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Lead、アルバム『SINGULARITY』で臨んだ音楽的挑戦「僕らならではの“特異点”を出し続けていきたい」

リアルサウンド

20/3/19(木) 18:00

 2002年のデビューからダンス&ボーカルグループとして着実にキャリアを重ね、近年はミュージカルや舞台でも活躍するなど、その活動に多彩さと深みを加えているLead。約1年半ぶりにリリースされるニューアルバム『SINGULARITY』(直訳すると“特異点”の意味)には、サウンド面の要といえる鍵本輝が手がけた楽曲など、実験性と円熟味を絶妙なバランスで掛け合わせた楽曲が並ぶ。彼らが今どのようなモードで制作に臨んでいるのかが垣間見えるような、楽曲たちを巡るエピソードトークを楽しんでもらいたい。【インタビュー最後にプレゼント情報あり】(古知屋ジュン)

これまで経験してきたこと、学んできたことが詰まった1枚

――「過去の自分たちを超える作品に」というのが今回のアルバムコンセプトだそうですね。

鍵本輝(以下、鍵本):常に考えてきたテーマではあります。普段からライブについても「去年のツアーを超えていこう」という思いで向き合って作っていますし、そういう思いを今回はあえてタイトルにした感じですね。

――ストレートに今の皆さんのモチベーションの高さを反映したような?

谷内伸也(以下、谷内):そうですね。例えば4月からスタートするファンクラブツアー『Leaders Party』のサブタイトルを、今回は「BREAKTHROUGH」(“限界突破”)にしたんですよ。その“限界突破”を超える意味を持つタイトルをここに持ってきて「今までの自分たちの最高を超えよう」というところから制作が走り出した感じでした。

――全体を聴かせていただいて、Leadのデビュー当時からの流れの中で楽曲にもいろんな方向性があったじゃないですか。アッパーなEDMもあれば聴かせるバラードもあるし、遊び心の強いヒップホップテイストの曲もあって。その旨みの部分を1枚にギュッと凝縮したような感覚がありました。ベスト盤っぽい感じといいますか。

古屋敬多(以下、古屋):嬉しい。

鍵本:確かに“これまでの集大成”と言うとありきたりな言葉になっちゃいますけど、これまで経験してきたこと、学んできたことがこの1枚にかなり詰まっているなと思います。楽曲作り、レコーディングに対するスタンスもそうですし、今の状態でできること全てを詰め込んではいますね。

――あとから詳しく聞いていきますが、全体の感触としてみなさんそれぞれのボーカルが劇的に変わった印象がありました。歌い回しや発声の部分に新鮮さがあって。

谷内:サウンドにもかなり振り幅があるので、バラエティ豊かな曲の表情にのる形で変化を出せた部分があるかもしれないです。曲に込められたメッセージを感じながら、歌を歌うというよりも語るというか、喋るような感覚ですかね。

――あとこのアルバムからということではなく、近年の作品はサウンドの厚み、深みというか、音像のふくよかさみたいなものがぐっと増しましたよね。

鍵本:そうですね、ここ最近の作品では顕著だとは思います。

谷内:ただ制作スタイルとしてはこれまでと変わらずミックスにも立ち会わせてもらって、エンジニアさんに一つひとつ、気になった部分を伝えたりしながら仕上げてもらいました。

――ではここから新録曲を中心に聞いていきます。輝さん作曲のインスト曲「Regularity://」に続けてタイトル曲の「シンギュラリティ」がきて。〈「今」を超えたいんだ〉というまさにアルバムのテーマ的な言葉たちやデジタルロック的なサウンドも含めて、すごく重厚感がありますね。

谷内:この曲はラフミックスが上がってきた状態で「めちゃくちゃヤバいな!」という印象で、かなりテンションが上がりましたね。

鍵本:1音1音の圧がすごいし、それなのにその音同士が潰し合わないという。サウンド的にクオリティがすごいなと思います。

――そんなエネルギッシュな曲からスタートして、今やライブの定番として親しまれているアッパーな「Be the NAKED」(アニメ『火ノ丸相撲』オープニング曲)を挟んでエモーショナルなラブソング「Depend On Me」へ。この曲はちょっと意外というか、いい意味でLeadっぽくないイメージがありました。ご本人たち的にはいかがでしたか?

