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窪田正孝が口下手な役どころを演じる 『ラジエーションハウス』第1話で描いた“病のカメラマン”

リアルサウンド

19/4/9(火) 6:00

 ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)が4月8日に第1話の放送を迎えた。本作は、『グランドジャンプ』(集英社)で連載中の同名コミックが原作であり、放射線科“ラジエーションハウス”を舞台に、患者の病とケガの根源を見つけ出す“縁の下のヒーロー”たちの戦いを描く物語。主演の窪田正孝演じる五十嵐唯織は、写真には必ず“真実”が写ると信じている診療放射線技師だ。アメリカから帰国し、甘春杏(本田翼)らが放射線科医として勤務する甘春総合病院で、同じく新人放射線技師の広瀬裕乃(広瀬アリス)と働き始めることになる。

【写真】本田翼&広瀬アリスのツッコミに挟まれる窪田正孝

 唯織はコミュニケーションが苦手だが、放射線技師としての腕前は優秀である。しかしその口下手さでなかなか輪に入っていけないところがある役柄だ。一方、杏は甘春総合病院の放射線医で気が強く態度が大きい。唯織とは正反対のタイプであるが、唯織は初恋の相手であり、好意を寄せている。第1話をみた限りでは、本作は医療モノでありながら、ラブストーリーとヒューマンドラマも混ざりあうハートフルな作品であった。

 第1話では、前日に唯織が河川敷で出会っていたカメラマンの菊島(イッセー尾形)が、翌日、救急搬送されて甘春総合病院に運ばれてくる。菊島は頭痛を訴えるが、頭部のCTでは肝心の部分が黒く抜け、病気の手がかりを見つけることができない。どうにかしてその部分を投影しようとする甘春総合病院のメンバーであったが、そこで唯織が機転を利かせ見事投影に成功するのであった。カメラマンと放射線技師という一見接点のないような職種の唯織と菊島だが、“写し出す”というカメラマンとしての仕事で心を通わせる。劇中、放射線技師を”カメラマン”になぞらえて演出し、その功績を魅力的に描いている。さらに放射線科医を「ドクターズドクター」とし、スポットライトの当たりにくい臨床医でない医師についても丁寧に描いた。

 唯織がラジエーションハウスに溶け込んでいくまでを繊細に描き、さらにラジエーションハウスのメンバーの個性が強く打ち出された1話はまさに導入にふさわしい演出が多用された。冒頭では技師長の小野寺俊夫(遠藤憲一)に徐々に合流していくラジエーションハウスのメンバーが描かれ、“チーム”らしい一体感を感じさせる構図となった。チームの中に新しく飛び込む唯織と裕乃は、最初こそ別なエリアにいて一体感のない様子が浮き彫りになっていたが、後半ではラジエーションハウスのメンバーと同じ一つのフレームにおさまりチームの一員になったことが象徴される。正義感や仲良しこよしな雰囲気を押し付けないものの、信頼関係が築き上げられていく様子がわかり作品により没頭できる初回となった。

 放射線技師を“病のカメラマン”とし、目に見えないものを写し出す職業として描いた本作は、当たり前のように日常に隣接したレントゲンやCTなどの医療技術に新鮮な印象を与える。そこに窪田演じる唯織のピュアな恋が絡み、心が温かくなるストーリーが展開。このメンバーが織りなす甘春総合病院での日常をもっと見ていたいと感じる作品が幕を開けた。

(Nana Numoto)

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