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野村周平が選択する幸せの道とは? 『僕の初恋をキミに捧ぐ』交錯する複雑な思い

リアルサウンド

19/2/24(日) 12:00

 『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレビ朝日系)第6話では、逞(野村周平)の病状が思わしくなく、入院することになってしまった。優実(松井愛莉)と歩いていた際に男に絡まれ、危険を感じて逞を呼び出した繭(桜井日奈子)は、逞の母・えみ(石田ひかり)に辛辣な言葉を浴びせられてしまう。えみは、繭が逞の体調への気遣いが足りないことに不満をもっていた。しかし、繭はそのことを気にしつつも、思いを抑えられず逞に会いに行ってしまう。すると、逞の父・寛貴(児嶋一哉)が、入院前に逞と繭がデートに行くことを提案するのだった。

【写真】逞(野村周平)と繭(桜井日奈子)のデート

 一方で、昴(宮沢氷魚)は優実と繭を男から救ったことをきっかけに優実と付き合うことになる。長い期間を経てやっと付き合うこととなった2人はラブラブそのもの。しかしこの2人の関係にも陰りが訪れてしまうのであった。昴は以前の事故の後遺症で脳出血を起こし、脳死状態となってしまう。

 逞の健康を願うが故に、それぞれの心情が交錯し合い、歪みが生じた第6話。昴の心臓を移植すれば治るのではないかという期待と、昴に助かって欲しいと願う気持ち。そして逞が好きだから無理をさせたくない気持ちと、好きすぎて歯止めの効かない想い。逞の母も、繭も、律(佐藤寛太)も、みんなが心のどこかで逞のことを考えている。しかしなかなか考え方が一致しない故に、複雑な思いが交錯する。当事者の逞は、そんな考えを受け止めなければいけない苦しさとも向き合っているようだ。

 逞を演じる野村は、そんな逞にかかる重圧を受け止められる強さを持っている。逞という役は演じ方次第で表現に広がりのある役だろう。繊細で無理をしてしまいがちな逞、ひょうきんで人を傷つけない逞など、同じキャラクターでも演じ方で大きく変化する。母の想い、繭の想い、昴の想い。それぞれの思い描く逞の幸せを押し付けているような場面も見られたが、それを窮屈に思わず、どっしり笑顔で受け止められる器の大きさを、逞は持っている。野村の、意志の強さとひょうきんに見せて人を傷つけないように振る舞う器用さが、役に反映されているように感じた。

 いよいよ次週で最終回。繭と逞はもちろん、逞の母、昴、優実、律。どのように振る舞うのか注目したいキャラクターが大勢だ。繭と逞が幸せになって欲しいという気持ちはみんなが持っているだろう。しかし、繭と逞だけでなく、逞の家族や繭の家族、昴たちもそれぞれが納得のいく結末に落ち着いて欲しい。逞を支えるだけのキャラクターではなく、視点を変えれば彼らもまた彼らの人生の主人公だ。

(Nana Numoto)

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