鍵本:最後の最後にデモが上がってきた曲なんですよ。ディレクターさんがずっと隠し持っていて「もう1曲、枠あるぜ?」って言うから「いいのないですか?」って聞いたら「あるよ、これどう?」みたいな。

――お店で裏メニュー出してくれたみたいな(笑)。

鍵本:でもみんなその裏メニューに一目惚れして「この曲やりましょうよ!」って。J-POP的でキレイな美メロなのにトラックは今っぽいUSポップ風で、そのバランスがすごくよかった。

古屋:かっこよくて、かつ良い曲だし、3人とも完全にやられましたよね。

「Depend On Me」

――曲はスウェーデンのクリエイターのエリック・リボムさんと作詞も担当された辻村有記さんのコライト(共作)で、他の曲も海外の作家さんと日本の作家さんでコラボしたパターンが多いですね。

谷内:いろんなクリエイターさんの合わせ技で、高揚感のあるダンスミュージックでありつつ歌詞では寄り添ってくれる素晴らしい作品になりました。生々しく感情が揺さぶられるような歌詞でもあるので、個人的にもすごく好きですね。

鍵本:Leadのレパートリーにこういう曲が欲しいとはずっと思っていました。前作の『MILESTONE』で言うと「Tell Me Why」も、メロディは日本のマーケット寄りなのにサウンド的にはしっかりダンスを切り口にしたサウンドだったりしましたけれども。

――敬多さんのささやくような歌い回しも新鮮でした。

古屋:あんまり歌として捉えてないですかね、この曲に関しては。セリフを言う感覚に近いというか……そういう意味では僕らの中でも新しかったです。エアリー(息を多めにする)な感じで歌って、その声を何重にも重ねたりするような手法も取っていて。でも個人的にインパクトがあったのは、繊細だけども強さのある歌詞ですね。そういう歌詞を大事に素直に歌いたいなと思って、レコーディングに向き合っていました。

――昨年は輝さんと一緒にミュージカル『イノサン』にも出演されましたが、セリフのように歌うというのは、舞台の影響もあったりしますか?

古屋:ありましたね、確かに。そっちの引き出しに近いけれども、伝えるより聴かせる方にやや重きをおいた感じです。

――なるほど。「Summer Vacation」は去年の夏リリースのシングルのタイトル曲ですが、さらっと聴けるようでいて多彩なサウンドを組み合わせていたり(DA PUMPの「U.S.A.」などを手掛けた)shungo.さんの韻踏みまくりの歌詞にもクセがあって、“沼ポイント”が多いですね。

Summer Vacation / Lead【Music Video】

谷内:アルバムの流れで聞くとシングルとはまた全然違う印象で、ダンスミュージック色が強く聴こえる感じがしますね。手前の「Depend On Me」もサウンド的にトラップの要素が強いので、この流れもまた気持ちいいなと思います。

――続く「Seasons」が、このアルバムの中で個人的に一番意外性が強かった楽曲です。みなさんの歌い回しや発声の部分も含めてライブで再現している絵がちょっと思い浮かばないくらい、いい意味でLeadっぽくなくて。

谷内:確かにこの中ではそうかもしれないですね。スタッフさんにも言われました(笑)。僕の友達のtossyっていう子が作ってくれた曲なんですけど。ちなみにこれの仮歌を、後輩のBuZZのU-SAYが歌ってくれていて。それもそれでまたいい味があって、素敵なんですよ。

――そのバージョンも聴きたかったですね。歌声の感触の違いが出た理由をご本人たちはどう考えているんですか?

