいているように歌声も少しずつ磨かれていっているのかなと。

── 音楽の面で、特に影響を与えてくれた人との出会いはありますか。

今のボイトレの先生との出会いは大きかったです。なかなか自分にぴったり合う先生が見つからなくて。自分からいろんな先生に連絡をして試していたんですけど、その中で出会ったのが今の先生。レッスンを受けたとき、魔法にかかったように声が出たんです。それで、この先生は本当にすごいなと。そこから週に3回くらい本番終わりや稽古終わりに通うようになって、いろんなものを吸収させてもらいました。

── それは時期的にはいつ頃のことですか。

2017年のミュージカル『薄桜鬼』原田左之助 篇のあとくらいです。その頃、ちょうど事務所の社長からも「もっと歌を頑張りなさい。絶対うまくなるから」と言われていて。本当にいいタイミングで出会うことができました。

── その先生は何がフィットするんでしょうか。教え方なのか、モチベーションの上げ方なのか、技術に関する知識量なのか。

全部!って感じです(笑)。最初にレッスンに行ったときは、先生もうーんって感じだったんですけど、少しずつ通いはじめていくうちに「逸材を見つけてしまったかもしれない」みたいなことを言われて、テンションが上がったのを覚えています(笑)。

そのあとも「こんな身長高くて、こんな高い声出る人はなかなかいないよ」と褒めてくださったり。「こうやったら歌いやすいよ」というような技術的なことも丁寧にアドバイスしてくださるので。僕としても頑張ろうと思えるし、もっと教えてくださいって気持ちになる。本当にありがたいですね。

観終わったあとに、もっと人とつながりたいと思える作品です

── そんな東さんの最新作が、ブロードウェイミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』です。すでに稽古中と聞いていますが、久しぶりに舞台の世界に帰ってきて、どんなことを感じていますか。

早く稽古に行きたいって毎日思っています。こんなに稽古に行きたいと思うことはなかなかないですね。それはもうこの作品と共演者の方たちのおかげで。とにかくみなさんハッピーな方たちばっかりなんですよ。ウスナビ役のMicroさんが出されるオーラがあたたかいですし。演出のTETSUHARUさんもとってもフランクな方。みんなと対等に接してくださるので、稽古場の空気もいいし、なんでも言いやすくて、すごく心地いいです。

── 本作は2008年度トニー賞最優秀作品賞を受賞した傑作ミュージカル。マンハッタンの北西部にあるワシントンハイツという移民たちが暮らす町の住人たちの物語です。東さんはこの作品のどんなところに面白さを感じていますか。

『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』のいちばんのテーマは“日常”なんです。お話の中で特に何が大きなことが起きるわけではなくて。でも、日常でこんなことがあったらこうなるよねって自然と共感できるお話になっていて。描かれている些細なすれ違いも、恋人がいたらこうなるよねとか、うなずけるものばかり。

コロナで人と人との距離をとらなければいけない今の状況でこの作品を観たら、きっと人とつながりたい、人と関わりたいと思えるんじゃないかなって。そういうところがすごく好きですね。

── 東さんは、名門大学に進学したハイツの希望の星・ニーナに恋するベニーを演じます。

僕の演じるベニーは黒人で、ニーナはアメリカ系のヒスパニック系アメリカ人。お話の中では人種差別についても描かれています。日本にいると、人種差別ってあまり馴染みがない方もいるかもしれません。だけど、大きく言うと、人種の違いは、男女の違いや大人と子どもの違いにも捉えられるのかなと思います。そんなふうに何かと置き換えながら身近なものとして観てもらえたらうれしいですね。

── 音楽面での魅力はどんなところですか。

めちゃくちゃ素敵です! ラテン系なのでリズミカルな曲が多くて。自然と体が乗ってくるというか、気持ちが前のめりになれるのもこの作品の魅力のひとつだと思います。

── 歌唱面でチャレンジなところはどこでしょうか。

ラップを人前で歌うのは、カラオケでもやったことがないので楽しみです。みなさんに新しい東啓介を見せたいですね。

── 人前で歌うのは、昨年11月のソロコンサート以来でしょうか。

そうですね。ソロコンサートでは、1公演15曲くらい、それを1日2公演という感じでやらせてもらって。今までひとりであんなに何曲も歌うことってなかったんですよ。しかも、どれも大曲揃い。ロングトーンが多かったりハイトーンが多かったり、難しい曲をしっかり歌いこなせたのは、ひとつの自信になりました。

今回の『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』はアップテンポがメインで、海外特有のフェイクとか、クラシックなミュージカルとはまた違うノリを感じられるはず。なので、ミュージカルをよく観ている方にとっても新鮮だし、ミュージカルをあまりご覧になっていない方にとっても馴染みやすい作品だと思います。

僕個人としても、今までの舞台らしい表現に加えて、ドラマで培った自然な息遣いや仕草をこの舞台でもうまく取り入られたらと思っているので、ぜひ新しい東啓介をいろんな方に観ていただきたいです!

Q.芸能界で出会った中でいちばんカッコいいと思った人は?

三浦春馬さん。人柄も相まって本当にカッコいいなって感じました。

Q.いつか会ってみたい人は?

RADWIMPSの野田さんに会いたいです。もし会えたら、「めちゃめちゃ聴いてます」って伝えます(笑)。

Q.オススメのラブソングは?

Novelbrightの『ツキミソウ』という曲がせつなくていいんですよね。「茜色の〜」からの歌詞が憂いを感じるというか。男のせつなさがつまった曲です。

Q.新生活にオススメの曲は?

ゆずの『栄光の架け橋』!

Q.告白するときはどんなふうに想いを伝えますか?

ちゃんと直接会って「好き。付き合って」って言います。

Q.東さんは恋をするとどうなりますか?

その人しか見えないです!

Q.「東啓介は××ができない」。何ができない?

整理整頓ができない。何かスペースを使うときは、置いてあるものを全部端に寄せてます(笑)。

Q.背が高くて得したこと?

何の服を着てもとりあえずサマになる。

Q.背が高くて損したことは?

目立ちすぎる。よく「満員電車でもいい空気吸ってるでしょ?」って言われるんですけど、みんなが吐いた二酸化炭素を吸ってるだけなんで、全然快適ではないです(笑)。

東啓介さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント!応募の方法はこちら

公演情報

Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』
原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ
脚本:キアラ・アレグリア・ウデス
演出・振付:TETSUHARU
翻訳・訳詞:吉川徹
歌詞:KREVA
音楽監督:岩崎 廉

出演:Micro、平間壮一(Wキャスト) / 林翔太、東啓介 (Wキャスト) / 田村芽実 / 石田ニコル / 阪本奨悟 / エリアンナ / 青野紗穂 / エリック・フクサキ / 山野光 / 戸井勝海 / 未来優希 / 田中利花 / 他

【神奈川公演(プレビュー公演】
2021年3月27日(土)・28日(日)
会場:鎌倉芸術館 大ホール

【大阪公演】
2021年4月3日(土)・4日(日)
会場:オリックス劇場

【愛知公演】
2021年4月7日(水)・8日(木)
会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

【東京公演】
2021年4月17日(土)~2021年4月28日(水)
会場:TBS赤坂ACTシアター

公式サイト:https://www.intheheights.jp/

撮影/岩田えり、取材・文/横川良明

アプリで読む