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山田裕貴が誓った夢への努力 『なつぞら』家族の涙と笑顔で終結した「雪次郎の乱」

リアルサウンド

19/6/28(金) 12:00

 『なつぞら』(NHK総合)第77話で雪之助(安田顕)はなつ(広瀬すず)に雪月を続けている理由を話した。「俺は、間違っているか」と問う雪之助に、なつはこう答えた。

【写真】雪次郎、渾身のバタークリームケーキ

 「間違ってないから、雪次郎(山田裕貴)くんはつらいんです」

 「雪次郎くんは、ちゃんと家族を大事にして生きてると思います」と訴えかけるなつ。なつは自分が漫画映画の道へ進むと決めたのは、北海道にいる家族の姿を見て「自分らしい生き方をしよう」と思ったからだと話した。

 「雪次郎くんが、どこでどんな生き方をしようと、おじさんのように生きると思います」

 自分の夢を切り開いて生きていくことも、ちゃんと家族を大事にして生きていることにならないか、と問うなつの言葉に、雪之助はじっと耳を傾け、一筋の涙をこぼす。

 一方、雪次郎のアパートでは、妙子(仙道敦子)が雪次郎の背中を押した。「雪次郎が、やりたいことを応援したいだけだわ」という言葉からは、息子を思う母親の優しさが伝わってくる。妙子のつくったカレーを食べながら涙する雪次郎。感情が溢れ出てしまうのを抑えるように泣く山田の演技が印象に残る。「母ちゃんのカレーが世界で一番うめえ」と言う笑顔が、雪次郎の家族を思う強い気持ちを描いていた。

 風車では咲太郎(岡田将生)ととよ(高畑淳子)が意気投合。酔っ払ったとよに雪之助は呆れる。だが、とよは雪之助の顔を見ると「たたいて悪かったね」「あんたにはわたしの夢まで背負わせて、苦労ばっかりかけて、悪かったね」と泣き出した。母親を優しく抱きしめる雪之助。小畑家は誰もが家族のことを強く思っている、そのことが伝わるシーンだった。

 翌日、雪次郎を風車に呼び出した雪之助。雪之助は雪次郎にバタークリームケーキを作れと言う。皆を満足させられる味ができたら、修行の成果を認め、雪次郎の好きに生きていい、と。雪次郎は見事にケーキを作りあげた。皆が絶賛する中、硬い表情をしていた雪之助が口を開く。

「何をするにも、これぐらいやれ。これぐらい努力しろ。これぐらい一生懸命頑張れ」

 雪之助の激励の言葉だった。

 小畑家は雪次郎に、自分で選んだ道で挫折することがあれば、いつでも帰ってこいと伝えた。雪次郎には帰る場所があるのだ。

 雪次郎が自分の夢に向かって進み始めた。なつの作画にも熱が入る。小畑家の物語に触れ、よりいっそう思いを込めるようにして絵を描くなつの横顔は美しかった。

(片山香帆)

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