古屋:この曲だけスタジオが違って、高音をすごくいい感じに拾ってくれるマイクを使ったんですよ。楽曲やこの曲での歌とも相性がよくて「マイク選びって大事なんだな」という発見もありました。そういう、物理的なミラクルもあって。

鍵本:意外な感じもありますけど、それがいいエッセンスになったんじゃないですかね。最後に録った曲なんですけど、いい外しになっているなと思います。

谷内:2番のAメロ部分だけちょっと歌詞を変えたくて、ここだけ歌詞やサウンドが変化球になっているのがポイントです。

――〈変わらないと誓った~景色を跨いで〉の部分ですね。

谷内:ここだけ一気にビートを抜いて、ちょっとデジタルな要素も入れた形ですね。違うエッセンスを入れて、いい意味で違和感にしたいなと思って。輝にレコーディングの時に言われて気づいたんですけど「最後のフレーズの〈景色を跨いで〉に次のフレーズの〈Spring to the summer〉を被せる形で次の人にリレーしていくのが、歌詞とリンクしてて気持ちいいな」って。

鍵本:歌詞で景色をまたいだついでに小節もまたいでいくという(笑)。そういう遊びもアリだなと。

――そこにも注目しつつじっくり聴いてほしいですよね。次の「Milk Tea」はアルバムのティザー映像にも使われて話題になっていた楽曲ですね。

Milk Tea / Lead【9th Album Teaser】

谷内:実は「サンセット・リフレイン」の撮影タイミングで一緒に短い映像を撮って、公開したら思った以上にLeadersからいい反応をもらえたんですよ。

――作詞の7chi子♪さんはLead楽曲ではおなじみの作家さんですね。

谷内:これまでの歌詞も含めてですけど、7chi子♪さんの詞ってなんだかすごく、キュンとするんですよね。

鍵本:この「Milk Tea」に関してはデモを聴いた段階からピンと来ていたこともあって「7chi子♪さんでお願いします!」と、熱烈オファーをさせてもらいました。

――夏目漱石がかつて「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したのは有名ですが、それをもう1回英訳して〈The moon is beautiful〉とした感情の匂わせ方とか、日本語と英語の組み合わせ方にセンスを感じます。サウンド的にもすごく温かい感じで。Leadの過去のアルバム曲ともイメージ的にちょっと重なる部分がありそうな。

鍵本:シンプルに僕らがこういうサウンドが好きってのもありますけども。

谷内:こういうフューチャーベース系のエッセンスが入っている曲は好きですね。

「Milk Tea」

青春から常夏まで……様々なテーマに挑戦

――その次の輝さん作詞作曲の「Just Love You ~青春白書~」は、サブタイトルに引っ張られて、海外ドラマみたいなイメージが強いですが……。

鍵本:サブタイトルはちょっと遊び心で付けたんですけども、狙ってますよ、僕は(笑)。映画やドラマを見ていてふと「初恋って素敵だな、キュンキュンくるな」「ずっと青春時代が続けばいいのにな」と思って、初恋について書いてみようと思い立って。曲自体はもともと作っていた曲ではあったんですけど、Leadのアルバムにちょうどいいかなと。

――みなさんは思春期真っ盛りのタイミングにデビューされましたけど、こういう初恋をストレートに描いた楽曲って、意外に今までの作品にはなかったですね。

鍵本:そうですね。初恋を描くということで、歌詞では回りくどい表現はしないで頭の中に浮かんだ言葉でそのまま紡いでいこうというアプローチで。きっと学生時代はそうだったと思うし、思いがうまく伝えられなくて、好きな子につい意地悪しちゃったりとか……そういうもどかしい感じを、そのまま歌詞にしていきましたね。

――伸也さん、敬多さんは、輝さんの歌詞をどう受け止めたんですか?

