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諸星すみれ、富田美憂……2019年秋アニメOP/EDでデビューを果たすシンガー4選

リアルサウンド

19/10/20(日) 8:00

 『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』(TOKYO MXほか)『PSYCHO-PASS サイコパス 3』(フジテレビほか)といった人気シリーズの続編から、『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』(TOKYO MX、MBSほか)『BEASTARS ビースターズ』(フジテレビほか)などの待望のアニメ化作品まで、2019年秋クールのTVアニメは充実のラインナップに。そこで今回は、2019年秋アニメのオープニング/エンディングテーマを担当する新進気鋭のアーティスト4組をピックアップ。アニメ/声優ソングの注目どころを紹介します。

 最初に取り上げるのは、TVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』(TOKYO MXほか)のOP主題歌「真っ白」を歌う諸星すみれ。宮野真守と同じ劇団ひまわりに所属し、幼少の頃より子役・声優として活動してきた彼女。代表作としては『アイカツ!』の主人公・星宮いちご役や『約束のネバーランド』のエマ役が挙げられるほか、『アナと雪の女王』の子ども時代のアナ、『シュガー・ラッシュ』のヴァネロペなど、ディズニー映画の吹替でも活躍しているので、その声を耳にしたことのある人も多いことでしょう。そんな彼女が20歳を迎えた今年、<フライングドッグ>からアーティストデビュー。初めての楽曲として発表したのが、今回の「真っ白」になります。

 楽曲を手がけたのは、作詞家の岩里祐穂と作編曲家の白戸佑輔という強力タッグ。サウンドのテイストとしては、ストリングスが寄り添う優雅で華やかなクラシカルポップスといった趣きですが、よく聴くと5拍子と6拍子が入り混じっていて、それによって生じる揺らぎ感のある旋律、サビ部分の5拍子で刻まれるリズムが生む独特のスピード感が、不思議な高まりを与えてくれるナンバーになっています。アニメのファンタジーな世界観にマッチさせつつ、〈世界中でいちばんまぶしいものは/何にもきまってない知らない明日〉と諸星のデビューを祝福するような歌詞も実に巧み。そして何より素晴らしいのは諸星本人の表現力に満ち溢れた歌声。普通にメロディを追うことも難しいであろうこの難曲を、明るさと慈愛たっぷりに歌いこなしています。

 なお、彼女はこの「真っ白」を含むデビューミニアルバム『smile』を10月30日にリリース。EDM以降の洋楽ポップス風のモダンな音使いが新鮮な「はじまれ」、HoneyWorks提供の甘酸っぱい初恋ギターロック「初めての主役」、宮川弾のリリカルな詞世界と主役のアンニュイな歌い口が幻想を掻き立てるエレクトロポップ「足りない音はキミの声」など全7曲が収録されます。楽曲の世界観に合わせて歌の雰囲気が豹変するその感応力の高さは、子供の頃から演技の世界で才能を磨いてきた彼女だからこそのものでしょう

諸星すみれ「真っ白」ミュージックビデオ(Short Ver.)

 続いては、諸星と同学年の19歳で、彼女とは『アイカツスターズ!』の主人公・虹野ゆめ役で縁が深い声優の富田美憂を紹介します。彼女は元々声優アーティストになることを夢みてこの業界に飛び込み、2015年に声優デビュー。『ガヴリールドロップアウト』『メイドインアビス』といった出演作で数々のキャラクターソングを歌唱、さらに7人組声優ユニットのKleissisや『温泉むすめ』発のAKATSUKIなどにも参加し、歌やライブ活動を精力的に行ってきました。若干ハスキーがかった声質が特徴で、歌唱力も高く、タレント性は抜群。声優としてのヒット作にも恵まれて注目を集めるなか、自身も大野翠役で出演するTVアニメ『放課後さいころ倶楽部』(TOKYO MXほか)のOPテーマ「Present Moment」で、念願のソロデビューを果たします。

 その物語の幕開けにふさわしい力強くも開放感に満ちたギターロックチューンを提供したのは、クリエイティブユニット・(K)NoW_NAMEのメンバーとしても活動する作曲家の睦月周平。ストリングスを交えた爽快で疾走感のあるサウンドは、富田の伸びやかなハイトーンとの相性もバッチリです。金子麻友美の作詞による、新しい一歩を踏み出す勇気と希望を歌った爽やかなメッセージは、『放課後さいころ倶楽部』のアナログゲームを通じて友情を深め合い成長していく登場人物たちの背中を後押しするとともに、リスナーの心にもまっすぐ刺さるもの。そして若くして自分の夢に向かって一直線に突き進み、今その夢を掴んだ富田が歌うからこそ、その言葉に説得力が宿るのです。