谷内:まず、輝が初恋した時はこういう感じだったんだろうなというのを知れて、面白いなと思って。初恋って誰もが経験することだから、すごく懐かしい感覚もあるじゃないですか。いろいろ思い出しながら「俺、汚れちゃったのかなあ?」とか考えたり(笑)。でも情景がすごく浮かびやすい歌詞だったので、すんなり入っていけた感はありましたね。

古屋:淡くて甘酸っぱい感じがたまらなかったですね。思い出フェチ、青春フェチとしては。小学3年生の時を思い出す感じで。

――小3限定ですか?

古屋:僕は小3くらいだった気がするんですけど、初恋が。

鍵本:ませてるねえ~。

古屋:え? 早いかな?

谷内:まあでも、僕もそれぐらいやったかな。

古屋:目が合って笑い合って、逃げてっちゃうみたいな(笑)。懐かしいですね。

――甘酸っぱいエピソードで。この曲はピアノの音色がまた、いいですね。

鍵本:菊池亮太くん(@komuro_metal)は今YouTube界隈を騒がせているプレイヤーで、もともと僕のソロライブにサポートとして参加してもらった方なんですよ。エモーショナルなサウンドにしたかったので、この曲がアルバムに入ると決まった瞬間にすぐ菊池くんに連絡しました。

谷内:アルバム特典で収録している「Say Good-bye Say Hello」のライブバージョンも菊池さんに弾いてもらって、すごくよかったので。彼が弾いてくれたのは大きかったですね。

【LIVE】Say Good-bye Say Hello / Lead [Lead Upturn 2019 ~Sync~]

鍵本:1、2回のLINEのやりとりだけでここまでのものを上げてくるので、その仕事の速さも含めて、もう大好きなんですよ(笑)。やっぱり一度ライブを一緒に作っていることもあって。

――そして9曲目の「MAGIC MAGIC MAGIC」はファンクの要素も入ったシティポップで、これまたLead楽曲としては変化球ですよね。

谷内:口笛の音をずっとループさせてるっていうのも、これまでのLeadの楽曲にはなかった要素ですね。僕はこういう、口笛が上ネタになってるような洋楽の曲がけっこう好きなんですよ。この口笛もちゃんとレコーディングしたんですけど。

――誰の口笛なんですか?

谷内:僕が吹いてます。シングル(『H I D E and S E E K/サンセット・リフレイン』)の「midnight free way」でも録りましたけど、わりと披露する機会があって。

鍵本:口笛奏者として日の目を見る日が。

古屋:ラッパー兼口笛奏者やね(笑)。この曲の仮歌を、歌詞も書いてくださった辻村さんが歌ってくれたんですけども、そのバージョンも聴いてほしいくらい素晴らしかったんですよ。メッセージ性のある歌い方をされていて「この人みたいに歌えたら」という気持ちもありましたね。最近はこういう、歌詞がスッと入ってくるような曲が好きなんですよね。DAZBEEってアーティストさんもすごくいいなあと思って聴いてるんですけど。なんていうのかな、歌詞というよりも言葉に近いというか。

――なるほど。全体のレコーディングには時間がかかりました?

鍵本:「さあ歌うぞ」みたいな気合いがあまり歌に出ちゃいけない、作り込みすぎたらよくない曲だと思ったので「どうやったら脱力感出せるかな?」という部分をテーマにレコーディングしていって。メロディや譜割を覚えるだけにして、なるべく練習せずにスタジオで感じたまま歌ってみようか、みたいな。言うてもテイク数というかトラック数はかなり録ったんですよ。主メロに対してファルセットで1オクターブ上に重ねてみたり、そういうギミック部分を録るのがわりと大変でしたね。

谷内:苦労しましたけどそういうギミックの部分があるからこそ、脱力感を出せたとも思います。

――そしてその後の「サンセット・リフレイン」。昨年末オンエアのハワイを舞台にしたドラマ『アロハ・ソムリエ』のタイアップ曲でしたね。サビのファルセットの入れ方に微量のハワイアンっぽさを感じます。

サンセット・リフレイン / Lead【Music Video】

谷内:振りにも“アロハポーズ”を交えてますしね。

鍵本:この曲にはウクレレを入れたり、ハワイに寄せ切る形でも面白かったかもしれないですけど、結果的にこれで良かったなと思っていますね。アルバムでの曲順も「Summer Vacation」とこの曲を引っ付けるんだろうなって思うじゃないですか? そこをあえて離しました!

――夏ソングで固めない、と。

鍵本:そこはこだわりですね。

谷内:ハワイを舞台にしたドラマの楽曲をやらせていただけることになって、「でも真冬のリリースになるし、どう見せよう?」という戸惑いはあったんですよ。でもそこを逆手に取って、Leadは夏にデビューしたグループで夏に活発に動くので、僕らの夏男感をより推し出すチャンスになるかな? と。

――Lead=常夏のアーティスト的な感じで。

谷内:TUBEさんかLeadかみたいな感じで。

古屋:いつか言われたいねえ。

――TUBEに負けず劣らず爽やかなこの「サンセット・リフレイン」があって、今やライブの定番曲といった立ち位置の「ANTHEM」という流れで。ライブでフックになるようなクオリティのこの曲を、メンバーの皆さんの自作で作れるようになったというのはリスナー目線でも感動的でした。

鍵本:嬉しいですね。最近までライブではこういう立ち位置の曲として「It’s My Style」をゴリ推ししてきたんですけど(笑)、もう一つ違ったアプローチで魅せたいと思って作った曲でもあったので。もともと「Summer Vacation」のカップリング曲でしたけど、Leadがこれからフェスやイベントに出させてもらえるチャンスにはテーマ曲的な扱いにしたいなと思って、改めてアルバムに収録した感じです。

――リリースされて間もないこの曲を去年夏のツアーで披露されたときに、Leadersのみなさんが「体に沁み込んだ曲!」みたいな感じで大合唱していた記憶があって。

谷内:すごくいい反応をしてくれたのが嬉かったなというのは覚えていますね。アンコールで披露して、ライブのエンディングにふさわしい一曲になったなというのを肌で感じることができたのもまた嬉しくて。

「ANTHEM」

これまでの自分たちをさらに超えていく

――その次のヒップホップ色の濃い「Ride On Music」は2015年のシングル『約束』の企画で生まれた曲ということですが。

鍵本:「約束」をリリースした時に「年末のライブまでに完全セルフプロデュースで新曲を作ります!」という公約を打ち出したんです。その年末ライブ(『Lead LIVE SHOUT』)で披露してから4~5年経ちましたけど、ずっと僕のパソコンの中にこの曲のプロジェクトファイルがあって、いつか日の目を浴びさせたいなと思ってまして。元々のトラックはかなり違った作り方だったので、アルバムに入れるにあたってシンセも弾き直したりして仕上げ直したら、このアルバムに上手くハマったなと思います。

谷内:よく聴くと「おや、このフレーズ知ってるかも? いや違うか……?」みたいな要素がいっぱい散りばめられていて、サンプリングで遊んじゃってる感が詰まっている曲なんですよ。やっぱりLeadのアルバムには前作の『MILESTONE』でいう「R.O.O.T.S」みたいな感じの曲が1曲は欲しいなあというのもあって。こういうオールドスクール要素は不可欠なので。

――アルバムの中でも、Leadの皆さんが活き活きとこれをライブで披露している姿が目に浮かびます。

谷内:そうですね、初心に帰れるというか。これ言っていいんかな……ブレイクダンスって無酸素運動だから、ライブの途中に入れると結構ハードなんですよ。でもこの曲はブレイクダンスせざるを得ない状況を自ら作ってますね(笑)。どうしても踊りたくなる。