 ちなみに富田は本作のメインキャストである宮下早紀、高野麻里佳と共に、仲間たちと新しいゲームを楽しむ日々のワクワクを歌ったEDテーマ「On the Board」をキャラクター名義で歌唱。また、TVアニメ『ぼくたちは勉強ができない!』(TOKYO MXほか)第2期では声優ユニットのStudyの一員として、跳ねるようなメロディがラブリーなOPテーマ「Can now, Can now」も歌っています。ソロとしてもユニットとしても、大活躍の彼女には要注目です。

富田美憂 / Present Moment(TVアニメ「放課後さいころ倶楽部」オープニングテーマ)
【Study】「Can now, Can now」MV(YouTube Edit)【TVアニメ「ぼくたちは勉強ができない!」音楽ユニット】

 そしてボカロPのれるりり原作によるTVアニメ『厨病激発ボーイ』(TOKYO MXほか)のED主題歌「Here comes The SUN」でソロデビューするのが、同作に高嶋智樹役で出演する声優の仲村宗悟です。スマートフォン向けゲーム『アイドルマスター SideM』の天道輝役で声優デビューし、DRAMATIC STARSのリーダーとして『SideM』の中核を担ってきた彼は、元々ミュージシャンを志して18歳のときに故郷の沖縄から上京、個人で音楽活動を行っていたという経歴の持ち主。それが理由(ワケ)あって声優になり、理由(ワケ)あってアイドルになり、31歳にしてアーティストとしてメジャーデビュー。彼もまた夢を追い続けて、それを叶えた人なのです。

 デビュー曲となる「Here comes The SUN」は、自身もシンガーソングライターとして活躍するChouChoが詞曲を提供(編曲は村山☆潤)。歌の上手さは『SideM』や『ツキプロ』での活動で実証済みですが、明るいギターロックサウンドに乗せて届けられる伸び伸びとしたその美声は、楽曲自体のテーマでもある「太陽」のように晴れやか。Dメロの〈ずっと眠ってた夢が そっと目覚めたのは/いつだって君が 信じ続けてくれたから〉というフレーズは、彼の活動を追ってきた人ほどグッとくることは間違いありません。そしてMVではアコギの弾き語りでその腕前を披露。さらにデビューシングルのカップリングには自ら作詞作曲した「ゆらゆら」を収録しています。慣れ親しんだ沖縄から東京にやってきて、常に何か新しいことを求めて挑戦してきた彼の心情が詰まったこのナンバー、胸を焦がすような熱さがあるのでぜひ聴いてみてください。

仲村宗悟 – Here comes The SUN 全曲試聴動画

 続いて、群雄割拠状態の女性声優ユニットシーンに革命を起こすべく登場したのが、8人の新人声優によって結成されたDIALOGUE+(ダイアローグ)。TVアニメ『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』(TOKYO MXほか)のOP主題歌としてオンエア中のデビューシングル曲「はじめてのかくめい!」は、LiSAから内田真礼まで数々のアニソンシンガー/声優に楽曲を提供している田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が作詞作曲を担当、そして彼とは初手合わせとなる田中秀和(MONACA)が編曲を手がけた、アニソンファンにとっては夢のような組み合わせの楽曲です。

 当然、田淵謹製のプログレッシブなようでキャッチー極まりないメロディと抜群に語感の良い歌詞、田中が得意とする技巧を凝らしたコード進行と賑々しいアレンジという両者の持ち味がいい具合にハモりあっていて、特に2番以降のあらゆるギミックを詰め込んだ展開は聴きもの。ライブにレコーディングに引っ張りだこのギタリスト・堀崎翔のエモいギターソロも絶妙です。そういった楽曲の個性をさらに輝かせているのが、メンバーたちの愛らしくて華やかな歌声。A・Bメロのソロパートで個々の魅力を見せつつ、サビでは一丸となって活力全開のユニゾンボイスを聴かせます。その圧倒的なエネルギーときらびやかさはまさに革命級。同じく田淵がサウンドプロデュースを務めたカップリング曲「ダイアローグ+インビテーション!」では、ZAQ(作詞・作曲)×堀江晶太(編曲)というこれまた豪華&意表を突いた組み合わせが実現しており、こちらもすこぶるアッパーでハイパーなポップチューンに仕上がっています。

 いずれも今回がデビュー作となるこの4組が、今後アニメ音楽のシーンを中心にどのような活躍を見せてくれるのか期待が高まるところ。TVアニメと併せてぜひチェックしてください。

【MV full size】Debut single「はじめてのかくめい!」【DIALOGUE+】
【DIALOGUE+】Debut singleカップリング「ダイアローグ+インビテーション!」【試聴Ver.】

■北野 創
音楽ライター。『bounce』編集部を経て、現在はフリーで活動しています。『bounce』『リスアニ!』『音楽ナタリー』などに寄稿。

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