――主に敬多さんが体力を消耗するタイプの。

古屋:そうですね。急にソロとか始まって「ラビット(注:倒立しながら跳ねる技)も入れちゃう?」みたいな。

――間違いないですね(笑)。オールドスクール感というところで『MILESTONE』に入っていても不思議じゃなかった気もするんですけども。

鍵本:最近、たまたまTwitterのリプとかファンレターで「『Ride On Music』はリリースしないんですか?」という声をチラホラいただいていて「忘れられてないんだ!」と思ったので、その言葉たちにちょっと背中押された感もありますね。

――そしてラストの「H I D E and S E E K」。先日のLINE LIVEでも披露されていましたが、すごく評判がいいですよね。個人的な印象ですが、この曲には“THEライジング(・プロダクション)ヒストリー”的なイメージがあります。今までRISING PRODUCTIONのアーティストの方々がリリースしてきた名曲たちのエッセンスを持ちつつも、洗練されたサウンドに仕上げたような。

H I D E and S E E K / Lead【Music Video】

谷内:確かに。頭の中にA・Tさん(注:DA PUMPの代表曲を手掛けたm.c.A・T)出てきますもんね。

――前半の振りにちらっとSPEED姉さんたちの面影も見た気がして。

谷内:SPEEDさんの曲にも、結構ニュージャックスイング要素入ってましたもんね。

古屋:確かにヒップホップ色強かったよね。

鍵本:こういうサウンドにはちょっとレトロなヒップホップの大振りな振りが合うなと思います。今回もShow-heyくん(RADIOFISH)に付けてもらって、がっつりそういう動きが入っていますね。

谷内:サウンド的に懐かしさと新しさをミックスさせたニュージャックスイングという感じなので、「Ride On Music」からのオールドクラシック感のある流れもすごくいいなと思ってますね。

――Leadの初期の作品、例えば『BRAND NEW ERA』辺りの世界観にもリンクする印象があります。

谷内:そうですね。それこそ僕らは原点といえるデビュー曲の「真夏のMagic」がニュージャックスイングだったりしたので。

古屋:一周回って「今、来たな!」って感じがありますもんね。

谷内:踊っていて、これだけ1曲通して16ビートを刻む振付もなかったので、そういう意味でも初心に帰れる曲ではありますね。「懐かしいな、でも疲れるな」みたいな(笑)。

――ずっとステージ上を動いてるみたいな振りですし、パワーが要りますよね(笑)。この曲は詞を輝さん、ラップを伸也さんが書かれていて、いわゆる王道なダンスミュージックのキラキラした世界観ではないのも面白かったです。

鍵本:「やっと来たぜ今日のParty Night!」的なアプローチも好きですけど、せっかくシングルのタイトル曲にするので、この曲を通して何かメッセージを届けられたらというスタンスで書いていきましたね。サラっとも聴けるんですけれども、タイトル通りテーマが“かくれんぼ”なだけに、歌詞の中にもいろいろとギミックが隠れていたりもするので、そういう細かい部分も含めて楽しんでもらえたらと思いますね。

――すごく充実した内容のアルバムが完成したわけですが、今後音楽的にチャレンジしていきたいことはありますか?

谷内:どんどん新たなアーティストやジャンルが出てきているので、スポンジのようにそういう要素を吸収しながら、自分たちでも試していきたいと思っていますね。やりたいことは溢れ出るほどあるんですけど、そのスピードに追いつけるグループでいないと。ダンスミュージックを軸に今までにない要素を落とし込む形で、もっともっと進化して、僕らならではの『SINGULARITY』(特異点)を出し続けていきたいと思うので。

鍵本:あと、まだ詳しくはお伝えできないですが、新年度からのLeadにはまた新たな動きが始まりそうな匂いがあるんですよ。「これまでの自分たちを超えていこう」という思いでこの『SINGULARITY』を作りましたけど、さらに新たな作品作りにも取り組んでいるので、そちらにも期待してもらえたらと思います。

Lead『SINGULARITY』

■リリース情報
『SINGULARITY』
2020年3月18日(水)発売
各種音楽サービスにて最新曲配信中
オフィシャルインタビュー公開中

●初回限定盤A【CD+DVD】3,636円+税/税込¥4,000
<DVD収録内容>
・「Be the NAKED」Music Video
・「Summer Vacation」Music Video
・「サンセット・リフレイン」Music Video
・「H I D E and S E E K」Music Video
・「H I D E and S E E K」Behind the Music Video
・「SINGULARITY」Behind the Jacket Shooting
・「Lead Quick workout (一緒にできるトレーニング付き)」

●初回限定盤B【2CD+スペシャルブックレット】本体価格¥3,636+税/税込¥4,000
<CD-DISC2収録内容>
・「木曜日の男子会」SP ~SINGULARITY RADIO~
・「Summer Vacation」 Lingering Summer Heat Remix Remixed by AKIRA
・「Say Good-bye Say Hello」 Lead Upturn 2019 ~Sync~ Live ver.

●通常盤【CD Only】本体価格¥2,727+税/税込¥3,000
<CD収録曲>
01. Regularity://
02. シンギュラリティ
03. Be the NAKED
04. Depend On Me
05. Summer Vacation
06. Seasons
07. Milk Tea
08. Just Love You ~青春白書~
09. MAGIC MAGIC MAGIC
10. サンセット•リフレイン
11. ANTHEM
12. Ride On Music
13. H I D E and S E E K

『Regularity://』
Composed and Arranged by AKIRA

『シンギュラリティ』
Lyrics by SAEKI youthK
Rap Lyrics by SHINYA
Composed by HIKARI / MoonChild / HIROMI
Music Produced by HiDE Kawada for Future Unison
Track Produced by HIKARI

『Be the NAKED』
Lyrics by SAEKI youthK
Rap Lyrics by SHINYA
Composed by Obi Mhondera / Kyler Niko / Coach & Sendo
Track Produced by Coach & Sendo

『Depend On Me』
Lyrics by Yuki Tsujimura
Composed by Erik Lidbom / Yuki Tsujimura
Track produced by Erik Lidbom for Hitfire Production

『Summer Vacation』
Lyrics by shungo.
Composed by Fredrik “Figge” Boström / Ryo ‘LEFTY’ Miyata / Lars Safsund
Arranged by Ryo ‘LEFTY’ Miyata

『Seasons』
Lyrics by HOSEI SHIRAMIZU / tossy
Composed by HOSEI SHIRAMIZU / tossy
Arranged by tossy

『Milk Tea』
Lyrics by 7chi子♪ 
RAP Lyrics by SHINYA
Composed by Albin Nordqvist / Eric Ng
Track produced by Albin Nordqvist

『Just Love You ~青春白書~』
Lyrics by AKIRA
Composed by AKIRA
Arranged by AKIRA
Piano by RYOTA KIKUCHI

『MAGIC MAGIC MAGIC』
Lyrics by Yuki Tsujimura
Composed by Victor Sagfors / Yuki Tsujimura
Track produced by Victor Sagfors

『サンセット・リフレイン』
Lyrics by shungo.
Composed by KID STORM / MUSOH / SLIPKID
Arranged by KID STORM

『ANTHEM』
Lyrics by AKIRA
Rap Lyrics by SHINYA
Composed by AKIRA
Arranged by AKIRA

『Ride On Music』
Lyrics by AKIRA
Rap Lyrics by SHINYA
Composed by AKIRA
Arranged by AKIRA
Guitar by NOBUYUKI NISHIKAWA

『H I D E and S E E K』
Lyrics by AKIRA
Rap Lyrics by SHINYA
Composed by MASAT / Drew Ryan Scott
Arranged by MASAT

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